教皇ベネディクト十六世の2009年10月4日の「お告げの祈り」のことば 第2回アフリカ特別シノドスの開催

教皇ベネディクト十六世は、年間第27主日の10月4日(日)正午に、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文イタリ […]


教皇ベネディクト十六世は、年間第27主日の10月4日(日)正午に、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文イタリア語)。

「お告げの祈り」の後、教皇はイタリア語で次のように述べました。
「このときにあたり、わたしの思いは、最近激しい自然災害の被害を受けた太平洋と東南アジアの人々に向かいます。すなわち、サモア諸島とトンガの津波(9月29日)、フィリピンの台風(9月26日、10月3日)――この台風はその後、ベトナム、ラオス、カンボジアにも被害をもたらしました――、そしてインドネシアの大地震(9月30日)です。これらの災害は多くの死者と行方不明者、住む家を失った人、莫大な物的損害をもたらしました。さらにわたしはシチリア島、特にメッシーナ県周辺での洪水(10月1日)の被災者にも思いを致します。すべての人にお願いします。わたしとともに、犠牲者とそのご遺族のために祈ってください。わたしは、避難生活を送っておられる人と、試練のうちにあるすべての人に霊的に寄り添うとともに、彼らの苦しみを和らげてくださるよう神に祈り求めます。これらの被災者の兄弟姉妹に、わたしたちの連帯と国際社会の支援が十分に与えられますように。
世界代表司教会議(シノドス)第2回アフリカ特別総会を開会したこの特別な主日の『お告げの祈り』の終わりに、今もアフリカ大陸の人々の平和と安全を脅かしている紛争のことを忘れることはできません。この数日、わたしはギニアの人々に対して行われた深刻な暴力事件(9月28日)を懸念をもって見守っています。犠牲者のご家族にお悔やみ申し上げるとともに、諸政党が対話と和解を行うよう呼びかけます。公平かつ公正な解決を図るために惜しみない努力が行われることを確信しています。
今週の土曜日の10月10日午後、わたしは、シノドス教父とともに、パウロ六世ホールで、ローマの大学生の若者たちと心を合わせて「アフリカとともにアフリカのために」ロザリオを唱える特別な集いを司式します。一部のアフリカ諸国の学生も衛生中継を通じてこの祈りに参加します。親愛なる大学生の若者の皆様。多くの皆様が、『知恵の座(Sedes Sapientiae)』であるマリアに、アフリカ大陸の教会と社会の歩みをゆだねてくださることを期待しています」。
西アフリカのギニア共和国では、9月28日(月)、首都コナクリで行われた軍事政権に抗議する野党の大規模抗議集会で治安部隊が発砲し、少なくとも157人が死亡、1250人以上が負傷したと報道されています。
この日、教皇は午前9時30分からサンピエトロ大聖堂で、239名のシノドス教父と44名の協力者の司祭とともに、10月4日(日)から25日(日)まで開催される第2回アフリカ特別シノドスの開会ミサをささげました。
教皇は10月3日(土)に夏季滞在先のカステル・ガンドルフォからバチカンに戻りました。


 親愛なる兄弟姉妹の皆様。

 今朝、世界代表司教会議第2回アフリカ特別総会の開会ミサがサンピエトロ大聖堂で行われました。このミサの中ではアフリカの諸言語による祈りもささげられました。わたしの敬愛すべき前任者であるヨハネ・パウロ二世は、2000年と第三キリスト千年期を前にして、第1回「アフリカ・シノドス」を1994年に招集しました。宣教者としての情熱によってアフリカの地を何度も訪れたヨハネ・パウロ二世は、この総会で示された内容を使徒的勧告『アフリカにおける教会』(1995年)にまとめ、アフリカ大陸における福音宣教をあらためて重視しました。15年後の今回の新たな総会は、第1回総会を継続しながら、これまでの歩みを検証し、いくつかの側面をより深く考察し、最近の問題を検討します。シノドスのテーマは「和解、正義、平和に奉仕するアフリカの教会」です。このテーマには「あなたがたは地の塩・・・・世の光である」(マタイ5・13、14)という、キリストが弟子たちに語ったことばが添えられます。
 シノドスはいつも深い教会の体験です。すなわちそれは、教会生活の特別な側面に関して、さらにこの場合は、地理的領域に基づく一定のキリスト者の民の部分に関して、団体的な司牧的責任を行使する体験です。教皇とその密接な協力者は、任命された総会参加者、専門家、オブザーバーとともに、選択されたテーマを深く考察します。シノドスが研究集会でも、予定どおりに行われる会議でもないことを強調するのは重要です。シノドス会場では報告と発表が行われ、分団会も開催されますが、わたしたちは皆、自分たちが主人公なのではないことをよく自覚しています。教会を導くのは主であり、主の霊です。すべての人にとってもっとも重要なのは、聞くことです。互いのいうこと、またすべての人のいうことを聞くこと、主がいおうとされることを聞くことです。そのためシノドスは、信仰と祈りの雰囲気の中で、神のことばに敬虔に聞き従いながら行われます。ペトロの後継者の任務は、シノドス総会を招集、司会し、議論の中で示されたことをまとめ、その後、適切な司牧指針を示すことです。
 親愛なる友人の皆様。アフリカは特別に豊かな人間に満ちた大陸です。最近、アフリカ大陸の人口は約10億人に達し、出生率は世界で最高水準にあります。アフリカは人のいのちの豊かな地ですが、このいのちは、残念ながら深刻な貧困を特徴とし、場合によってはなはだしい不正に苦しんでいます。教会は福音の力と、愛のわざを行う多くの施設と事業による具体的な連帯によって、これらの問題を解決しようと努めます。おとめマリアに祈りたいと思います。どうか第2回アフリカ特別シノドスが祝福され、愛する偉大なアフリカ大陸に平和と発展が与えられますように。

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