教皇ベネディクト十六世の2007年5月6日の「アレルヤの祈り」のことば 聖母月にあたって

教皇ベネディクト十六世は、5月6日(日)正午に、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「アレルヤの祈り」(復活祭から聖霊降臨の主日まで「お告げの祈り」の代わりに唱えられる祈り)を行いました。以下は、 […]

教皇ベネディクト十六世は、5月6日(日)正午に、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「アレルヤの祈り」(復活祭から聖霊降臨の主日まで「お告げの祈り」の代わりに唱えられる祈り)を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文はイタリア語)。
教皇ベネディクト十六世は今週5月9日(水)から14日(火)までブラジル司牧訪問を行います。このブラジル司牧訪問の中で、教皇は5月11日(金)にサンパウロで福者アントニオ・ディ・サンタンナ・ガルヴァン(1739-1822年)の列聖式を司式します。アントニオ・ディ・サンタンナ・ガルヴァンはブラジル、グアラチンゲタ生まれのフランシスコ会司祭で、1998年10月25日に教皇ヨハネ・パウロ二世によって列福されました。


親愛なる兄弟姉妹の皆様。
  5月が数日前から始まりました。5月は多くのキリスト教共同体にとって特別な意味でマリアの月です。5月の聖母月は、幾世紀にもわたって人びとに愛される信心となり、司牧者からは説教、カテケジス、共同体の祈りのための好機としてますます重んじられるようになりました。第二バチカン公会議は、教会と救いの歴史における至聖なるマリアの役割を強調しました。それゆえ第二バチカン公会議以降、マリア信心の深い刷新が行われました。そして、5月は部分的に復活節と重なります。そこで5月は、マリアの姿を、聖霊を待ち望みながら心を合わせて祈っていた弟子の共同体とともにいてくださる母として示すのにふさわしい月です(使徒言行録1・12-14参照)。それゆえ5月は、初代教会の信仰に立ち戻り、マリアと一つに結ばれながら、現代においてもわたしたちの使命が、十字架につけられて復活したキリストを勇気と喜びをもって宣べ伝え、あかしすることであることを知るためにふさわしい月です。キリストは人類の希望だからです。
  わたしは教会の母であるこの聖なるおとめに、5月9日から14日まで行うブラジルへの使徒的訪問を委ねたいと思います。わたしの敬愛すべき先任者であるパウロ六世とヨハネ・パウロ二世がしたように、わたしは第5回ラテンアメリカ・カリブ司教協議会総会の開会を主宰します。この総会は、アパレシーダの聖母にささげられたブラジルの大聖堂で次の日曜日から開催されます。この大聖堂は、同じ名前の町アパレシーダにあります。しかしその前に、わたしはアパレシーダに近い大都市サンパウロに行きます。わたしはこのサンパウロで青年とブラジルの司教の皆様との集会を行います。そして、福者アントニオ・ディ・サンタンナ・ガルヴァンを聖人の列に加えることができるのをうれしく思います。今回の訪問はわたしの初めてのラテンアメリカへの司牧訪問です。わたしはラテンアメリカ大陸訪問の霊的な準備をしています。このラテンアメリカ大陸には全世界のカトリック信者の約半数が暮らしており、その多くが若い人びとです。そのためラテンアメリカには「希望の大陸」という名が与えられてきました。この希望は教会だけでなく、アメリカ全土と全世界と関わるものです。
  親愛なる兄弟姉妹の皆様。わたしは皆様にお願いします。至聖なるマリアに向かい、この使徒的巡礼のために、また特に第5回ラテンアメリカ・カリブ司教協議会総会のために祈ってください。どうかこの地域のすべてのキリスト信者が、自らを、道であり、真理であり、いのちであるキリストの弟子また宣教者と考えることができますように。現代にはさまざまな多くの問題があります。だからこそ、キリスト信者が現代世界のいつくしみの「パン種」となり、聖性の「光」となることができるように形づくられることが重要なのです。

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