日本カトリック司教協議会 公認団体に関する基準・運用規程 (2026年改定) はじめに 日本カトリック司教協議会(以下「司教協議会」という。)は、聖霊の導きのもとに行われる信者の諸活動を尊重し、これを奨励する。信者は、そ […]
公認団体に関する基準・運用規程 (2026年改定)
はじめに
日本カトリック司教協議会(以下「司教協議会」という。)は、聖霊の導きのもとに行われる信者の諸活動を尊重し、これを奨励する。信者は、それぞれの召命と役割に応じて互いに励まし合い、助け合いながら信仰生活を深め、個人としても共同体としても、より開かれた教会の建設に参与するよう招かれている。
司教協議会は、そのような信者の諸活動のうち、全国規模で使徒的活動を行い、カトリック信仰に基づいて健全かつ適正に運営される団体を公認団体として承認することを重要な責務と考える。
日本の教会においては、これまでも公認団体と呼ばれる諸団体が存在してきたが、その基準、資格および手続について、司教協議会として十分に明確な規定が整備されているとは言い難かった。
このため、従来の趣旨を承継しつつ、公認団体に関する基準および運用上必要な事項を明確にし、信者の使徒的活動がより適切かつ積極的に推進されることを願って、本規程を定める。
なお、『カトリック新教会法典』は、信者の使徒的活動について次のように定めている。
第215条
キリスト信者は、愛若しくは信心の目的で又は世におけるキリスト教的召命を促進するために、自由に会を設立し、これを規整することができる。かつ、共同的に上記の目的を達成するために集会の自由を有する。
第216条
キリスト信者はみな教会の使命に参与しているので、各人はその身分と立場に応じて、自己の企画によって使徒職活動を促進し又は支持する権利を有する。ただし、このような企画には、権限ある教会権威者の同意なしにカトリックの名を冠してはならない。
第1条(目的)
本規程は、司教協議会が承認する公認団体について、その基準、申請、審査、承認、更新、報告、名称使用、支部設置、後援、援助、是正、停止、取消しその他必要な事項を定め、もってその適正性、透明性及び説明責任を確保することを目的とする。
第2条(定義)
1 本規程において「公認団体」とは、司教協議会が定める基準に適合し、司教協議会により承認された、全国規模で使徒的活動を行う団体であって、カトリック信仰を基盤とし、カトリック信者によって運営されるものをいう。
2 本規程において「教区公認団体」又は「教会管区公認団体」とは、各教区司教又は教会管区において権限を有する者が承認する団体をいう。
3 本規程において「全国規模」とは、少なくとも二つ以上の教会管区に会員又は活動拠点を有し、かつ、継続的かつ実質的に活動している状態をいう。
4 本規程において「役員等」とは、代表者、理事、監事その他名称のいかんを問わず、団体の意思決定に参与する者をいう。
5 本規程において「支部」とは、公認団体の目的の範囲内で、地域において同一の目的に従って活動する下部組織をいう。
6 本規程において「休眠状態」とは、年次報告の未提出、総会等の未開催、連絡不能、活動実績の欠如その他の事情により、団体の実態が確認できない状態をいう。
7 公認団体には、司教協議会公認のもののほか、教区又は教会管区公認のものがある。教区又は教会管区公認団体に関する事項は、各教区司教又は教会管区の定めるところによる。
第3条(適用範囲)
1 本規程は、司教協議会が承認する公認団体に適用する。
2 教区公認団体又は教会管区公認団体については、それぞれ各教区又は教会管区の定める規定による。ただし、本規程の趣旨を参照することを妨げない。
第4条(事務取扱)
司教協議会は、公認団体の受付、登録管理、報告書類の受領、情報提供その他必要な事務を、宗教法人カトリック中央協議会事務局に委任して行わせることができる。
第5条(信仰に基づく運営)
1 公認団体は、カトリック信仰に基づく目的及び活動を有し、その運営が健全かつ適正に行われなければならない。
2 公認団体の会員は、原則としてカトリック信者を中心として構成されるものとする。
