2017年「宣教地召命促進の日」(12月3日)

「宣教地召命促進の日」を迎えて  来る12月3日(12月の第一主日)は「宣教地召命促進の日」です。この日、全世界のキリスト者たちは、とくに宣教地における召命について考え、その促進のために祈り、献金をささげるよう呼びかけら […]

「宣教地召命促進の日」を迎えて

 来る12月3日(12月の第一主日)は「宣教地召命促進の日」です。この日、全世界のキリスト者たちは、とくに宣教地における召命について考え、その促進のために祈り、献金をささげるよう呼びかけられます。

 夏休み中のある日曜日、一人の小学生が顔を真っ赤にしながら「神父さまー」と言って駆け寄ってきました。その顔があまりに真剣だったので、「何かあったのかな」と思いながら身構えて待っていると、「あのね、神父さま」と言いながら、離れた所に住むおばあちゃんの家に遊びに行った楽しい思い出を話してくれました。よほど楽しかったのか、身振り手振りを交えながら話していても、時折、自分の気持ちを伝える言葉が見つからないようで、もどかしげにしている様子が何とも愛らしく、思わず笑みがこぼれました。話疲れて一息ついていると、すぐに別の友だちを見つけ、あっという間に駆け出し、またひとしきり、楽しかったあのこと、このことを話しているようでした。

 この喜びを誰かに伝えないではいられないような彼女の様子を見ながら、わたしは「福音宣教」ということを考えさせられました。「福音」とは「喜びの知らせ」、嬉しくて嬉しくてしょうがない知らせのことでしょう。キリストの生涯を通して語られた神のことばは、そのような福音=喜びの知らせです。それを聞いた人は喜びで満たされ、その幸せを誰かに伝えたい、誰かと分かち合わずにはいられないようなものではないでしょうか。

 キリストの死と復活を通して、わたしたちに救いがもたらされたこと。キリストは世界のすべての罪と悪を十字架の上で担い、これを祝福と希望に変えてくださったこと。これは世界中のすべての人々の心に届けられなければならない福音です。今なお、痛みや苦しみが絶えない世界に、希望や光をもたらすために伝えられなければならない喜びの知らせです。

 ちょうどあの小学生がたどたどしく、でも一生懸命話してくれた喜びが確かに伝わったように、キリストの福音も「この喜びを分かち合いたい」と願う心を通して、人々に伝えられていくのでしょう。そのような心がわたしたちに与えられるように。そして、とくに宣教を必要としている地の人々の中にそのような心が芽生え、豊かに育っていくように、祈りと献金という形で宣教地での召命促進のための活動を支えていきたいと思います。

 昨年、皆さまから寄せられた献金と前年までの繰越金を合わせて、2017年は、タイ、インド、ザンビアの召命促進のため21,468,009円を送金させていただきました。皆さまのご協力に心より感謝申し上げます。今年も「宣教地召命促進の日」の趣旨をご理解いただき、引き続き皆さまのご協力をお願いいたします。

2017年11月10日
教皇庁宣教援助事業・宣教地司祭育成会
日本事務担当 川口薫

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