2008年6月17日の死刑執行に強く抗議します

内閣総理大臣 福田康夫様 法務  大臣  鳩山邦夫様 法務省は、6月17日に、陸田真志さん(東京拘置所)、山崎義雄さん(大阪拘置所)、宮崎勤さん(東京拘置所)の死刑囚3人の死刑を執行しました。福田政権の鳩山法務大臣は、今 […]

内閣総理大臣 福田康夫様
法務  大臣  鳩山邦夫様

法務省は、6月17日に、陸田真志さん(東京拘置所)、山崎義雄さん(大阪拘置所)、宮崎勤さん(東京拘置所)の死刑囚3人の死刑を執行しました。福田政権の鳩山法務大臣は、今回の3人の死刑を合わせて合計13人の死刑を執行したことになります。
安倍政権と福田政権をあわせて23人にも及ぶ死刑執行が行われました。あらためて自民党・公明党政権の人命軽視、人間の尊厳を破壊する姿勢がはっきりしました。また2か月に一度の死刑執行は、鳩山法務大臣の進めようとする「死刑執行の自動化」を明確に実施されたものです。
今回の執行も、前回同様多くの団体が死刑制度に疑問を投げかける中で行われたものとして強く抗議するものです。
今回の死刑執行は、秋葉原(東京)で起きた惨劇の直後になされたことや、鳩山法相が記者会見で3人の執行について「自信と責任を持って執行できる人を選んだ」と述べたことに、「見せしめ」としての政治的意図を感じます。人権擁護を強く自負する法務省による、このような死刑の執行のありかたは、許されるものではありません。

 聖書には、「一羽の雀さえも神の意志がなければ地に落ちることはない」と、生殺与奪は神の分野に属すると書かれています。また、十字架上で罪人がイエスにゆるしを求める場面も記されていますが、それによって、人は死にいたる直前まで神にゆるしを求めることが大切なことと教えています。神は、どんな罪人も悔いあらためるよう望まれているからです。それは犯罪者が本当に罪を償い、神のゆるしを得ることによって、安らかな死を迎えるためです。 

 歴代法務大臣は、過去において死刑存置の根拠として、「日本には、死によって償うという文化がある」と発言していますが、こうした精神風土は「暴力の連鎖」を容認し、「復讐の精神」を育ててしまいます。現代世界を見るとき、私たちはいまだに「暴力の連鎖」を断ち切ることができないでいます。日本が死刑制度を認めていることは「暴力の連鎖」の背景にある「復讐心」や「みせしめ」をあおるだけで犯罪抑止にはつながりません。

 以上、「いのちの尊厳」という観点から死刑執行、その自動化に強く抗議し、政府が直ちに死刑執行を停止し、死刑制度の是非を世に問い、廃止に取り組み加害者と被害者の双方への対応を根本的に考え直していくことを求めます。

SC-JP08-03
2008年7月1日
日本カトリック正義と平和協議会  
死刑廃止を求める部会 
委員長ホアン・マシア

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