日本カトリック正義と平和協議会は「特定秘密保護法案」に反対します

内閣総理大臣 安倍晋三殿 日本カトリック正義と平和協議会は「特定秘密保護法案」に反対します  私たち日本カトリック正義と平和協議会は、日本国憲法の基本原理を尊重する立場から、また人間の尊厳に関わる自由で平和な社会を求める […]

内閣総理大臣 安倍晋三殿

日本カトリック正義と平和協議会は「特定秘密保護法案」に反対します

 私たち日本カトリック正義と平和協議会は、日本国憲法の基本原理を尊重する立場から、また人間の尊厳に関わる自由で平和な社会を求める宗教者の立場から、「特定秘密の保護に関する法律案」に反対します。

 本法案は、「特定秘密」の指定を行政側の恣意的な裁量に委ねるもので、情報公開制度が整備されていない状況の中では、秘密はあらゆる方面の事柄に及んで指定される可能性があります。 また、公務員だけでなく「秘密」を取得した民間人をも処罰対象とし、さらには、国会議員にまでも秘密厳守を求める内容となっています。

 具体的には以下のような問題を引き起こすことになります。

1. 防衛大臣が「特別秘密」に指定すれば、たとえそれが自衛隊の海外武力行使や米軍との共同作戦などのような憲法9条に反する事柄であっても、すべて秘密のうちに実行されることになる。
2. 収束のめどが立たない東京電力福島第一原発事故など、原発に関する情報についても「テロ対策」として国民に伏せることができる
3. 憲法で国権の最高機関と位置づけられた国会を行政機関の下位に置くことになる。
4. マスメディアの取材活動を萎縮させて憲法で保証された国民の「知る権利」を著しく制約する。 (たしかに、国民の「知る権利」や報道・取材の自由への配慮が盛り込まれてはいるものの、これはあくまでも努力規定にすぎません。)
5. 市民の弾圧などでさえ、 マスメディアの取材も国会での追及も許されず、その秘密は永久に闇の中に葬られる可能性がある。

さらに、本法案が、集団的自衛権を憲法解釈によって認めようとする動きと、「日本版国家安全保障会議」を設立しようとする動きと密接な関係にあることを看過することはできません。本法案が可決すれば、日米同盟の関係強化のもと、あらゆることが秘密裡にすすめられ、「日本国民は、政府の行為として国家として再び戦争の惨禍が起こることのないように、この憲法を確定する」と世界に宣言した平和への決意を根底から揺るがしていくことになります。 

以上の理由から、私たちは特定秘密保護法案に強く反対します。

Prot. SC-JP 13-04
2013年11月1日

日本カトリック正義と平和協議会
会長 松浦悟郎

PAGE TOP