1. はじめに
カトリック司教協議会は、教会が女性の権利を擁護するために何ができるのかを1年にわたって検討してまいりました。そして、まず手始めに「セクシュアル・ハラスメント防止のための小冊子」を作成することを企画いたしました。
セクシュアル・ハラスメントに関して、一般の企業に対しては雇用管理上配慮すべき事項として厚生労働省から指針が出されていることをご存知の方は多いと思います。信徒の方々には一般社会で取り上げられる課題を、なぜ教会で取り上げるのか疑問に思われる方もたくさんいらっしゃると思います。
そこで、私たちが今回なぜこのようなアンケートをとることにしたかの説明をしたいと思います。
2. 背景
2002年6月、日本の司教団は全国の聖職者、修道者、信徒にあてて「子どもへの性的虐待に関する司教メッセージ」を発表しました。このメッセージは、米国で起きた聖職者による性的虐待問題に端を発しております。
カトリック教会のみならず、世界中の注目を浴びたこの事件は、カトリック教会に一つの大きな転換を試みる機会を与えました。なぜなら、本来弱い立場におかれている子どもを擁護するべき立場である教会が「なぜ犯罪を未然に防ぐことができなかったのか。教会はなぜ被害の拡大をゆるしてしまったのか。」など、自らを真摯に問いなおすことができたからです。今回の米国で起きた事件は、一人の弱い人間が犯した過ちということで片づけられる問題ではありませんでした。
上記のメッセージを発表した司教団は、その年「子どもへの性的虐待問題に取り組むプロジェクトチーム」を発足させ、米国での事件を教訓にして、日本の教会が今後取り組むべき課題について答申させました。提言の大きな柱は、現在の教会が抱えている構造的課題を如何に乗り越えるのかということです。同プロジェクトチームは、「米国で問題を深刻にさせたのは、一人の司教が個人的に情報を握り、一人で判断を下していたということが大きく起因している」と指摘し、「教会が第三者機関を通して問題解決をはかり、客観的判断をあおぐことができるようなシステムを導入することが重要」であると提言しました。具体的には、相談窓口と第三者による調査機関の設置です。これについては、各教区の実情にあわせて対応することとなり、現在、多くの教区では検討中の段階にあるといえます。
さて、このプロジェクトチームは、聖職者による児童性的虐待問題への対応の検討を重ねておりましたが、その検討過程で教会における「女性への性的暴力」という問題をも指摘せざるを得ませんでした。そこで、プロジェクトチームは提言の最後に「先に述べた児童性的虐待問題についての第三者機関が女性からの訴えに誠実に対応し、客観的な判断をしていくためにも有効」という認識を示し、さらに、女性と子どもの権利を尊重し、人権についての理解を深めるための啓発活動を継続的に推進する委員会の設置を提案しました。
これを受けて司教総会は、中央協議会社会福音化推進部内に子どもと女性の権利を擁護するためのデスクを設置しました。デスクでは、まず、日本の教会においての優先課題として、「女性の人権問題」に取り組むことを確認しました。教会共同体において女性の人権を考える場合、セクシュアル・ハラスメント問題はどうしても避けて通れないテーマであり、教会におけるセクシュアル・ハラスメント防止のために小冊子を作成することを企画致しました。小冊子作成にあたって、私たちはまず、「教会共同体のなかでセクシュアル・ハラスメントがどのように意識されているのか。問題が起きた場合、それへの対応はどのようになっているのか」といった教会内のセクシュアル・ハラスメントに関する全体像を把握することが重要との認識から今回のアンケート調査の実施することになりました。
3. 調査の目的
このアンケートは「セクシュアル・ハラスメント防止のための小冊子」作成のための参考資料とさせて頂くものです。
4. 調査用紙の回収方法
調査用紙にアンケートを記入の上、匿名で下記あてにご郵送(またはFAX)下さいますようお願い致します。
なお、調査用紙をコピーして周りの方々に配布してアンケートにご協力頂けると幸いです。
5. アンケート実施後の対応
お寄せ頂いた回答は、細心の注意を払い管理致します。ご回答の記述がどのように小冊子に反映されるのか、ご心配がおありかと思いますが、記述の内容をそのまま掲載することはありませんのでご安心下さい。回答の分析は「子どもと女性の権利擁護のためのデスク」にかかわっている専門家がおこない、編集段階において徹底した議論を尽くすつもりでおります。
教会が弱い立場に追いやられている人々の声を聞き取り、事態の解決を図っていくために、信徒自らが教会共同体づくりに主体的に参加することが必要です。
何卒ご協力をよろしくお願い致します。
送付先
〒135-8585 東京都江東区潮見2-10-10 日本カトリック会館
カトリック中央協議会 社会福音化推進部内
子どもと女性の権利擁護のためのデスク
TEL:03-5632-4413 FAX:03-5632-4461
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