教皇ベネディクト十六世の2008年7月6日の「お告げの祈り」のことば ワールドユースデーに向けて

教皇ベネディクト十六世は、年間第14主日の7月6日(日)正午に、夏季滞在先のカステル・ガンドルフォ教皇公邸の窓から、中庭に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳 […]

教皇ベネディクト十六世は、年間第14主日の7月6日(日)正午に、夏季滞在先のカステル・ガンドルフォ教皇公邸の窓から、中庭に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文はイタリア語)。
「お告げの祈り」の後、教皇は、7月7日から開催されるG8(主要国首脳会議)に向けて、イタリア語で次の呼びかけを行いました。
「明日7月7日、G8構成国首脳が、他の世界の指導者とともに、年1回行われるサミットのために日本に集まります。この数日、多くの声明が発表されています。その中にはサミット参加国の司教協議会会長の声明もあります。これらの声明は、これまでのG8で行われた約束を果たし、人類の多くの部分をいまだに苦しめている極度の貧困、飢餓、病気、非識字の災いをなくすために必要なあらゆる手段を勇気をもって用いることを求めています。わたしもこの連帯への切迫した呼びかけに加わります。それゆえわたしは、北海道洞爺湖サミット参加者に申し上げます。どうかきわめて無力で貧しい人々が必要とすることを皆様の議論の中心に置いてください。現代、これらの人々は、投機と財政の悪化、食糧・エネルギー価格の高騰の影響で、ますます脆弱となっています。どうか、寛大な心と先見の明をもって、人間の尊厳を守るための完全な発展をあらためて公正に進める決断を行ってくださるようお願いします」。
北海道洞爺湖サミットは7月7日(月)から9日(水)まで日本を議長国として開催されます。今回の会議期間中、主要8か国(G8)に加えて、中国、インド、アフリカ諸国など、過去最多の22か国の首脳が参加します。


親愛なる兄弟姉妹の皆様。
  まず初めに、カステル・ガンドルフォの行政当局と、市民と教会共同体全体に心からごあいさつ申し上げます。皆様はわたしのカステル・ガンドルフォ滞在中、いつも温かく親切にわたしを歓迎してくださるからです。わたしの思いはすでにオーストラリアに向かっています。神が望まれるならば、わたしは今週の12日(土)にオーストラリアにまいります。実際、オーストラリア南東部のシドニーで第23回ワールドユースデーが開催されます。この数か月間、「青年の十字架」がオセアニア中を回りました。「青年の十字架」はシドニーで、主イエス・キリストと若者がかわした約束をあらためて沈黙のうちにあかしします。7月15日に若者の歓迎式典が予定されています。19日(土)に盛大な前晩の祈り、20日(日)に感謝の祭儀が行われます。この感謝の祭儀が、ワールドユースデーの頂点であり、閉幕です。オーストラリア司教協議会は、行政当局の協力に力強く支えられながら、万事を注意深く準備されました。他の大陸の青年の最初のグループはすでにオーストラリアに向けて出発しています。わたしは全教会にお願いします。神のしもべヨハネ・パウロ二世が1985年に始めた世界中の青年の偉大な巡礼の新たな歩みに自分も参加していると考えてください。
  今回のワールドユースデーは新しい聖霊降臨であることがあらかじめ告げられました。実際、キリスト教共同体はすでに1年間、わたしがメッセージの中で示した道に従って準備してこられました。そのテーマは「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、わたしの証人となる」(使徒言行録1・8)でした。これは、イエスが復活の後に弟子たちに述べた約束です。そして、この約束は教会の中でいつも有効で現実的なものであり続けます。祈りのうちに待ち望み、与えられた聖霊は、イエスとその福音をあかしする力を信者に与えます。神の霊は、教会の帆に風を送り、いつも、世々にわたって教会が「沖に漕ぎ出す」よう促します。それはすべての人に神の愛の知らせをもたらすためです。神の愛は、わたしたちのために死んで復活したキリスト・イエスのうちに完全なしかたで現されました。地上のあらゆるところのカトリック信者が、わたしと青年とともに、二階の広間に集まったようにシドニーに集まり、力強く聖霊が降るのを祈り求めてくださることを、わたしは確信しています。そして聖霊はわたしたちの心を、内的な光と、神と兄弟への愛と、イエスの永遠のメッセージをさまざまな言語と文化の中で伝えようとする勇気で満たします。
  十字架とともに、おとめマリアがワールドユースデーとともに歩んでくださいます。これから行うオーストラリアへの旅と、シドニーでの青年の集会を、マリアの母としてのご保護にゆだねたいと思います。さらに7月の最初の主日にあたり、マリアの執り成しを祈り願いたいと思います。夏の期間がすべての人にとって、休息と、肉体的・精神的な充電のための機会となりますように。

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