教皇ベネディクト十六世の2008年2月3日の「お告げの祈り」のことば さまざまな祈り

教皇ベネディクト十六世は、年間第4主日の2月3日(日)正午に、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文はイタリア […]

教皇ベネディクト十六世は、年間第4主日の2月3日(日)正午に、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文はイタリア語)。
「お告げの祈り」の後、教皇は、イタリア語で次の呼びかけを行いました。
「わたしは皆様にお願いします。ケニアの兄弟姉妹――その幾人かはこのサンピエトロ広場に来ておられます――とともに、ケニアにおける和解と正義と平和のために祈ってください。わたしはケニアの兄弟姉妹の皆様に寄り添うことを約束します。そして希望します。現在行われている仲裁のための努力が成功し、善意とすべての人の協力を通じて速やかに紛争の解決をもたらしますように。この紛争はすでに多くの犠牲者を生み出しているからです。
 イラクでは多くの悲しみを生み出す悪行が限度を知らないように思われます。この数日間の悲しむべき知らせが教えてくれるとおりです。わたしは、辛い試練のうちにあるイラク国民のためにあらためて声を上げ、彼らのために神の平和を祈り求めます」。
ケニアでは2007年12月27日に実施された大統領選挙で現職のキバキ大統領が再選されましたが、選挙の不正集計を訴える野党の抗議行動などにより、首都ナイロビをはじめとするケニア各地に混乱が生じ、与野党の支持基盤である部族間の対立へと発展しました。1月29日までに約850人以上が死亡し、25万人を超える避難民が発生しています。
イラクでは2月1日、首都バグダッドで2件の自爆テロが起き、72人が死亡し、149人が負傷しました。
続いて教皇はスペイン語で次の呼びかけを行いました。
「わたしはコロンビアのために神に心から祈りをささげ続けます。コロンビアでは長期にわたり、この愛する国の子らが、略奪、誘拐、肉親の暴力的な殺害によって苦しんでいるからです。わたしは主に願います。この非人道的な苦しみを完全に終わらせてください。そして、人々に和解と相互の尊重と真の一致への道を見いださせてください。こうして彼らが兄弟愛と連帯を回復することができますように。兄弟愛と連帯が、公正な発展と恒久的な平和の構築のための基盤だからです」。
続いて教皇はイタリア語で、旧正月を祝うアジアの国々の人々に向けて、次の祝福のことばを述べました。
「今年の『世界平和の日メッセージ』の中で、わたしは、人が家庭の中でこそ、市民として共に生きるためのことばを学び、人間的な価値を見いだすのだということを強調しました。これからの数日間、アジア諸国の家庭は旧正月をともに喜びのうちに祝います。わたしはアジア諸国の皆様の平安と繁栄を祈ります。また、彼らがこのすばらしく実り豊かな家庭生活の伝統を守り、大切にされることを願います。この伝統が、彼らの属する国家と、彼らが今暮らしている国々に恵みをもたらしますように」。


親愛なる兄弟姉妹の皆様。
 今日、わたしは皆様の祈りにさまざまな意向をゆだねたいと思います。まず、昨日の主の奉献の祝日に「世界奉献生活の日」を行ったことを思い起こしながら、皆様にお願いします。キリストが、特別な奉献によってそば近くで自分に従うように招いた人々のために祈ってください。わたしたちは、清貧、貞潔、従順の誓願によって神と教会へのまったき奉仕のために自らをささげたこの兄弟姉妹に感謝します。聖なるおとめの執り成しによって、奉献生活への多くの聖なる召命が与えられますように。奉献生活は教会と世界にとってかけがえのない宝だからです。
 もう一つの祈りの意向が「いのちを守るための日(プロ・ライフ・デー)」によって与えられます。「いのちを守るための日」はイタリアでは今日行われます。今年の「いのちを守るための日」のテーマは「いのちへの奉仕」です。いのちの擁護と促進への献身をあかしし、「国民の文明度はいのちに奉仕する力によって量られる」(イタリア司教協議会「第30回『いのちを守るための日』メッセージ」)ことをあらためて確認するために、ここサンピエトロ広場に集まってくださったすべてのかたがたにごあいさつと感謝を申し上げます。すべての人が、それぞれの能力、職業、権限に従って、始まりから自然死に至るまでいのちを愛し、これに奉仕するよう促されていることを常に感じることができますように。実際、人間のいのちを、尊重し、守り、促進すべきたまものとして受け入れることは、すべての人の務めです。誕生の前においても、終末期においても、いのちが脆弱(ぜいじゃく)で、注意と配慮を必要としている時にあって、なおさらこのことがいえます。わたしはイタリア司教団とともに、努力と喜びをもって、静かに、また大いなる献身のうちに、高齢や障害を抱える家族を支えるかたがた、また、多くのさまざまな形の貧困によっていのちが試練にさらされたあらゆる世代の人々を助けるために、定期的に時間を割いている人々を励まします。
 また、祈りたいと思います。今週の水曜日の灰の式で始まる四旬節が――わたしも例年のように、アヴェンティーノ丘のサンタ・サビナ聖堂で灰の式を行います――、すべてのキリスト信者にとって真の意味での回心の時となりますように。キリスト信者は自らの信仰をますます真実に、勇気をもってあかしするよう招かれているからです。これらの祈りの意向を聖母にゆだねたいと思います。昨日から2月11日(ルルドの聖母の記念日、またルルドの聖母の出現150周年)が終わるまで、全免償を受けることができます。これは亡くなった人にも適用されます。全免償は、通常の条件――告解、聖体拝領、教皇の意向のための祈り――のもとで、公的に置かれたルルドの聖母のご像の前で祈ることによって与えられます。高齢者や病者も、心からの望みによって全免償を得ることができます。母にして希望の星であるマリアがわたしたちの道を照らし、その執り成しによってわたしたちがますますイエス・キリストの忠実な弟子となることができますように。

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