教皇ベネディクト十六世の2012年1月22日の「お告げの祈り」のことば キリスト者の一致

教皇ベネディクト十六世は、年間第三主日の1月22日(日)正午に、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文イタリア […]


教皇ベネディクト十六世は、年間第三主日の1月22日(日)正午に、教皇公邸書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信者とともに「お告げの祈り」を行いました。以下は、祈りの前に教皇が述べたことばの全文の翻訳です(原文イタリア語)。
「お告げの祈り」の後、教皇はイタリア語で次のように述べました。
「これからの数日間、極東のさまざまな国々では喜びをもって旧正月を祝います。経済的・社会的危機に見舞われた現在の国際情勢の中で、極東のすべての国民の皆様のために祈ります。新しい年が正義と平和によって具体的な形で特徴づけられますように。苦しむ人に慰めをもたらしますように。そして、とくに若者が、熱意と理想に燃える心をもって、世界に新たな希望を与えることができますように」。
2012年の旧正月は1月23日(月)から祝われます。


 親愛なる兄弟姉妹の皆様。

 今日の主日は、「キリスト教一致祈祷週間」の真ん中に当たります。「キリスト教一致祈祷週間」は1月18日から25日まで行われるからです。皆様に心からお願いします。イエスが受難の前夜、御父にささげた祈りに心を合わせてください。「すべての人を一つにしてください。そうすれば、世は信じるようになります」(ヨハネ17・21)。今年の一致祈祷週間の黙想は、とくに聖パウロのコリントの信徒への手紙一の記事を取り上げます。「わたしたちは皆、主イエス・キリストの勝利によって変えられます」(一コリント15:51-58参照)。わたしたちは、罪と死に対するキリストの勝利である、復活を観想するよう招かれます。復活という出来事は、キリストを信じる者を徹底的に造り変え、朽ちることのない不滅のいのちに近づくことを可能にするからです。イエス・キリストへの信仰がもつ、わたしたちを造り変える力を認め、受け入れることは、自分たちの完全な一致を追求するキリスト者の支えともなります。
 今年の一致祈祷週間の冊子の草案は、ポーランドのグループによって作成されました。実際、ポーランドは、さまざまな逆境と勇気をもって戦った長い歴史をもち、信仰に力づけられた偉大な決意を繰り返し示しました。それゆえ、上記のテーマのことばは、ポーランドにおいて反響し、特別に明確な意味をもちます。ポーランドのキリスト信者は、何世紀にもわたって、自分たちの自由への望みにおける霊的次元を自然に洞察してきました。そして彼らは、深く内的な変容を伴うときに初めて、真の勝利を得ることができることを悟りました。彼らはわたしたちに次のことを思い起こさせてくれます。わたしたちの一致の探求が現実的な態度となりうるには、何よりもまずわたしたち自身が変わらなければなりません。神に働きかけていただかなければなりません。わたしたちをキリストの似姿に従って造り変えていただかなければなりません。まことの勝利であるキリストに結ばれた、新たな生活を始めなければなりません。すべてのキリスト者の目に見える一致は、つねに天から、すなわち神から来るわざです。このわざは、わたしたちの弱さを認め、たまものを受け入れるへりくだりを要求します。しかし、福者教皇ヨハネ・パウロ二世がしばしば繰り返し述べたことばを用いるなら、あらゆるたまものは、努力ともなります。それゆえ、神に由来する一致は、日々、愛のうちに互いに心を開き合う、わたしたちの努力を必要とします。
 「キリスト教一致祈祷週間」は、何十年にわたり、教会のエキュメニカルな活動の中心的要素となっています。キリストの弟子の完全な交わりのために用いるこの時によって、わたしたちは、キリストの勝利によって、すなわちキリストの復活の力によって造り変えられるとはいかなることかを、いっそう深く理解することが可能になります。恒例に従い、わたしは今週の水曜日、サン・パオロ・フオリ・レ・ムーラ大聖堂における聖パウロの回心の祝日の荘厳な晩の祈りをもって、一致祈祷週間を終えます。この晩の祈りには他のキリスト教教会・教会共同体の代表者も参加します。一致の源泉である、主への祈りをともに更新するためのこの典礼集会に多くの皆様が参加されることを願っています。今からこの集会を、子としての信頼をもって、教会の母である聖なるおとめマリアの執り成しにゆだねます。

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