シノドス第16回通常総会、研究部会最終報告書:第7部会

世界代表司教会議第16回通常総会 第1会期「まとめ」報告書の関連課題に関する研究部会 シノドス流の教会:交わり、参加、宣教 第7部会 司教のあるべき姿と奉仕職のいくつかの側面 (とくに、司教候補者の選定基準、司教の法的機 […]

世界代表司教会議第16回通常総会
第1会期「まとめ」報告書の関連課題に関する研究部会
シノドス流の教会:交わり、参加、宣教


第7部会
司教のあるべき姿と奉仕職のいくつかの側面
(とくに、司教候補者の選定基準、司教の法的機能、
使徒座定期公式訪問[アド・リミナ]の性質や実施)を、
シノドス的で宣教的な観点に照らすこと
報告概要

(原文:イタリア語)

第1部 司教候補者の選定手順について

 第7部会の報告書は、聖霊に導かれ、祈り、耳を傾け、識別する姿勢を特徴とする「教会の時」として、司教候補者を選定するプロセスを理解し、実践する一助となることを目的としています。このプロセスには、さまざまな立場で数多くの関係者がかかわります。まず第一に、その司教に導かれる地方教会、次に、同じ教会管区あるいは司教協議会に属する司教たち、そして最後に、ローマ教皇庁と連携を保つ、教皇大使が率いる教皇庁大使館です。

 本部会は、司教の選定にあたって、求められる資質の一つとして、候補者の「シノドス的能力」、すなわち宣教するシノドス的教会のニーズに対する感受性を考慮に入れるよう提言し、さらに、教皇大使たち自らがまず、シノドス的かつ宣教的資質を備え、その結果今度は彼らが、司教候補として彼らの前に現れる人びとの中にその資質を見出すことができるよう期待しています。

 初代教会の時代から、各地方教会が自らの司教を選定するプロセスにおいて、さまざまな形で意見聴取がなされてきたという認識に基づき、本部会は、各教区が定期的に、自らの現状とニーズに関して識別するプロセスを実施するよう提案します。つまり、このプロセスによって、一方では、司教職の候補者として推薦すべき司祭をその教区の中から見出し、他方では、その地方教会の未来の牧者像を明確にすることができるのです。とりわけ、教会管区(または司教協議会)の司教たちが、使徒座に提出する司教候補者名簿を作成するよう求められている会合を考慮すると、本部会は、司教が少なくとも司祭評議会および教区司牧評議会を招集するよう提案します。これにより、各評議員は封をした封筒で、司教職に適任であると判断した、教区内で活動する司祭たちの名前、自らの地方教会の将来の司教像に関する意見、後継者として適任と考える司教または司祭たちの名前を提出できるようにするためです。これら意見聴取の結果は、当該司教によって、教会管区または司教協議会の司教たちの会合に開示されるべきもので、そこで、最大限可能な彼らの合意を表現した司教候補者名簿が作成されるのです。

 また、本部会は、司教継承の時期が近づいた際、退任する司教が、共同識別を行うために特別な機会を設けるよう提案します。さらに、地方教会が空位となる、あるいは聖座が継承手続き開始を承認する時点で、その地方教会の準備委員会を、教区内に設置することを提案します。教皇大使はこの委員会を活用し、当該地方教会の状況や、新たな司牧者の資質を明確にし、また各候補者に関する意見を収集します。

 一方、教皇大使は、各教区および各教会管区(あるいは司教協議会)で行われた意見聴取の結果を受け取り、それらをさらなる意見聴取と統合します。この点に関して、本部会は、聖職者だけでなく、同数の信徒および奉献生活者にも意見を聞くことを推奨しています。この意見聴取の目的は、教区の状況やニーズ、そして司教職の候補者となりうる人びとの資質や適性について、可能な限りの事実を明らかにすることにあります。本部会は、情報提供者に対して適用する質問票を最新のものに更新し、内容も多様化すること、また、書面による質問票だけでは状況や人物について十分な理解が得られない場合、とりわけ有用である個人面談を活用することを提案します。

 ローマの司教が各地方教会を統括するのを補佐する役割を帯びたローマ教皇庁の各省もまた、彼らの立場から、自分たちの手順を見直すよう求められている、と本部会は考えています。そうすることで、教会的な識別という方法が、彼らの日常的な活動を形づくるものとなるでしょう。

 2021〜24年のシノドスの歩みの精神に基づき、本部会はさらに、司教職の候補者選定の種々のプロセスを評価する仕組みを設けることを提案します。このような評価は一定期間ごとに実施されるべきであり、そのプロセスが、宣教するシノドス的教会の基準を満たしているかを確認し、優れた実践例の共有を促進し、必要と認められる措置を講じるものでなければなりません。本部会は最後に、教皇の自由裁量により定期的に、教会の独立委員会を設置することを提案します。同委員会は、その評価に、教皇庁各省の活動も対象に含めるものとします。