3 公認団体の代表者その他団体の運営について決定権を有する責任者は、カトリック信者でなければならない。
4 役員等又は会員に非カトリックが含まれる場合であっても、団体の目的、統治及び実質的運営がカトリック信仰に基づき、かつ、カトリック信者によって担保されていると認められるときは、公認を妨げない。
5 公認団体は、毎年、所定の報告書により、その活動状況その他司教協議会が必要と認める事項を報告しなければならない。
第6条(全国規模)
1 公認団体は、全国規模で実質的な活動を行っていることを要する。
2 公認団体は、少なくとも二つ以上の教会管区に会員又は活動拠点(連絡所を含む。)を有し、活動実績が確認できることを原則とする。
3 前項にかかわらず、次の各号のいずれかに該当すると認められる団体は、公認団体として承認することができる。
(1) 会員又は活動拠点の全国的分布を有しない場合であっても、全国に向けた継続的活動を通じて、日本のカトリック教会に広く影響を及ぼす実績を有すること。
(2) 特定の課題又は分野において、日本のカトリック教会を代表する団体としての性格を有すること。
4 一つの教会管区、一教区又は数小教区の範囲にとどまる活動団体は、前項各号に該当する場合を除き、司教協議会の公認団体として承認しない。
第7条(財政の独立性及び適正性)
1 公認団体は、財政的に独立して運営され、適正な会計処理を行わなければならない。
2 司教協議会又は宗教法人カトリック中央協議会から援助金を受ける場合は、その用途及び効果を明らかにする会計報告を行わなければならない。
3 公認団体は、反社会的勢力その他これに準ずるものと関係を有してはならない。
第8条(セーフガーディング、尊厳の保護及び適正運営)
1 公認団体は、セーフガーディングの理念に基づき、すべての人、特に未成年者及び弱い立場にある成人の尊厳、人権及び安全を保護するため、虐待、性的加害、搾取、ハラスメントその他の権利侵害の防止並びに安全かつ安心して参加し、活動することができる環境の整備に関する規定を、その規約に定めなければならない。
2 公認団体は、前項の目的を達成するため、啓発、相談、申出、通報、対応及び再発防止に関する体制の整備に努めなければならない。
3 公認団体は、個人情報の保護、寄付金等の透明性の確保その他教会の社会的信頼を損なう行為の防止に努めなければならない。
4 公認団体は、その活動全般において、カトリック信仰に基づく健全かつ適正な運営を行い、すべての関係者の尊厳を尊重しなければならない。
第9条(申請)
公認団体としての承認を求める団体は、所定の申請書に必要書類を添えて、司教協議会に提出しなければならない。
第10条(提出書類)
申請に添付すべき書類は、次のとおりとする。
(1) 規約又は会則
(2) 役員等名簿
(3) 会員区分及び会員数の概要
(4) 直近年度の事業報告及び決算並びに当年度の事業計画及び予算
(5) 活動拠点一覧
(6) 主たる拠点教区がある場合は、当該教区司教の意見書
(7) その他司教協議会が必要と認める書類
第11条(審査)
1 司教協議会は、常任司教委員会において、提出書類及び必要な照会により、申請団体の基準適合性を審査する。
2 司教協議会は、審査に当たり、必要に応じて担当委員会その他関係機関の意見を聴くことができる。
3 司教協議会は、必要に応じて、追加資料の提出又は説明を求めることができる。
第12条(承認、条件付き承認及び不承認)
1 司教協議会は、申請団体が第5条から第8条までの基準に適合すると認めるときは、公認団体として承認する。
2 改善を要する事項があるが、期限内の是正が見込まれるときは、条件付き承認とし、改善計画及び期限を付すことができる。
3 基準に適合しないと認めるときは、不承認とする。
4 承認、条件付き承認又は不承認は、書面により通知する。
5 司教協議会は、公認団体として承認したときは、所定の承認書を交付する。
第13条(登録料)
1 公認団体は、登録料として年額一万円を宗教法人カトリック中央協議会に納入する。
2 登録料は、登録管理及び情報提供に要する費用に充てるものとする。
