ペトロ岐部と187殉教者の列福、正式に決定

日本のカトリック教会がかねてから念願としていました「ペトロ岐部と187殉教者」の列福が2007年6月1日14時(日本時間21時)、教皇ベネディクト十六世の裁可で正式に決定いたしました。
  この決定は日本の教会内外に殉教者の存在と列福の意味を知らせる貴重な機会でもあり、列福式そのものがはじめて日本で行なわれることを考えるとその影響が大きいと思われます。

  列福式の開催場所・開催日等については、未定で今後はバチカンの国務省、列聖省、日本カトリック司教協議会で協議の上決定されますが、今回の列福の教皇裁可から日を置かず、しかも十分な準備期間を確保することを考えた提案を、日本側案として提出することになります。すでに日本の教会では近い将来の列福決定を見据えて、列聖列福特別委員会(委員長・溝部脩高松司教)が中心となり準備しています。

  今後、さらに具体的なことは、列福式実行委員会が主催者である日本カトリック司教協議会と密接に連携をとりながら準備していくことになります。

 カトリック中央協議会ホームページにおいては、「ペトロ岐部と187殉教者」を特集として取り上げ、様々な角度から殉教者を紹介していますのでご参考下さい。また逐次、準備状況決定事項を配信いたしますので、ご覧下さりご利用くださいますようお願いいたします。

日本カトリック司教協議会 会長 野村純一名古屋教区司教談話

2007年6月1日

 このたび、教皇ベネディクト十六世が、ペトロ岐部と187人の日本人殉教者の列福を承認されたとの知らせを受けました。彼らは幾多の苦境を耐え、いのちを賭して、自分の信仰を守り、人間の基本的な尊厳と信教の自由を守り抜く生涯を選んだのでした。その188人の日本人殉教者が、世界の教会から評価され、教皇によって承認されて福者にあげられたことについて、日本カトリック教会を代表して深く感謝申し上げます。

  188殉教者を代表するペトロ岐部は、17世紀の厳しい禁教政策のもと、遠くローマまで徒歩で辿りつき、司祭となって祖国に戻ったあと、壮絶な殉教を遂げました。また天正の遣欧使節の一人としてわが国でも広く知られるジュリアン中浦も、信教の自由を訴え、多くの信徒のために殉教した司祭です。188人の大半は司祭・修道者でなく、武士や町人を含む、普通の家庭生活を送った老若男女です。いのちをかけて信仰の自由を守り抜いた当時の信徒たちが、世界の教会から評価されることは、まことに感慨深いことです。

  188殉教者に対する列福の承認は、ひとり日本のキリスト教会の慶事であるに留まらず、わが国全体にとって、大きな意義をもつと思います。188人の列福を機に、その生涯が、世界各国に広がる10億人以上のカトリック信者をとおして全世界に知られるようになれば、混迷を深める現代世界の人びとに、思想信条の違いを超えて確かな希望と光を投げかける好機につながることでしょう。これは、わが国全体にとって、大きな名誉であると思います。

  ペトロ岐部と187殉教者が、福者の列に加えられるまでには、教皇の代理による列福式を待つことになります。それまでの間、なお188人の殉教者の生涯とその意義について、各方面において、いっそう深めることができればと念じています。

以 上

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