「ローマ法王」「ローマ教皇」という二つの呼称について

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「ローマ法王」「ローマ教皇」という二つの呼称について

「ローマ法王」と「ローマ教皇」、どちらが正しい?

「新聞を見ると『ローマ法王』と書いてあり、教会の文書には『ローマ教皇』と書いてあります。どちらが正しい表記ですか?」 このような質問が多く寄せられます。簡単に説明します。

教会では「ローマ教皇」を使います。

以前はたしかに、日本のカトリック教会の中でも混用されていました。そこで日本の司教団は、1981年2月のヨハネ・パウロ二世の来日を機会に、「ローマ教皇」に統一することにしました。「教える」という字のほうが、教皇の職務をよく表わすからです。

バチカン大使館は、「ローマ法王庁大使館」

ところが東京都千代田区三番町にある駐日バチカン大使館は「ローマ法王庁大使館」といいます。なぜでしょうか?

日本とバチカン(ローマ法王庁、つまりローマ教皇庁)が外交関係を樹立した当時の定訳は「法王」だったため、ローマ教皇庁がその名称で日本政府に申請。そのまま「法王庁大使館」になりました。

教皇フランシスコ訪日に合わせて

2019年11月20日、日本政府は、11月の教皇フランシスコ訪日に合わせて「教皇」という呼称を使用すると発表しました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken4_000895.html

(3)ローマ教皇の訪日(呼称の変更)
【大鷹外務報道官】三つ目が,ローマ教皇の訪日の関係で,ご案内のとおり,23日から26日まで,ローマ教皇フランシスコ台下が訪日予定です。これまでバチカンの国家元首の日本語での呼称につきましては,日本国内において「ローマ法王」,あるいは「ローマ教皇」という異なる呼称が用いられてきていました。
 カトリック関係者の方々を始め,一般に「教皇」という呼称を用いる例が実は非常に多く見られるということ,それから日本政府の一般的な呼称として「教皇」を使用する場合,バチカン側として問題ないのかということについて問題ないという確認ができましたことを踏まえて,今般フランシスコ台下が訪日に際し,日本政府として「教皇」という呼称を使用することとしました。

日本政府の対応に合わせて、マスコミ各社も2019年11月23日からの教皇訪日関連報道より「教皇」という呼称に統一してくださっています。

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