比叡山宗教サミット25周年にあたっての教皇メッセージ

第256世天台座主 半田孝淳貎下  貎下、ならびに比叡山宗教サミット25周年 のためにお集まりの諸宗教の指導者の皆様にごあいさつできることを、わたしは喜ばしく思います。比叡山宗教サミットは、わたしの前任者である福者ヨハネ […]

第256世天台座主
半田孝淳貎下

 貎下、ならびに比叡山宗教サミット25周年 のためにお集まりの諸宗教の指導者の皆様にごあいさつできることを、わたしは喜ばしく思います。比叡山宗教サミットは、わたしの前任者である福者ヨハネ・パウロ二世が1986年にアッシジで開催した歴史的な祈祷集会の精神に基づいています。平和のために宗教者が尽くすことは何よりも大切なことです。皆様の尽力のおかげで、比叡山宗教サミットが、主要な年中行事として、異なる宗教の信者間の対話に大いに貢献していることを知り、うれしく思います。
 サミットにおける活動と、自然災害に対する宗教者の役割を考えるシンポジウムは、連帯と助け合いの促進につながるものと確信しています。キリスト者の視点からすれば、苦しむ人に注がれる愛は、御独り子イエス・キリストをお遣わしになったほどにこの世を愛された神の愛の表れです。この意味で、わたしは、昨年、東北地方で起きた地震と津波、そして日本全土が被ったその悲惨な影響に心を向けます。宗教者がすべての苦しむ人々に希望と支援、助言と慰めを与えるために大きな役割を果たしたことを知り、心強く思います。悲劇的な出来事は、異なる信仰を持つ人々が、いかに人間の善のために互いに協力できるかも明らかにするのです。
 こうした思いのもとに、わたしは善意と友情のしるしとして、お集まりの皆様の上に神の豊かな祝福があるように願い求めます。

教皇ベネディクト十六世

*訳注 
比叡山宗教サミット25周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」は、2012年8月3日、4日に開催されました。

(カトリック中央協議会訳)

教皇ベネディクト十六世

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