2026年すべてのいのちを守るための月間 ラウダート・シ部門 担当司教メッセージ 「いのちの水」 毎年9月1日の「被造物を大切にする世界祈願日」1から、アッシジの聖フランシスコの記念日である10月4日までの期間、世界の […]

毎年9月1日の「被造物を大切にする世界祈願日」1から、アッシジの聖フランシスコの記念日である10月4日までの期間、世界のキリスト者は「被造物の季節(Season of Creation)」を祝っています。日本の教会も、2019年の教皇フランシスコ来日時の呼びかけにこたえ、2020年よりこの期間を「すべてのいのちを守るための月間」と定め、意識と自覚を深めながら、具体的な行動へと踏み出すよう歩みを重ねてまいりました。
2026年の「被造物の季節」のテーマは、「いのちの水(Living Water)」です。このテーマは、預言者エゼキエルの幻に由来します。
「すると見よ、水が神殿の敷居の下からわき上がって、東の方へ流れていた。……川が流れて行くところではどこでも、群がるすべての生き物は生き返り、魚も非常に多くなる。この水が流れるところでは、水がきれいになるからである。この川が流れるところでは、すべてのものが生き返る」(エゼキエル書47章1節、9節)。
神殿の敷居の下からわずかな水がわき、やがて渡ることのできないほどの大河となり、行く先々で荒れ地を潤し、死んだ水を生きた水に変え、いのちを回復させていく――この幻は、わたしたちがともに生きるこの世界のいのちのつながりが、神の恵みに基づいていることを示しています。神が与えるいのちの水はとどまることなく流れ、わたしたちが傷つけた大地をいやし、失われたかに見えるいのちを新たにするのです。
わたしたち人間はこのいのちのつながりを分断し、壊し続けています。それによって人間も、大地も悲鳴を上げています。ここでは、水について考えてみましょう。気候変動による記録的な豪雨や渇水、各地で頻発する水害、水質汚染、海水温の上昇や海面上昇、そして世界には今なお安全な飲み水を得られない人々が数億人単位で存在します。日本においても、近年の集中豪雨や台風の激甚化は、水がいのちを支えると同時に、無秩序な開発や環境の軽視のもとでは大きな脅威ともなりうることを、わたしたちに突きつけています。
わたしたちキリスト者にとって、水は洗礼の恵みを思い起こさせるものでもあります。洗礼の水によってわたしたちは新しいいのちに生まれ、キリストの死と復活に結ばれる者となります。エゼキエルの幻の水が神殿からわき上がり、流れ出て、大河になって広がっていったように、洗礼によって受けたいのちの恵みを、自分の内に留めてしまってはいけません。『ラウダート・シ』が教えるように、この世界のすべてのものはつながっており、生きるために互いを必要としています。この「すべてのいのちを守るための月間」の間、わたしたちは、いのちのつながりを大切にする小さな取り組みを続け、それが家庭へ、地域社会へ、そして被造物全体へと流れ出ていくよう努めましょう。
【取り組みへの招き】
祈りとミサ:何よりもまず、神の創造のわざを賛美し、いのちのたまものに感謝しましょう。そして、この世界のすべてを神からのたまものとして大切に受け取り、ともに生きていくことができるよう、神の導きを願いましょう。とくに、「被造物を大切にするためのミサ」を、最後に紹介する資料を参考にささげてください。
エコロジカルな回心:自分自身のライフスタイルを振り返りましょう。わたしたちは限りなく尊いものとして神から造られましたが、この事実を自分事として受け止め、感謝しているでしょうか。また、きわめてよいものとして造られた全世界を、造り主のみ心にかなう仕方で治めるようゆだねられた者として、ふさわしく生きているでしょうか(参考:司教団文書『見よ、それはきわめてよかった――総合的なエコロジーへの招き』36~45「ライフスタイルの転換を目指して」)。
エコロジカルな教育:AIの時代に成長していく次の世代を生きる子どもたちが、いのちの尊さとそのつながりを大切に生きることができるよう、学び、体験する機会を作りましょう。
貧しい人と大地の叫び:あなたの身近なところで苦しむ人はだれでしょうか。叫びを上げる自然環境はどこでしょうか。つながってこそ生きることができるよう造られた世界にあって、とくにこの期間、叫びを上げる人々と自然環境を心に留め、つながりのうちに歩みましょう。
日本カトリック司教協議会ラウダート・シ部門
担当司教 成井大介
(参考)
