教皇ベネディクト十六世の2008年4月27日の「アレルヤの祈り」のことば 福音の喜びを世に広める

教皇ベネディクト十六世は、復活節第6主日の4月27日(日)正午に、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「アレルヤの祈り」(復活祭から聖霊降臨の主日まで「お告げの祈り」の代わりに唱えられる祈り)を行 […]

教皇ベネディクト十六世は、復活節第6主日の4月27日(日)正午に、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「アレルヤの祈り」(復活祭から聖霊降臨の主日まで「お告げの祈り」の代わりに唱えられる祈り)を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文はイタリア語)。

「アレルヤの祈り」の後、教皇は、イタリア語で次のように述べて、アフリカの国々への支援を呼びかけました。
「いくつかのアフリカの国々から届く知らせが、深い悲しみと強い懸念をもたらし続けています。皆様にお願いします。これらの悲惨な出来事と、その被害に遭った兄弟姉妹のことを忘れないでください。彼らのために祈り、彼らの声となってくださるようお願いします。
 ソマリア、とくにモガディシュでは、激しい戦闘が、愛するソマリアの人々の人道的状況をいっそう悲惨なものとしています。人々はあまりにも長い年月の間、野蛮かつ悲惨な重荷によって苦しめられています。
 ダルフールは、希望の瞬間があったにもかかわらず、無防備で見捨てられた何十万の人々が、依然として終わりのない悲惨な状態に置かれたままでいます。
 最後にブルンジです。数日前、砲撃が首都ブジュンブラの住民を襲い、彼らを恐れおののかせました。砲撃は教皇庁大使館にも及びました。内戦の危険が生じている中で、わたしは、すべての当事者が遅滞することなく対話と和解の道を再び歩むことを求めます。
 わたしは地域の政府当局、国際社会の指導者とすべての善意の人にお願いします。暴力を止めるための努力をやめないでください。平和と発展の堅固な基盤をもたらすために行われている取り組みを尊重してください。
 わたしたちの意向をアフリカの元后であるマリアにゆだねたいと思います」。

なお、この日、教皇は、午前9時30分からサンピエトロ大聖堂で司祭叙階式のミサを司式し、29名の助祭(うち28名はローマ教区の助祭、1名は教皇庁立ウルバニアナ大学の助祭)を司祭として叙階しました。


親愛なる兄弟姉妹の皆様。
 数刻前、サンピエトロ大聖堂で感謝の祭儀を終えたところです。この感謝の祭儀の中で、わたしは29名の新しい司祭を叙階しました。司祭叙階式は毎年、特別な恵みと大きな祝いの時です。教会共同体と市民の共同体の組織の中に新たな活力が注ぎ込まれるからです。司祭の存在が教会生活にとってなくてはならないものであるなら、それはすべての人にとっても貴重なものといえます。朗読された使徒言行録の中で、助祭フィリポはサマリアの町に福音をもたらします。人々は熱心にフィリポの説教に聞き入るとともに、フィリポが病人のために行った驚くべきしるしを目にしました。「町の人々はたいへん喜んだ」(使徒言行録8・8)。福音の喜びを世に広めること。感謝の祭儀の中で、新しく司祭となった人々にお話ししたように、これが、教会の宣教、とくに司祭によって行われる教会の宣教の意味です。聖霊の力によってキリストがのべ伝えられ、開かれた心によってキリストが受け入れられるとき、社会は、たとえどれほどたくさんの問題に満ち満ちていても、「歓喜の街」となります。「歓喜の街」は、コルカタのマザー・テレサ(1910-1997年)の活動について述べた有名な本の標題でもあります。それゆえ、わたしは新しく司祭となった人々に願います。また、この人々のために祈ってくださるよう皆様にお願いします。どうか彼らが、派遣された地で、福音から流れ出る喜びと希望を広めることができますように。
 実際これは、先週、アメリカ合衆国にわたしがもたらしたメッセージでもあります。この使徒的訪問の標語は「わたしたちの希望であるキリスト(Christ our Hope)」でした。神に感謝したいと思います。神はこのわたしの特別な宣教の経験を豊かに祝福し、わたしがアメリカの教会と国家のためにキリストの希望の道具となることを許してくださったからです。同時にわたしは神に感謝します。わたしもアメリカのカトリック信者の希望によって強められたからです。実際、わたしは、イエスへの信仰を生き、あかししようとする、大きな力と、はっきりした意志を見いだしました。今週の水曜日の一般謁見の中で、今回のわたしのアメリカ訪問について詳しくお話しするつもりです。
 今日、多くの東方教会は、ユリウス暦に従って復活祭の祭日を祝います。このわたしたちの兄弟姉妹に対して、わたしが兄弟として皆様に霊的に心を寄せていることを表明したいと思います。この皆様に心からごあいさつ申し上げるとともに、三位一体の神に祈ります。どうか神が皆様の信仰を強めてくださいますように。主の復活から流れ出る、輝く光で皆様を満たしてくださいますように。福音を生き、あかしする際、しばしば困難な状況に置かれた皆様を力づけてくださいますように。わたしとともに神の母に祈り求めてくださるよう、皆様にお願いします。どうか、少し前に始まった対話と協力の歩みが、すべてのキリストの弟子のいっそう完全な交わりを早くもたらしてくれますように。こうして、すべてのキリストの弟子が、全人類のためにますます光輝くしるしとなることができますように。

PAGE TOP