ペトロ岐部と187殉教者の列福式の開催場所を決定

日本カトリック司教協議会(所在地:東京都江東区潮見2‐10‐10、会長:岡田武夫 東京教区大司教)は、2008年11月24日(月・祝)正午から長崎市で挙行されるペトロ岐部と187殉教者の列福式の会場を、ビッグNスタジアム(正式名称:長崎県営野球場「ビッグNスタジアム」、所在地:長崎市松山町2‐5)に決定しました。

ペトロ岐部と187殉教者を福者と宣言する式典は、列福式としては日本初であり、国内外はもとより、アジア諸国を始め世界各地から多くの参加が予想されます。こうした点を考慮し、最大約3万人の収容が可能で、交通アクセスなどの利便性にも優れたビッグNスタジアムを会場に選定しました。司式は、教皇ベネディクト十六世によって教皇代理に任命された教皇庁列聖省長官が行います。
なお式典への参加方法などについては、追って詳細を発表します。

福 者

神のみに信頼と希望を置き、神のみを愛して世を去った者の中で、信者の尊崇を集め、信仰生活の模範にふさわしいと認められた者を、カトリック教会は、聖人・福者と宣言することがあります。これを列聖・列福と呼びます。
福者は、聖人の前段階です。聖人は、全世界の教会で公式の祈りにおいて記念されるのに対し、福者は、当該の国の教会で記念されます。

列福式

全世界から教皇庁に寄せられる列聖・列福の請願は、それぞれについて、段階を追って精査され、最終的に教皇が列聖・列福を宣言します。この儀式が列聖式・列福式であり、ローマ教皇庁の主催で行われます。ペトロ岐部と187殉教者の列福式は、教皇代理に任命される教皇庁列聖省長官が司式し、列福を決定し宣言する教皇書簡を読み上げることになっています。

殉教

神への信仰・希望・愛に生き、信仰への迫害にめげず無抵抗、非暴力のうちにいのちを捧げることを殉教と呼びます。教会によって公に認定される殉教者とは、迫害する側が、信仰のみの理由でその人のいのちを奪うこと、また迫害される側も、信仰のみの理由で暴力的な抵抗をせず、いのちを奪われる結果になった人です。

ペトロ岐部と187殉教者

「ペトロ岐部と187殉教者」は、徳川幕府の厳しい禁教政策のもとで信仰の自由を守りぬき、1603―1639年に全国各地で殉教した日本人の男女信徒・修道者・司祭です。188殉教者の筆頭にあげられているペトロ岐部(1587年 豊後《現大分県国東市》生まれ-1639年 江戸で殉教)は、迫害に苦しむ日本の信徒たちのために司祭になることを決意し、大陸を横断し徒歩でローマへ行った不屈の人です。中浦ジュリアン(1567年頃《現 長崎県西海市》生まれ-1633《現 長崎市西坂で殉教》)は、天正の遣欧使節の一人としてヨーロッパと日本を結ぶ架け橋の草分けとして広く知られています。
上記を含む5人の司祭・修道者以外の183人の殉教者は、武士・町人・家庭の主婦・伝道士など老若男女の信徒たちです。一家揃って殉教した家族、身分や障害などのため社会の底辺で苦しむなどさまざまな生涯を送った人びとが含まれています。
188殉教者の列福は、信教の自由という人間の基本的な権利のために、反体制を叫ぶ政治的運動ではなく、純粋に信仰者の立場から いのちを賭した多くの先達を思い起こす好機であると考えます。

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