3 登録料の未納が継続する場合は、司教協議会は督促を行い、なお改善がないときは、第26条以下の規定に従い、承認の停止又は取消しを検討することができる。
第14条(有効期間及び更新)
1 承認の有効期間は五年とする。
2 公認団体は、有効期間満了前に更新申請をしなければならない。
3 司教協議会は、年次報告その他の提出資料を踏まえて更新審査を行い、その結果を通知する。
第15条(年次報告)
1 公認団体は、毎年度終了後三か月以内に、年次活動報告を提出しなければならない。
2 司教協議会は、公認団体の活動状況及び組織の実態を把握するため、必要な照会を行うことができる。
第16条(会計報告)
1 公認団体は、毎年度終了後三か月以内に、収支概要を報告しなければならない。
2 援助金を受けた公認団体は、前項の報告に加え、援助金の収支及び活動成果を報告しなければならない。
3 一定額の援助金を宗教法人カトリック中央協議会から受けている場合は、必要に応じて同事務局長の指導のもとに会計処理を行うものとする。
第17条(個人情報及び機密情報の取扱い)
1 提出書類に含まれる個人情報は、審査、登録管理及び連絡の目的に限り使用し、適切に管理する。
2 司教協議会は、法令に基づく場合又は重大な公益上の必要がある場合を除き、本人の同意なく第三者に提供してはならない。
3 司教協議会は、公認団体に対し、会員名簿等の提出を原則として求めず、集計値又は概要の提出を基本とする。
第18条(名称に「カトリック」等を冠すること)
1 公認団体は、司教協議会の承認により、その名称に「カトリック」、「日本」又は「全国」を冠することができる。
2 前項の名称を英語で表記する場合には、それぞれ「Catholic」、「Japan」及び「National」を標準表記とする。
3 公認団体の正式名称及びその英語表記は、司教協議会に届け出るものとし、これを変更する場合も同様とする。
4 教区又は教会管区の団体は、「日本カトリック」又は「全国カトリック」等の表示を用いてはならない。
第19条(誤認防止)
1 公認団体は、司教協議会の機関であるかのような誤認を与える表示をしてはならない。
2 後援又は協賛を受けていない行事について、「司教協議会後援」その他これに類する表示をしてはならない。
3 公認団体は独立して運営されるものとし、運営に関する責任は当該団体が負う。
第20条(司教等への顧問依頼)
1 公認団体は、顧問、霊的助言者その他これに準ずる立場を司教に依頼することができる。
2 依頼を受けた司教がこれを引き受ける場合は、司教協議会の会員としてではなく、司教個人の資格において引き受けるものとする。
3 その引受けの可否は司教個人の裁量によるものとし、司教協議会の公式見解又は責任を意味するものではない。
4 司教が顧問等を引き受けた場合であっても、当該団体の責任主体は団体自身であり、司教協議会又は当該司教が団体の活動について責任を負うものではない。
第21条(教皇庁認可団体の国内活動)
1 教皇庁が承認する国際的団体が日本の教区内に活動拠点を置く場合は、事前に当該教区司教の承認を要する。
2 活動範囲が複数の教区に及ぶ場合も、前項に準ずる。
3 前二項の団体は、司教協議会の公認団体として改めて申請することを要しない。
第22条(国際団体の国内承認)
1 教皇庁認可を有しない国際的規模のカトリック団体が日本において全国規模の活動を行う場合は、第9条から第14条までの規定に従い、公認団体としての承認を得なければならない。
2 前項の団体が日本の一又は複数の教区で活動する場合は、事前に当該教区司教の承認を要する。
第23条(支部の設置、変更及び解消)
1 公認団体が支部を設置する場合は、設置先の教区司教に届け出て、その同意を得なければならない。
2 前項の届出には、所属する公認団体名、支部の責任者名、設置場所の住所及び連絡先その他必要事項を記載しなければならない。
3 支部の変更又は解消についても、前二項に準じて届け出なければならない。
4 本部が解消した場合は、支部も解消する。ただし、支部が当該教区内において活動の継続を希望するときは、改めて当該教区司教の許可を受けなければならない。
