教皇ベネディクト十六世の2005年9月4日の「お告げの祈り」のことば 世界代表司教会議第11回通常総会について

教皇ベネディクト十六世は9月4日(日)正午に、夏季滞在先のカステル・ガンドルフォ教皇公邸の窓から、中庭に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前後に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文はイタ […]

教皇ベネディクト十六世は9月4日(日)正午に、夏季滞在先のカステル・ガンドルフォ教皇公邸の窓から、中庭に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前後に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文はイタリア語)。
祈りの前に述べられたことばの中で、教皇は、聖体年のしめくくりとして行われる、10月の世界代表司教会議に、全信者が祈りをもって参加するように呼びかけました。
また、「お告げの祈り」の後、教皇は、最近アメリカ南部を襲ったハリケーン「カトリーナ」の被害者と、8月31日にイラクのバグダッド郊外で起こった事故による死者のことを思い起こしました。


親愛なる兄弟姉妹の皆様。

 聖体年は、今、その最後の段階に近づいています。聖体年は、来る10月、バチカンで開催される世界代表司教会議(シノドス)通常総会をもって、閉幕します。シノドスのテーマは「聖体―教会生活と宣教の源泉と頂点―」です。
 この年が特に聖体の神秘にささげられたのは、教皇ヨハネ・パウロ二世の招きによるものです。それは、キリスト信者の中に、この偉大な神秘に対する信仰と驚きと愛をあらためて呼び起こすためでした。聖体の神秘は、ほんとうの意味で教会の宝だからです。教皇ヨハネ・パウロ二世は、どれほど深い信心をもって聖なるミサをささげたことでしょうか。ミサは、教皇の毎日の中心をなしていました。教皇ヨハネ・パウロ二世は、どれほど多くの時間を、聖櫃の前で、礼拝と沈黙の祈りのうちに過ごしたことでしょうか。
 教皇ヨハネ・パウロ二世は、最期の数か月間、その病気によって、苦しむキリストとますます深く一致しました。教皇が、亡くなるに際して、病床の横でささげられたミサの中で、自分の死をキリストの死と結びつけたことを、わたしたちは感動をもって思い起こします。教皇の地上での生涯は、復活の八日間の中で幕を閉じました。それは聖体年の中心で行われたのです。この偉大な教皇職のわたしへの継承も、このときに行われました。それゆえ、主がわたしに委ねたこの奉仕職の最初から、わたしは喜びをもって、聖体の秘跡の持つ、何よりも重要な性格をあらためて確認したのです。すなわち、教会とすべてのキリスト信者の中に、キリストが現実に現存するということです。
 10月のシノドス総会を前に、シノドス参加司教たちは、総会のために準備された「討議要綱」を検討しています。しかしながら、わたしは全教会共同体が、この間近に迫った会議の準備に関心をもってくださるようお願いしたいと思います。そして、あらゆる機会、行事、集まりにおいて、祈りと考察をもってシノドスに参加してくださるようお願いいたします。最近行われたワールド・ユース・デーにおいても、聖体の秘跡について何度も述べられました。たとえば、8月20日にマリエンフェルトで行われた、思い出深い土曜の夕の祈りのことを、わたしは思い起こします。この夕の祈りは、聖体礼拝をもって頂点に達しました。聖体礼拝を行ったことは勇気ある選択でした。聖体礼拝は、青年のまなざしと思いを、この至聖なる秘跡に現存しておられるイエスへと集中させてくれました。さらにわたしは、ワールド・ユース・デーが行われた記念すべき期間に、ケルンやボンやデュッセルドルフの教会で、日夜、永久聖体礼拝が行われたことを思い起こします。多くの青年がこの永久聖体礼拝に参加しました。彼らはこうして観想的な祈りのすばらしさを見いだすことができたのです。
 わたしは、司牧者と信者の積極的な取り組みによって、すべての共同体において、いっそう熱心に、また心をこめた、感謝の祭儀への参加が行われるようになることを確信しています。とりわけ今日、わたしは「主の日」の喜びを聖なるものとするように呼びかけたいと思います。「主の日」、すなわち日曜日は、キリスト信者にとって聖なる日だからです。わたしは昨日、典礼で記念した、大聖グレゴリオを思い起こしたいと思います。大教皇グレゴリオは、さまざまな面で典礼を促進することに歴史的な貢献を果たしました。特に大教皇は、感謝の祭儀をふさわしいしかたで行うことを促進しました。大教皇グレゴリオと、至聖なるマリアの取り次ぎによって、わたしたちがすべての日曜日に、復活祭と、復活した主との出会いの喜びに満たされて生きることができますように。

(「お告げの祈り」の後に述べられたことば)
 この数日間、わたしは、アメリカ合衆国、特にニューオーリンズでハリケーンがもたらした災害に深く心を痛めています。わたしは亡くなったかたとそのご家族、また怪我をされたかた、家を失ったかた、病人、子ども、高齢者の皆様にために祈っております。困難な救援と再建活動に携わるかたがたを祝福いたします。わたしは教皇庁開発援助促進評議会議長のポール・ヨセフ・コルデス大司教に、被災者への援助を行うよう指示いたしました。
 わたしはまた、先週の水曜日(8月31日)に何百名の同胞の市民を亡くしたイラクの人々に思いを寄せています。これらの人々は宗教行事のためにバグダッドで集会を行っていたときに、制御不能のパニックの犠牲となりました。その多くは、高齢者、女性、子どもでした。全能の神がすべての人の心に触れ、この苦しみのうちにある国に、最終的に、和解と相互の信頼の雰囲気を作り出してくださいますように。

PAGE TOP