第2部 シノドス的で宣教的な観点における使徒座公式訪問(アド・リミナ)

 第7部会の報告書は、教皇フランシスコの使徒憲章『プレディカテ・エバンジェリウム』に沿って、シノドス的で宣教的な観点から、「使徒座公式訪問(アド・リミナ)」についての新たな理解と手続きの見直しに向けた枠組みを提供することを目的としています。

 アド・リミナは、各部分教会が、自らを「シノドスの道」を歩む存在として捉える機会となります。2021年から2024年の「シノドスの歩み」を踏まえ、当部会は、アド・リミナが、単にその地方教会の内部運営に関する事項のみにとどまるべきではなく、キリスト教共同体が世の中で果たすべき使命を支え、日頃の司牧奉仕職における宣教に向けた回心のための道具となるべきであるという確信を表明します。

 これらの提案は、各地方教会と使徒座との間の通常の対話の枠組み、および使徒座が各地方教会に対して、ローマの教会による教会全体への配慮に基づき提供する同伴の枠組みの中にアド・リミナを位置づけています。この公式訪問は、各地方教会が司教の指導のもと、自らの宣教について省察し、自分たちの地域の諸教会とかかわりをもち、使徒座と対話を交わし、そこから自らの司牧活動に向けた新たな原動力を得るという、継続的なプロセスの一環をなしています。したがって、ローマにおいてアド・リミナを実行するだけでなく、その準備や、各地方教会内での実践にも注意を払う必要があります。

 「シノダリティ」に向けた、宣教のための聖霊の招きに対する応答は、何よりもまず、アド・リミナの準備に反映されなければなりません。その際、宣教の実りを見据えつつ、教区の組織構造、意思決定プロセス、そして教会内の各主体間の関係性の中で達成された回心を、出発点として、また評価のための視点として捉える必要があります。この目的のためには、司教がその民を招集し、彼らが共同責任の精神のもと、祈りと参加に支えられた教会の識別プロセスを通じて、それぞれのカリスマ、使命と奉仕職に応じて、『レラチオ・プレビア(予備報告)』の準備に取り組めるようにする必要があります。教区におけるこのプロセスの成果は、教会管区アセンブリーや、司教協議会アセンブリーに提出されます。司教たちは、司牧協力と共同計画を推進するために、各教区の状況を団体性に基づいて評価します。これは、アド・リミナに向けてともに準備を進めるためであり、また、教皇およびそれを補佐する人びとに、可能な限り共同識別の成果として、自分たちの管轄区域の強みと課題の概観を提示するためです。

 ローマでの滞在に関しては、霊的側面を最優先とすべきです。さらに、ローマの司教、および教皇庁各機関の長との対話が真摯かつ実りあるものとなるよう、司教たちは少人数のグループに分かれ、適当な日数でアド・リミナを行うことが推奨されます。「たまものの交換」として理解され、団体性の形態をもって行われる対話は、率直かつ心がこもったもので、一方通行ではなく、各地方教会の強みとニーズ両方を明らかにし、優れた実践例の交換を促進するものでなければなりません。また、アド・リミナの間、最適と思われるどのようなしかたでも、地元での準備に協力した人々を優先して、教区代表者らを司教に随行させることも望ましいでしょう。

 訪問終了後、教皇庁各機関は、アド・リミナに関する報告書が各司教協議会および東方諸教会の位階的組織に確実に届けられるよう手配します。各教区司教は、今度は、ローマへの同行者となった信者の人びととともに、アド・リミナの成果をその地方教会に確実に伝達していきます。そののち、その訪問のフォローアップとして講じるべき措置を識別するのは、その地方教会の諸参与機関、および所管の教区各事務機関の役割です。アド・リミナを通じて、地方教会とローマの諸機関との間で対話を継続する必要がある課題が明らかになった場合には、オンライン会議や、場合によってはローマ教皇庁の代表者による現地訪問が企画されるかもしれません。定期的にこのプロセス全体を評価するために、教会の独立委員会が設置されるでしょう。

 

【参考】第7部会 「最終報告書」(英語)――目次



第1部 司教候補者の選定手順について

  1. 本諸提案の目的と範囲
  2. シノドス的で、かつ宣教的資質を備えた司教
  3. シノドス的で、かつ宣教的資質を備えた教皇大使
  4. 当該地方教会および当該地域の司教たちによる識別
  5. 司教職継承のとき
  6. 教皇大使館による識別
  7. 多様な形態の意見聴取の提供
  8. ローマ教皇庁の各省の手順見直し
  9. 任命受諾のとき
  10. プロセスの定期的見直し

第2部 シノドス的で宣教的な観点における使徒座公式訪問(アド・リミナ)

  1. はじめに:本提案の根拠と目的
  2. アド・リミナの教会的・神学的意義
  3. 各地方教会と教皇庁間の通常対話の枠組みにおけるアド・リミナ
  4. 各地方教会における準備
  5. ローマ市内での滞在
  6. 各地方教会への帰還

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