教皇ベネディクト十六世の2009年5月3日の「アレルヤの祈り」のことば 聖地巡礼を前にして

教皇ベネディクト十六世は、復活節第4主日の5月3日(日)午前9時30分からサンピエトロ大聖堂で司祭叙階式のミサをささげ、19名のローマ教区の助祭の司祭叙階を行った後、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「アレルヤの祈り」を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文イタリア語)。
ベネディクト十六世は、パウロ六世(1964年1月4日-6日)、ヨハネ・パウロ二世(2000年3月20日-26日)に続いて、5月8日から15日まで聖地巡礼を行う予定です。


親愛なる兄弟姉妹の皆様。

 今しがたサンピエトロ大聖堂でミサを終えたところです。このミサの中でわたしはローマ教区の19名の新司祭の叙階を行いました。わたしは今日の復活節第4主日をあらためてこの喜ばしい行事のために選びました。それは、この主日はよい牧者の福音を特徴としており(ヨハネ10・1-18参照)、それゆえ、特別にふさわしい機会といえるからです。同じ理由によって、今日、「世界召命祈願の日」が行われます。この日のための恒例のメッセージの中で、わたしは「神の呼びかけへの信頼と人間のこたえ」というテーマを考察してくださるようお願いしました。実際、主への信頼はすべての人を絶えず聖性へと招きます。それは特にある人々を自己奉献へと招きます。そしてこの信頼はまさに祈りの中で表されます。わたしたちは、個人としても共同体としても、召命のために深く祈らなければなりません。それは、偉大ですばらしい神の愛が、多くの人を、司祭職と奉献生活の道を通してキリストに従うよう引き寄せるためです。次のことも祈らなければなりません。聖なる夫婦も、特にその模範を通して、自らの自由をもって目指すべき高い目標を子どもたちに示すことができますように。教会がすべての信者が崇敬するために示す聖人は、この神の呼びかけと人間のこたえの結合が生み出す実りをあかししています。わたしたちの召命のための祈りを、聖人たちの天上での執り成しにゆだねようではありませんか。
  今日皆様に祈っていただきたいもう一つの意向があります。それは、神が望まれるなら、わたしが来る5月8日(金)から15日(金)まで行う聖地訪問です。わたしの敬愛すべき先任者であるパウロ六世とヨハネ・パウロ二世の足跡に従いながら、わたしは、わたしたちの信仰における主要な聖なる場所を訪れます。わたしの訪問の目的は、日々、多くの困難に直面している聖地の信者を強め、励ますことです。わたしは使徒ペトロの後継者として、聖地の信者に、教会全体の連帯と支えを伝えます。さらにわたしは、すべての人の父である唯一の神の名において、平和の巡礼者となります。わたしは、公正と相互の尊重による堅固で持続的な平和を実現するために対話と和解の実践に努める人々のために、カトリック教会が献身することをあかしします。最後に、今回の訪問は、エキュメニズムと諸宗教対話の上で大きな意味をもちます。このような観点から、エルサレムは優れた意味で象徴的な町です。このエルサレムで、キリストは、散らされている神の子たちを皆、再び一つに集めるために死んだからです(ヨハネ11・52参照)。
  今、よい牧者の母であるおとめマリアに向かい、祈り求めようではありませんか。どうかローマ教区の新しい司祭たちを見守ってください。そして、全世界で、神の国のために特別にささげられた多くの聖なる召命が生まれますように。

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