教皇ベネディクト十六世の2008年7月27日の「お告げの祈り」のことば ワールドユースデーを終えて

教皇ベネディクト十六世は、年間第17主日の7月27日(日)正午に、夏季滞在先のカステル・ガンドルフォ教皇公邸の窓から、中庭に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻 […]

教皇ベネディクト十六世は、年間第17主日の7月27日(日)正午に、夏季滞在先のカステル・ガンドルフォ教皇公邸の窓から、中庭に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文はイタリア語)。
教皇は、第23回ワールドユースデー・シドニー大会(7月15日-20日)に参加するため7月12日(土)から行ったオーストラリア司牧訪問を終えて7月21日(月)にローマに戻り、カステル・ガンドルフォ教皇公邸に滞在しましたが、7月28日(月)から8月11日(月)まで、北イタリア、トレンティーノ=アルト・アディジェ州のブレッサノーネの神学院で夏季休暇を過ごします。


親愛なる兄弟姉妹の皆様。
  月曜日に、第23回ワールドユースデーが行われたオーストラリアのシドニーから帰りました。わたしの目と心には、教会の若々しい顔と出会うことのできたこの特別な体験が今なお残っています。教会の若々しい顔は、色とりどりに描かれたモザイク画のようでした。このモザイク画は、世界のあらゆるところから来て、皆がイエス・キリストへの唯一の信仰に基づいて集まった若者によって作られたものです。人々は彼らのことを「世界の巡礼者の若者たち」と呼びました。このすばらしいことばは、ヨハネ・パウロ二世が始めたこの国際的な集会の本質を言い当てています。実際、この集会は、世界中をめぐる大いなる巡礼の歩みです。それは、キリストへの信仰がわたしたち皆を、天におられる唯一の父の子とし、また、愛の文明を築く者としてくださることを示すためです。
  教会とキリスト教生活において聖霊が中心的な役割を果たすかたであると自覚すること。これがシドニー大会の特徴です。部分教会における長い準備の歩みは、復活したキリストが使徒たちに告げた約束のことばをテーマとして行われました。「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、わたしの証人となる」(使徒言行録1・8)。7月16日と17日と18日に、シドニーの諸教会において、現地にいた多くの司教が自らの奉仕職を果たし、さまざまな言語でカテケージスを行いました。これらのカテケージスは、この行事がたんなる外的な催し物に尽きず、良心に深い痕跡を残すために欠くことのできない、反省と精神の集中の要素でした。町の中央で、南十字星のもとで行われた前晩の祈りは、聖霊を呼び求める合唱でした。最後に、最終日の日曜日に行われた大規模な感謝の祭儀の中で、わたしは諸大陸の24名の若者に堅信の秘跡を授けました。そのうち14名はオーストラリアの若者でした。そしてわたしは、そこにいたすべての人が洗礼の約束を更新するよう招きました。このようにしてワールドユースデーは新しい聖霊降臨となりました。この聖霊降臨から、同世代の人々の使徒となるようにという、若者たちの使命があらためて告げられました。多くの聖人や福者、とくに福者ピエル・ジョルジョ・フラサーティ(1901-1925年)と同じようにです。巡礼者の若者たちは、シドニーの司教座聖堂に安置されたフラサーティの聖遺物に対して絶えまなく崇敬を行いました。すべての若者は、聖人と福者の模範に従って、イエスご自身の経験にあずかるよう招かれています。イエスはご自分の「友」の人生を、聖霊の力によって、すなわち神の愛の霊の力によって変えてくださるからです。
  今日わたしはあらためて、オーストラリアの司教の皆様、とくにシドニー大司教のペル枢機卿に対し、その多大な準備作業と、わたしと他のすべての巡礼者に対する温かい歓迎のゆえに、感謝したいと思います。貴重な協力をしてくださったオーストラリア政府当局に感謝申し上げます。この大会がかならず成功するよう祈ってくださった世界中のかたがたに特別に御礼申し上げます。おとめマリアが最高の恵みをもってすべてのかたがたに報いてくださいますように。わたしはまた、明日から始まる、アルト=アディジェの山地のブレッサノーネでの休暇をマリアにゆだねます。心を一つにして祈り続けようではありませんか。

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