教皇ベネディクト十六世の2008年10月5日の「お告げの祈り」のことば シノドス第12回通常総会の開催

教皇ベネディクト十六世は、年間第27主日の10月5日(日)午前9時30分からサン・パオロ・フオリ・レ・ムーラ大聖堂で、10月5日から26日まで開催される世界代表司教会議(シノドス)第12回通常総会の開会ミサを司式した後、 […]

教皇ベネディクト十六世は、年間第27主日の10月5日(日)午前9時30分からサン・パオロ・フオリ・レ・ムーラ大聖堂で、10月5日から26日まで開催される世界代表司教会議(シノドス)第12回通常総会の開会ミサを司式した後、正午に、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文はイタリア語)。
「お告げの祈り」の後、教皇は、シノドスに関連した聖書朗読マラソンの企画の開催について、イタリア語で次のように述べました。
「今晩から、イタリア放送協会(RAI)による特別番組が始まります。この番組は『昼夜の聖書』というものです。この番組では、今日から10月11日までの7日7晩、テレビ中継による聖書全巻の連続朗読を行います。朗読は、ローマのサンタ・クローチェ・イン・ジェルザレンメ大聖堂で行われます。朗読するのは50か国の約1200人です。朗読者の一部はエキュメニカルな基準で選ばれましたが、大部分は進んで申し込んだ人々です。この番組は神のことばに関する司教シノドスにたいへんふさわしいものです。そしてわたしも創世記の第1章の冒頭を朗読します。これはイタリア放送協会の1チャンネルで午後7時から放送されます。こうして神のことばは家庭に入り、家族と一人ひとりの人の生活に同伴することができます。適切に受け入れるなら、この種はかならず豊かな実を結ぶことでしょう」。


親愛なる兄弟姉妹の皆様。
  今朝、サン・パオロ・フオリ・レ・ムーラ大聖堂で行われたミサをもって、世界代表司教会議(シノドス)第12回通常総会が開会しました。このシノドスは、「教会生活と宣教における神のことば」をテーマとして、3週間にわたってバチカンで行われます。この特別な司教会議の意味と役割を皆様はご存じです。シノドス参加司教は全司教団を代表して選ばれます。司教たちは、ペトロの後継者を力強く支えるために集まって、教会の交わりを示し、また強めます。シノドスは、わたしの敬愛すべき前任者である神のしもべパウロ六世が第二バチカン公会議の最終会期中の1965年9月に設置した重要な機関です(自発教令『アポストリカ・ソリチトゥード』参照)。それは、公会議の司教の任務に関する教令に書かれた指示を実現するためでした(『教会における司教の司牧任務に関する教令』5参照)。シノドスの目的はこれです。教皇と全世界の司教の緊密な一致と協力を助長すること。教会の状況と問題に関する直接かつ正確な情報を提供すること。教理や司牧活動に関する一致を助長すること。そして、重要性が大きい、現代的なテーマを考察することです。このさまざまな課題が常設の事務総局によって調整されます。事務総局はローマ司教の権限に直属しながら活動します。
  シノドスの役割は教会にとって不可欠なものです。シノドスではすべての民族と文化がキリストのうちに一つになり、キリストに従って歩むために集まります。キリストはこういわれたからです。「わたしは道であり、真理であり、いのちである」(ヨハネ14・6)。実際、「シュノドス」というギリシア語は「ともに」を意味する「シュン」という接頭辞と、「道」を意味する「ホドス」から成ります。それゆえこのことばは「ともに道を歩む」という理想を表します。これはまさに救いの歴史において神の民が経験したことにほかなりません。今日から始まるシノドス通常総会のために、わたしは、権限のある人々の意見を取り入れて、神のことばをテーマとして選びました。それは、教会生活と宣教の中で、司牧的な観点から神のことばを深めるためです。広く全世界の部分教会がシノドス事務総局に意見を送ることにより、準備段階に参加しました。そこからシノドス事務総局は「討議要綱」を作成しました。この文書を253人のシノドス参加教父が考察します。シノドス参加教父の内訳は、アフリカから51名、アメリカから62名、アジアから41名、ヨーロッパから90名、オセアニアから9名です。これに、多くの男性と女性の専門家とオブザーバー、他の教会・教会共同体の「友好使節」、幾人かの特別招待者が加わります。
  親愛なる兄弟姉妹の皆様。皆様にお願いします。どうか皆様の祈りをもってシノドスの議論を支えてください。とくにおとめマリアの母としての執り成しを願い求めてください。おとめマリアは神のことばの完全な弟子だからです。

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