2014年カトリック教会から神道への新年のご挨拶

教皇庁諸宗教対話評議会 「平和のために協力するキリスト教と神道」 親愛なる神道の皆様 1. 日本の皆様、とりわけ神道を信奉する皆様にとって、もっとも大切な季節である新年に際し、教皇庁諸宗教対話評議会は心からの御挨拶とお祝 […]

教皇庁諸宗教対話評議会
「平和のために協力するキリスト教と神道」

親愛なる神道の皆様

1. 日本の皆様、とりわけ神道を信奉する皆様にとって、もっとも大切な季節である新年に際し、教皇庁諸宗教対話評議会は心からの御挨拶とお祝いを申し上げます。この祝日に行われる行事や祝事を通して、皆様の家庭や共同体、そして日本全国における幸福と一致と平和が深まりますように。

2. 新年は、神道にとっても、キリスト教にとっても、宗教的意味合いのある時です。このことは、宗教がわたしたちの個人的生活にとっても、社会的生活にとっても、最も重要なことを表しています。いのちについての宗教的な考えとそれを正しく固持することは、単に必要であるだけではなく、世界をより人間的で、平和で安全なものとするために不可欠なことです。こうした共通の信念のもとに、当評議会は、グローバル化された世界で希求される平和に向けてキリスト教と神道の信徒が協力する必要性について、いくつかの考えを皆様とこの機会に分かち合いたいと思います。

3. 急速に深刻化しつつある宗教への無関心と世俗化により、霊的、道徳的価値観が損なわれているように思われます。この価値観は、わたしたちに協調性をもたらし、相手を、特に自分とは「異なる」相手を尊重できるようにするものです。この無関心と世俗化の傾向は、愛のうちに一つに結ばれている人類家族の根幹を脅かしています。教皇フランシスコが指摘しているように、その結果として、「自己中心的で個人主義的な文化」「排除の文化」「無関心の文化」が現れ、すべての人が平和的に共存するのを阻んでいます。

4. このことは、まぎれもなく、心から人類のことを考え、平和を願うすべての人々の課題となっています。とりわけ宗教者であるわたしたちにとって、それは目覚めを促す呼びかけです。わたしたちは、言葉を実行に移すだけでなく、自らの宗教伝承の奥深くに刻まれた「平和のおきて」に従って生活し、他者と協力して平和のために働くよう呼びかけられています。教皇フランシスコはすべての人に次のように語りかけています。「真理と愛をもって正義を促し、実行することによって平和を構築することは、すべての人の責務です。あらゆる人が、自分の力量に応じて、連帯の精神をもって人類の統合的発展に貢献すべきです」(教皇庁正義と平和評議会による回勅『地上の平和』50周年記念会議参加者へのあいさつ、クレメンタイン・ホール、2013年10月3日)。

5. 当評議会は、アシジの集いをはじめとする平和のための諸宗教者の集いに神道の代表者が参加していること、また皆様が教会との対話や日本の他の宗教との対話を進めていることを歓迎し、喜びとしております。このような友愛と協力の精神が、日本と全世界の平和と調和に向けてさらに強められますように。キリスト教では世界平和のために捧げられるこの元旦にあたって、皆様の上に、平和とご多幸をお祈り申し上げます。

お正月おめでとうございます。

諸宗教評議会議長
ジャン=ルイ・トーラン枢機卿
同次官
ミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット神父

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