教皇ベネディクト十六世の2009年10月25日の「お告げの祈り」のことば 第2回アフリカ特別シノドスの閉会

教皇ベネディクト十六世は、年間第30主日の10月25日(日)午前9時30分からサンピエトロ大聖堂で、10月4日(日)から25日まで開催された第2回アフリカ特別シノドスの閉会ミサを司式しました。ミサの終わりに教皇は、サンピ […]


教皇ベネディクト十六世は、年間第30主日の10月25日(日)午前9時30分からサンピエトロ大聖堂で、10月4日(日)から25日まで開催された第2回アフリカ特別シノドスの閉会ミサを司式しました。ミサの終わりに教皇は、サンピエトロ大聖堂脇の階段上から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文イタリア語)。
教皇は、来年のキプロス共和国司牧訪問の際に、2010年10月に開催される中東特別シノドスの「討議要綱」を示すことを発表しました。教皇のキプロス共和国訪問は来年(2010年)6月に行われることが、10月1日に教皇庁広報部によって発表されています。


  親愛なる兄弟姉妹の皆様。

  少し前に、サンピエトロ大聖堂での感謝の祭儀をもって、第2回アフリカのための世界代表司教会議(シノドス)特別総会が閉会しました。わたしたちは3週間にわたり祈り、相互に耳を傾け合いました。それは、聖霊が今日、アフリカ大陸に生きる教会と普遍教会とに何を語っておられるかを識別するためでした。アフリカのすべての国から来たシノドス教父は、地域教会の豊かな現実を示してくださいました。わたしたちはともに、質・量ともに成長し続けるキリスト教共同体の活発さに対する喜びを分かち合いました。宣教の隆盛についても神に感謝します。この宣教の隆盛は、多くの教区に肥沃な土壌を見いだしています。またそれは、他のアフリカ諸国やさまざまな大陸への宣教者の派遣に示されています。特に重要なのは家庭の状況です。家庭はアフリカにおいても社会の第一の細胞です。しかし、現代、家庭は外部からももたらされる流行思想によって脅かされています。さらに、アフリカ人の人間的・キリスト教的価値観に相反する思考・行動様式に影響された、この種の圧力にさらされている若者について、どういえばよいでしょうか。当然のことながら、シノドス総会の中では、アフリカの現代の問題と、アフリカが和解と正義と平和を深く必要としていることが示されました。教会はこれに対して、福音の告知と人間性の推進に新たな力をもってあらためて取り組むことをもってこたえます。教会は、神のことばと聖体に力づけられながら、だれも生きるために必要なものに事欠くことがないように、そして、すべての人が人間にふさわしい生活を送ることができるようにしようと努めます。
  今年の3月に、第2回アフリカ・シノドスを直接準備するために、カメルーンとアンゴラに使徒的訪問を行ったことを思い起こしながら、今日わたしはアフリカのすべての民、とりわけキリスト教信仰を共有する多くの人々に向けてごあいさつ申し上げたいと思います。それは、このアフリカ・シノドスの「最終メッセージ」を霊的なしかたで手渡すためです。このメッセージは、普遍的な交わりを主宰するペトロの後継者の座であるローマから送られます。しかしそれは、本当の意味でアフリカで生まれたものだといえます。それはアフリカから体験と期待と計画とを集めて、今、アフリカへと帰り、聖霊における深い交わりに基づく豊かな出来事を伝えます。アフリカからわたしのことばに耳を傾けておられる親愛なる兄弟姉妹の皆様。特に皆様の祈りにシノドス教父の議論の実りをゆだねます。そして、主イエスのことばをもって皆様を励まします。愛するアフリカの地の塩と光になってください。
  このシノドスを終える今、来年、中東のための世界代表司教会議特別総会が開催される予定であることを思い起こしたいと思います。キプロス訪問の折にこの総会の「討議要綱」を示すことができることをうれしく思います。うむことなくご自身の教会を交わりのうちに築いてくださる主に感謝します。そして、信頼をもっておとめマリアの母としての執り成しを祈り求めます。

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