5 支部が独立して全国的活動を継続しようとするときは、新たに公認団体として申請しなければならない。
第24条(後援・協賛)
1 公認団体が行事について司教協議会の後援又は協賛を求める場合は、申請しなければならない。
2 その可否は、行事の内容、規模、信仰的一致、財務の透明性、リスクその他の事情を考慮し、宗教法人カトリック中央協議会事務局長又は常任司教委員会が、その権限に応じて決定する。
3 小教区、教区又は教会管区レベルの団体の行事についての後援又は協賛は、原則として当該教区又は教会管区において取り扱い、司教協議会はこれに関与しない。
第25条(援助金)
1 司教協議会又は宗教法人カトリック中央協議会は、創設経過、運営上の必要性、活動の公益性その他の事情を考慮し、一定期間に限り、援助金を交付することができる。
2 援助金の交付を受けた団体は、その収支及び活動成果を報告しなければならない。
3 援助金の交付の可否及び内容は、必要に応じて条件を付して定めることができる。
第26条(是正の求め及び弁明の機会)
1 司教協議会は、公認団体が基準に抵触するおそれがあると認めるときは、事実確認を行い、必要に応じて是正を求めることができる。
2 司教協議会は、停止又は取消しその他の不利益処分を行う前に、原則として、当該団体に対し書面による説明又は弁明の機会を与えなければならない。
第27条(承認の停止)
司教協議会は、公認団体に重大な不備がある場合であって、直ちに取消しを行うに至らないときは、期間を定めて承認の効力を停止し、名称使用の停止その他必要な措置を求めることができる。
第28条(承認の取消し)
1 司教協議会は、公認団体が次の各号のいずれかに該当するときは、その承認を取り消すことができる。
(1) 代表者その他団体の運営について決定権を有する責任者が、カトリック信者でなくなったとき。
(2) 団体の目的又は運営がカトリック信仰若しくは教会の使命に反し、又はこれに重大な支障を生じさせるとき。
(3) 不正会計、反社会的勢力との関係、重大な人権侵害その他教会の信頼を著しく損なう事実があるとき。
(4) 年次報告その他必要書類の未提出が継続し、団体の実態が確認できないとき。
(5) 会員の著しい減少、財政的困窮、活動目的の自然消滅その他の理由により、活動が休眠状態にあり、又は実質的に消滅したと認められるとき。
2 司教協議会は、前項第5号に該当するか否かを判断するに当たり、必要に応じて一定期間その状況を見守った上で、改善の見込みがないと認めるときは、承認を取り消すことができる。
3 取消しは書面により通知し、必要に応じて名称使用の停止若しくは取消しその他必要な措置を併せて命ずることができる。
4 公認団体の承認が取り消されたときは、その支部及び傘下の活動団体は、その法的又は組織的関係に応じて解消又は再申請の対象となる。
第29条(傘下団体の取扱い)
1 司教協議会は、公認団体のもとで活動する諸団体を、自動的に司教協議会の公認団体としては承認しない。
2 前項の諸団体のうち、司教協議会の公認団体としての承認を希望するものは、新たに申請手続を行わなければならない。
3 公認団体が傘下の活動団体を設置する場合は、必要に応じて該当教区の教区司教の承認を受けなければならない。
第30条(経過措置)
本規程の施行の際、現に公認を受けている団体は、施行日から一年以内に、本規程への適合状況を記載した報告を提出しなければならない。
第31条(改正及び廃止)
1 本規程の制定、廃止又はその趣旨に重要な変更を及ぼす改正は、常任司教委員会の議を経て、司教総会の承認を受けて行う。
2 前項に該当しない軽微な改正は、常任司教委員会の承認をもって行うことができる。
第32条(施行)
1 本規程は、2026年5月14日から施行する。
2 2000年2月16日施行の「公認団体基準」は、本規程の施行により廃止する。
付記
この規程は、2000年2月16日施行の「公認団体基準」に定められていた条項、基準及び趣旨を承継しつつ、申請、審査、報告、更新、是正、取消し等の手続並びに安全、透明性及び説明責任に関する規定を補充し、再編成したものである。
