シノドス(世界代表司教会議)と「提題解説」

「シノドス」(Synodus Episcoporum=世界代表司教会議)とは    「シノドス」とは、「ともに歩む」という意味のギリシア語で、一定時に会合する司教たちの集会のことです。教皇と司教たちとの関係を深め、信仰お […]

「シノドス」(Synodus Episcoporum=世界代表司教会議)とは

   「シノドス」とは、「ともに歩む」という意味のギリシア語で、一定時に会合する司教たちの集会のことです。教皇と司教たちとの関係を深め、信仰および倫理の擁護と向上、規律の遵守と強化のための助言をもって教皇を補佐するために開かれます。またそこでは、世界における教会の活動に関する諸問題を研究します。

 シノドスは、第二バチカン公会議教父たちの要望にこたえて、公会議の体験によって生まれた積極的な精神を生き生きと保つために、1965年、教皇パウロ六世が自発教令『アポストリカ・ソリチトゥード』(1965年9月15日)によって設置したものです。『カトリック新教会法典』では、342条~348条に、世界代表司教会議に関する規定が述べられています。なお、第12回通常シノドス(2008年)から、2006年に改訂された『シノドス規則』が実施されています。
 シノドスは、提起された問題を討議し、教皇に意見を具申しますが、決定機関ではありません。会議に関する権限は、すべて教皇にあります。会議の招集、代議員の指名・任命、会議要綱の決定、会議の主宰、閉会、延期、解散などは教皇の権限によって行われます。

 シノドスには、通常総会と臨時総会があります。特定地域または複数 の地域に直接に関連する問題を取り扱う特別会議が開催されることもあります。
 通常シノドスは1967年の第1回からほぼ2~4年ごとに開かれています。臨時シノドスは1969年と85年に、地域別の特別シノドスは1980年のオランダ特別シノドス以来9回行われています。とくに大聖年の2000年を前に集中的に開催されました。アフリカ(1994年)、レバノン(1995年)、アメリカ(1997年)、アジア(1998年)、オセアニア(1998年)、(第2回)ヨーロッパ(1999年)などです。2009年に第2回アフリカ特別シノドス、2010年に中東のための特別シノドスが開催されました。
 

提題解説(Lineamenta)と「討議要綱」(Instrumentum Laboris)

 シノドスが開催される前に、教皇庁シノドス事務総局は、準備文書を各国司教協議会にあらかじめ送付します。この準備文書は「提題解説」 (Lineamenta)と呼ばれます。シノドス事務総局は、提題解説を各国司教協議会に送り、そこにある質問事項へ回答するよう指示します。
 シノドス事務総局は、各国の司教協議会の「回答」に基づき、シノドス開催前に「討議要綱」(Instrumentum Laboris)を発表します。これが、実際にシノドス会期中に行われる議論の材料となります。

  シノドスの議長は教皇が務めますが、実際の司会は議長代理が交互に行います。総書記は、分団会 ・ 全体会で議論するために、参加者から指摘 された議題をまとめて報告します。また、総書記と特別秘書は、シノドス教父の提言をまとめて、教皇に提出します。これらの提言を踏まえて、教皇はシノドス後の使徒的勧告を発表します。

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