教皇レオ十四世、2026年10月28日、一般謁見演説 連続講話「第二バチカン公会議の諸文書」 Ⅳ.『現代世界憲章』(Gaudium et spes) 7.信仰と文化の関係(『現代世界憲章』53-62)(聖書朗読箇所:使17・22-23)

 

教皇レオ十四世、2026年10月28日、一般謁見演説
連続講話「第二バチカン公会議の諸文書」

Ⅳ.『現代世界憲章』(Gaudium et spes)
7.信仰と文化の関係(『現代世界憲章』53-62)(聖書朗読箇所:使17・22-23)

2026年10月28日(水)午前10時(日本時間同日午後6時)からサンピエトロ広場で行った一般謁見演説(原文イタリア語)。

 
 兄弟姉妹の皆様。おはようございます。ようこそおいでくださいました。

 第二バチカン公会議は文化とそのキリスト教信仰との関係について語らないわけにはいきませんでした。公会議はこのことを『現代世界憲章』(Gaudium et spes)第二部の第二章で行います。

 カトリック教会はつねに福音宣教にあらゆる種類の学校の設立を伴わせることに関心を抱いてきました。それは、五大陸の人間の人間的、文化的、霊的養成を進めるためです。ご存じのとおり、中世の大学は教会の中心で生まれ、西方文明の発展に決定的なしかたで寄与しました。同時に、文化と知識の進歩は新たなより深い問いをつねに生み出し、信者に自らの信仰の弁明を行うように促します(一ペト3・15-17参照)。最後に、人間の霊的次元の表現である文化のさまざまな形態は、世界と人間存在の意味に関する永遠の問いに精神を開かせることに役立ち、こうしてイエス・キリストの福音を受け入れる準備となりました。

 信仰と文化の関係は受肉のうちにその主要な基盤を見いだします。神のことばが肉となって、わたしたちのただ中に宿るために来られたのであれば(ヨハ1・4参照)、信仰もまた受肉した現実であり、その中に宿る文化とからみ合います。信仰はまた〈文化となる〉ように招かれます。すなわち、人間のことば、伝統、宗教感覚、芸術、詩、思想、科学から成る生活環境の中で人々に届くように招かれます。教皇聖ヨハネ・パウロ二世が繰り返し述べたとおり、「信仰は、文化とならなければ、完全に受け入れられ、十全に考えられ、忠実に生きられた信仰だといえません」(1)。

 信仰は特定の文化と同じではないため、あらゆる文化のうちに受肉することができます。信仰はイエス・キリストの「かたち」に従って、すなわち愛と、奉仕と、御父が父であることを子として認識することによって文化を内側から形づくりながら、その中に宿ります。こうして教会は、福音のメッセージを受肉させ伝えるために、さまざまな文化の中で善なるもの、美なるもの、真なるものを集めます。同時に、「あらゆる時代あらゆる地域のすべての民に派遣されている教会は、いかなる人種にも国民にも、いかなる独特な生活様式、新旧のいかなる習慣にも、排他的、不解消的に結びつけられてはいない。固有の伝承に立脚していると同時に自分の普遍的な使命を自覚している教会は、種々の文化形態と交わることができ、それによって教会自身も種々の文化もともに豊かになるのである」(『現代世界憲章』58)。

 教会は文化を促進します。なぜなら、文化はそれ自体において善であり、人間と地上における人間の使命の実現のための奉仕だからです。そのため『現代世界憲章』は、非識字や教育の不足を克服することによって、すべての人が基本的な文化的財を利用できるようにすることを国際社会に促します。高等教育を受ける能力のある人は皆、それを可能にする条件のもとに置かれなければならないと、公会議は強く主張します。さらに「文化生活への女性に固有かつ必要な参加を認め促進することは、すべての人の務めである」(『現代世界憲章』60)。

 『現代世界憲章』はまた、たとえ生活条件の変化によってそれがいっそう困難になっているとはいえ、〈知識をある種の総合に導くこと〉に向けて教育を方向づけなければならないと主張します(『現代世界憲章』61参照)。キリスト者は何よりもまず自らのうちでこのような知識の統合を達成するべく率先して努力しなければなりません。キリスト者は、啓示から人生に関する大きな問いへの答えを与えられているとはいえ、そのことによって忍耐強い知的・文化的養成を免除されるわけではありません。それどころか、キリスト者は人文的・科学的知識を、自らの信仰内容と同じように究めければなりません。信仰内容も、年齢とともに、勉学のレベルに応じて、たえず深めなければならないのです。公会議はとくに神学者に呼びかけます。「神学科目を教える人々は、他の学問に秀でた人々と意見を交わし、協力するよう努力すべきである。神学研究においては、啓示された真理について理解を深めていくと同時に、種々の学問分野に精通する人々が信仰についてより優れた理解を得るのを助けることができるよう、現代との接触を怠らないようにすべきである」(『現代世界憲章』62)。

 兄弟姉妹の皆様。『現代世界憲章』は、世界と、文化と、その人間的な表現と対立的な、あるいは敵対的な精神で信仰を生きるように勧めるのではありません。むしろわたしたちにこう促します。「信者は同時代の人々と密接に結ばれた生活を営み、才能の育成を通して表現される彼らの考え方、受け止め方をよく知るように努力すべきである」(『現代世界憲章』62)。実際、信仰と文化の成熟した責任ある統合を成し遂げることは、キリスト者の召命を堅持するための必要条件であるだけでなく、世に対して信仰をあかしし、信頼に足るしかたで信仰を他の人々に伝えるための不可欠な要件なのです。

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