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今週の記事1本

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教皇の一般謁見講話
聖人は徳を生きる模範
【バチカン3月13日CNS】

 聖人は手の届かない「例外的な人たち」ではなく、徳のうちに成長しようと努めた普通の人々だった、と教皇フランシスコは説いている。
 聖人たちを「人間の限界を克服して生きたごく少数の特別な人たち」と考えるのは間違っている、と教皇は3月13日、バチカンで開いた一般謁見講話の原稿の中で指摘した。聖人たちは「そうではなく、本当の自分自身を見いだして、誰もが受ける召命に気付いた人たちなのです」。
 「正義と敬意、互いへの思いやり、寛大な心、希望が当たり前に分かち合われ、決して異常なことではない世界になれば、どんなにか幸せでしょう」と教皇の講話は思いをつづっている。
 教皇フランシスコは前週3月6日の一般謁見の時と同じように、広場に集まった人々に向けて、軽い風邪のために側近のピエルルイジ・ジローリ神父に講話を代読してもらうと告げた。それでも、3月8日にローマ市内の小教区でミサをささげた際には、教皇は回復していたように見え、説教を自身で読み、即興の言葉もたくさん交えていた。

混乱に直面しても 徳に向かって進む

 一般謁見で「悪徳と徳」についての講話を続けている教皇は3月13日、徳にあふれる人は自分をゆがめてしまうのではなく、召命を忠実に生きることで自己を豊かに実現すると説いた。
 教皇フランシスコは、古くから議論され分析されてきた徳の本質について顧み、徳は天からときたま降ってくるような「思いつき」や「偶然」による善行ではないと説明する。犯罪に手を染めた人でも、正気に戻って善い行いをしてきている。徳はむしろ、「人がゆっくりと成長して、その人の内面の本質になるほどまでになったときに生まれる善行なのです」。
 「徳は自由の表れです」と教皇の講話は続ける。「私たちがあらゆる行いにおいて自由なら、そして善悪の選択を迫られる時ごとに、徳によって私たちは正しい選択に至ることができるようになります」
 「さらには」と教皇は促す。「古くから伝えられてきた知恵による豊かな教えを忘れてはいけません。徳は育つもので、さらに育むこともできるのです」
 開かれた心と善意、過ちから学ぶ知恵によって、人が得てして遭遇する熱情や感情の揺れ、衝動といった「時に混乱をもたらす力」を前にしても、徳にあふれた生き方に向かって進むことができる、と教皇の講話は付け加えている。


3月13日、バチカンで開いた一般謁見で、 サンピエトロ広場を
パパモービレで回る教皇フランシスコ(CNS)

 


 

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