教皇ベネディクト十六世の2006年5月7日の「アレルヤの祈り」のことば 世界召命祈願の日にあたって

教皇ベネディクト十六世は、5月7日(日)正午に、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「アレルヤの祈り」(復活祭から聖霊降臨の主日まで「お告げの祈り」の代わりに唱えられる祈り)を行いました。以下は、 […]

教皇ベネディクト十六世は、5月7日(日)正午に、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「アレルヤの祈り」(復活祭から聖霊降臨の主日まで「お告げの祈り」の代わりに唱えられる祈り)を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文はイタリア語)。
5月7日は復活節第4主日であり、また第43回世界召命祈願の日でした。午前9時からサンピエトロ大聖堂で行われたミサの中で、教皇は15名の助祭(うち13名はローマ教区の助祭、2名は男子跣足カルメル会の助祭)の司祭叙階を行いました。


親愛なる兄弟姉妹の皆様。
 今日の復活節第4主日、すなわち「よい牧者の主日」は、世界召命祈願の日が行われる日です。この日に、サンピエトロ大聖堂で、ローマ教区の15名の新司祭の叙階を行ったことをうれしく思います。
 これらの新司祭とともに、全世界で同じ時に司祭叙階を受けたすべての人びとにわたしは思いを致します。教会に奉仕するこれらの新司祭を与えてくださったことを主に感謝しながら、わたしたちはこれらの人びとをマリアのみ手に委ねたいと思います。そしてわたしたちは、マリアの執り成しを願い求めたいと思います。どうか、自分に従って司祭職と奉献生活の道を歩むようにというキリストの招きを受け入れる人の数が増えますように。
 今年の世界召命祈願の日のテーマは、「教会の神秘における召命」です。この日のためにすべての教会共同体にあてて発表したメッセージ(第43回世界召命祈願の日のメッセージ)の中で、わたしはイエスの最初の弟子の経験を思い起こしました。この弟子たちは、ガリラヤ湖の岸辺やガリラヤの村々でイエスと出会った後、イエスの魅力と愛に捉えられました。
 キリスト信者の召命はいつも、このようにイエス・キリストと個人的な友愛を新たに結ぶことを意味します。このイエス・キリストとの友愛が、人の人生に意味を与え、また、人生を神の国のためにささげさせます。
 教会は、このイエス・キリストとの友愛によって生かされています。この友愛を養うものは、みことばと秘跡です。このみことばと秘跡という聖なる存在は、聖なる叙階の秘跡によって聖別された司教、司祭、助祭の奉仕職に、特別なしかたで委ねられます。そのため、わたしが同じメッセージの中で強調したように、司祭の使命はかけがえのないものです。そして、ある地域で聖職者が不足しているとはいえ、福音の告知と司牧的奉仕職のために、すべてを捨てて自分をささげるようにと、神が若者や少年や大人の男性を招き続けておられることは、間違いありません。
 キリストに従うもう一つの特別な形は、奉献生活への召命です。奉献生活は、完全なしかたで神に清貧、貞潔、従順をささげながら、観想と祈りを行い、兄弟、特に小さな人や貧しい人に仕える生活を送ることによって表されます。
 しかしながら、忘れてならないのは、キリスト信者の結婚も、ことばの真の意味において聖性への召命であることです。そして、聖なる両親の模範は、豊かな司祭・修道者の召命をもたらすための第一の条件だということです。
 親愛なる兄弟姉妹の皆様。司祭と、男子・女子修道者のために、教会の母であるマリアの執り成しを願い求めようではありませんか。さらに祈りましょう。神が信者の心にまいた召命の種が育って、教会と世界の中で豊かな聖性の実を結びますように。

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