前田万葉大司教、枢機卿に

速報でお伝えしたとおり、教皇フランシスコは、5月20日の正午、バチカン・サンピエトロ広場に集まった巡礼者や訪問者に向けての「アレルヤの祈り」を祈る際、14人の枢機卿を親任することを発表しました。親任のための枢機卿会議は6 […]

前田万葉大司教


速報でお伝えしたとおり、教皇フランシスコは、5月20日の正午、バチカン・サンピエトロ広場に集まった巡礼者や訪問者に向けての「アレルヤの祈り」を祈る際、14人の枢機卿を親任することを発表しました。親任のための枢機卿会議は6月28日に、ミサは翌29日に行われます。日本からは、前田万葉大司教(大阪教区)が選ばれ、日本人として6人目の枢機卿となります。

 ◎ 枢機卿(すうききょう)とは?

20日時点で、世界の枢機卿団の人数は213人。うち80歳未満の、教皇選挙に投票権のある枢機卿は115人でした。今回、発表された新枢機卿のうち、80歳未満は11人で、80歳以上が3人です。この結果、6月29日の枢機卿会議において新枢機卿が親任されると、選挙権のある枢機卿は125人となる見込みで(6月8日に1人の枢機卿が80歳を迎える)、教皇パウロ6世の定めた120人の制限を5人超えることとなります。ただこの人数も、各枢機卿が80歳を迎えるにつれ、漸次減っていきます。

今回、発表された14人は以下の通りです。

[80歳未満の11人]

  • ルイス・ラファエル1世・サコ・バビロニア総大司教(カルデア典礼カトリック教会・イラク、69歳)
  • ルイス・フランシスコ・ラダリア・フェレール大司教(教皇庁教理省長官、スペイン出身、79歳)
  • アンジェロ・デ・ドナーティス大司教(ローマ教区司教総代理、イタリア出身、64歳)
  • ジョバンニ・アンジェロ・ベッチウ大司教(教皇庁国務省総務局長官代理、イタリア出身、69歳)
  • コンラート・クライェフスキ大司教(教皇慈善活動室施物担当、ポーランド出身、54歳)
  • ジョセフ・クッツ大司教(カラチ教区・パキスタン、72歳)
  • アントニオ・ドス・サントス・マルト司教(レイリア—ファティマ教区・ポルトガル、71歳)
  • ペドロ・バレット大司教(ウワンカジョ教区・ペルー、74歳)
  • デジレ・ツァラハザナ大司教(トアマシナ教区・マダガスカル、63歳)
  • ジュゼッペ・ペトロッキ大司教(ラクイラ教区・イタリア、69歳)
  • 前田万葉大司教(大阪教区、日本、69歳)

[80歳以上の3人]

  • セルヒオ・オベッサ・リベラ名誉大司教(ハラッパ教区・メキシコ、86歳)
  • トリビオ・ティコナ・ポルコ名誉司教(コロコロ高位区・ボリビア、81歳)
  • アキリノ・ボコス・メリノ神父(クラレチアン宣教会、スペイン出身、80歳)

歴代の日本人の枢機卿は、以下のようになります。白柳枢機卿が亡くなってから、日本は枢機卿不在となっていました。今回、前田新枢機卿を迎えることで、9年ぶりに日本にも枢機卿が誕生することとなります。

  1. 土井辰雄 (東京大司教、枢機卿在任は1960—70)
  2. 田口芳五郎 (大阪大司教、同1973—78)
  3. 里脇浅次郎 (長崎大司教、同1979−96)
  4. 白柳誠一 (東京大司教、同1994−2009)
  5. 濱尾文郎 (教皇庁移住・移動者司牧評議会議長、同2003−07)


5月21日のUCAニュースによると、前田新枢機卿はインタビューに答えて、次のように語っています。
「発表、見たよ、というメールや電話が次々にやってきました。わたし自身、発表についてはまったく知りませんでした。事前に何も連絡はありません。個人的には、自分が枢機卿にもっともふさわしい人間だとは思っていませんので、いまだに信じられない気持ちです」


前田新枢機卿は現在、日本カトリック司教協議会の副会長です。また、常任司教委員会委員、学校教育委員会ならびにエキュメニズム部門の委員長などを務めています。
略歴は以下の通りです。

大阪大司教 トマス・アクィナス 前田万葉
1949年3月 3日 長崎県南松浦郡新上五島町仲知に生まれる
1975年3月19日 司祭叙階
2011年6月13日 広島教区司教に任命される
2011年9月23日 司教叙階
2014年8月20日 大阪教区大司教に任命される
2014年9月23日 着座
2018年5月20日 枢機卿に任命される



【訂正】
新しい枢機卿が親任される枢機卿会議が開かれるのは、当初6月29日となっていましたが、正しくは6月28日でした。29日に親任のミサが行われます。上記本文は修正済。[2018.6.13]

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