駐日教皇大使アルベルト・ボッターリ・デ・カステッロ大司教の教皇ヨハネ・パウロ二世列福感謝ミサにおけるあいさつ

2011年5月14日(土)午後3時から、東京大司教区カテドラル関口教会聖マリア大聖堂にて、日本カトリック司教協議会主催による教皇ヨハネ・パウロ二世列福感謝ミサがささげられました。以下は、ミサの終わりに、共同司式した駐日教皇大使アルベルト・ボッターリ・デ・カステッロ大司教が行ったあいさつの全文の邦訳です(原文英語)。

 枢機卿、大司教、司教、司祭、修道女、そして親愛なる神の民の皆様。

 今日、皆様とともに教皇ヨハネ・パウロ二世の列福感謝ミサをささげることができたことをうれしく思います。教会は、5月1日の列福式により、教皇ヨハネ・パウロ二世が今や天において天使と諸聖人とともにおられることを確認しました。教皇ヨハネ・パウロ二世の霊魂は、全能の神のみ前にいることを許された者たちに加わり、天使と諸聖人とともに、神のみ心を知り、果たそうとした人々に報いとして与えられる光と喜びを味わっておられます。教皇ヨハネ・パウロ二世は、天上の教会の一員として、地上にあるわたしたちとともに、わたしたちのために祈ってくださいます。それゆえ、わたしたちが教皇ヨハネ・パウロ二世のことばと行いを思い起こすとき、教皇も祈りをもって地上の教会とともに歩み続けてくださることが分かります。わたしたちも教皇に祈りをささげ、わたしたちを助け導いてくださるよう願うことができるのです。
 教皇ヨハネ・パウロ二世は2000年1月にローマでわたしを大司教に叙階してくださいました。わたしはそのときのことを感動と愛情をもって思い起こします。わたしは光栄にもカトリック教会の司教団の一員に選ばれ、教皇ヨハネ・パウロ二世の司牧活動に協力し、世界の諸国にわたしたちの主イエス・キリストの福音を伝えてきました。わたしはいつも、教皇ヨハネ・パウロ二世がその教皇職全体を通して示した、驚くべき信仰と、普遍教会のための献身に畏敬の念を抱いていました。
 教皇ヨハネ・パウロ二世は、聖書と教父また教会の聖人や神学者の著作を祈り、研究しただけでなく、世界の政治・経済・社会で影響力のある人々と、彼らが現代人の心と魂を方向づけるしかたについても深く考察しました。教皇は絶対的な価値、とくに人間のいのちの尊厳を守り、育む価値が無視され、ないがしろにされていることに何よりも懸念を抱きました。教皇は1995年に発布した回勅『いのちの福音』の中で、すべての人にとって、神の特別なたまものである一人ひとりの人間のいのちの意味を考察し、人間のいのちに奉仕する文明を造り出そうと努めることがどれほど大切かを述べました。
 わたしたちは、教皇ヨハネ・パウロ二世のことばと行いを思い起こしながら、今、教皇が教会と世界のために執り成してくださるよう祈ります。このときにあたり、教皇の祈りがとくに日本国民に寄り添ってくださっていることを感じます。教皇が3月の悲しむべき地震と津波のすべての犠牲者と被災者のために祈ってくださっているのを感じます。親愛なる神の民の皆様。この困難なときにあって、教皇ヨハネ・パウロ二世のことばと行いのうちに導きを見いだし続けようではありませんか。そして、教皇が教会と世界を見守り続けてくださるよう祈ろうではありませんか。

(カトリック中央協議会事務局 訳)

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