「ペトロ岐部と187殉教者の列福式」開催日、決定

 すでにお知らせいたしましたが、教皇ベネディクト十六世は、今年の6月1日14時(日本時間21時)に日本カトリック司教協議会(会長:岡田武夫 東京教区大司教)がかねてから教皇庁に申請していた「ペトロ岐部と187殉教者」の列福の承認する教令(Decretum)に署名し,これを裁可いたしました。その後、列福式の開催場所・開催日等について、バチカンの国務省、列聖省、日本カトリック司教協議会で協議され、この度、正式に発表なりました。

 それによりますと、「ペトロ岐部と187殉教者」の列福式は、2008年11月24日(月・祝)に長崎において行われます。式そのものの主催は教皇庁であり、この式のために教皇代理が派遣されますが、開催日に合わせて教皇代理も発表されました。教皇代理は列聖省長官。

 今回の決定を受けて、列福式実行委員会(委員長・髙見三明長崎大司教)では、列福式がはじめて日本国内で行われることもあり、現在、会場は未定ですが、多くの方々の参加が可能な会場を考えております。今後は列福式実行委員会と日本カトリック司教協議会と密接に連携をとりながら準備していくことになります。当ホームページにおいては、「ペトロ岐部と187殉教者」を特集として取り上げ、様々な角度から殉教者を紹介していますのでご参考下さい。また逐次、列福式の準備状況決定事項を配信いたしますので、ご覧下さりご利用くださいますようお願いいたします。

日本カトリック司教協議会 会長 岡田武夫 東京教区大司教

2007年9月29日

ペトロ岐部と187殉教者の列福式決定によせて
日本カトリック司教協議会
会長 岡田武夫 東京教区大司教 談話

ペトロ岐部と187殉教者を列福する式典の日取りと場所が決まりました。これは、日本で初めて行われる列福式です。また列福される人びとが、すべて日本人であるのも初めてのことです。

この記念すべき式典の開催地に、殉教者ゆかりの長崎が選ばれ、教皇ベネディクト十六世の特使列聖省長官を迎えることも、また意義深いと思います。

新福者が殉教を遂げた時代は、政治や社会体制、価値観などが、現代のそれと大きく異なります。しかし、人間の基本的な尊厳と信教の自由を守り抜いたその生涯は、キリスト信者であると否とに関わらず、現代に生きる私たちにとって希望となる数かずのメッセージを含んでいます。

列福式まであと1年あまり、私たちは、いま、式典そのものの準備もさることながら、日本の教会の偉大な先達が残してくれた遺産のもつ意味をじっくりと深め、自分のものにしていく期間にしていきたいと思います。

日本全国からできるだけ多くの人びとが、この列福式に参加することを期待しています。

列福式実行委員会委員長 髙見三明 カトリック長崎大司教

「ペトロ岐部と187殉教者」列福式
開催の期日、場所および教皇特使の公表にあたって

 列福式実行委員会委員長として、一言ご挨拶申し上げます。

 この度、「ペトロ岐部と187殉教者」の列福式の開催日が2008年11月24日、開催地が長崎、教皇特使として列聖省長官が派遣されることが決定し、バチカン国務省長官より発表されました。

 日本のカトリック教会の一人として、またとくに同列福式実行委員会委員長として、神様へ感謝をささげると共に、日本のカトリック教会の皆さんとこの喜びを分かち合いたいと思います。また大変感慨深いものがございます。と申しますのは、これら188名の殉教者たちは、400年も前に殉教しましたが、彼らの生き方が今、非常に現実味を帯びてわたしたちに迫ってくる思いがするからです。彼らは、現代を生きるわたしたちに、「いのちをかける価値のあるものが存在する」ということについて、いろいろな問いかけやメッセージを発しております。現在でも多くの国で信教の自由が認められていないという現実がありますが、そのような現実と重ね合わせて考えることもできると思います。

殉教の意味や列福式の意義についてすでに今回の会見の資料や溝部脩司教の説明などで示されている通りですので、ここでは割愛させていただきます。

 この列福式の最初のきっかけは故ヨハネ・パウロ二世教皇来日の準備のとき、当時の福音宣教省長官ロッシ枢機卿が長崎大司教里脇浅次郎枢機卿にその可能性を話したことにあると聞いております。それから四半世紀の間、列福調査特別委員会の方々、特にここにおられる溝部脩司教、前二十六聖人記念館館長の結城了悟神父他の献身的なご努力があってはじめて列福式の開催が実現することになりました。他界された方々も含めて、これまで準備にたずさわってくださったすべての方々にこの場を借りて心から感謝申し上げたいと思います。

 列福式を準備するに当たって、カトリック教会内に限らず、できるだけ多くの方々にその意義を理解していただくよう努力して参りたいと思います。そして、何よりも殉教者が今も発信し続けているメッセージを生き方に反映させていくよう信者一同と共に努めて参りたいと思います。皆様方のご理解とご協力を心からお願い致します。

 本日はまことにありがとうございました。

2007年9月29日

「ペトロ岐部と187殉教者」列福式実行委員会委員長
カトリック長崎大司教 髙見三明

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