チリ司教団、児童性虐待問題を受け34人が辞意

すでに各外電などでも報じられていますが、5月18日のバチカンニュースによりますと、南米チリの司教協議会を構成する34人の司教は、過去同国で起きた児童性虐待に対して謝罪し、34人全員の辞意を教皇フランシスコにゆだねたとする […]


すでに各外電などでも報じられていますが、5月18日のバチカンニュースによりますと、南米チリの司教協議会を構成する34人の司教は、過去同国で起きた児童性虐待に対して謝罪し、34人全員の辞意を教皇フランシスコにゆだねたとする声明を発表しました。一国の司教団が全員辞任するような事態は極めて異例なことです。今後、この司教たちの辞職の意向については、教皇が判断することとなります。

他国での事例と同様に、チリにおいても、過去に起きた司祭による児童性虐待と、教会当局によるその隠ぺいに対する告発が続いています。ことし1月に教皇が訪問した際、教会が襲撃を受けたり、抗議デモが発生したり、信者らの大きな反発がありました。訪問中教皇は、被害者らと面会し、謝罪する声明を発表したものの、加害者らに対する対応の甘さも指摘されていました。

教皇フランシスコはバチカンに帰国後、この調査にあたる大司教らを任命してチリに派遣し、彼らは2300ページに及ぶ報告書を作成しました。4月には教皇が当時の被害者らをバチカンに招き面談し、あらためて謝罪、さらに5月に入り、チリ司教団全員との3日間の会合を開いて本件について討議し、その後今回の辞意が表明されました。5月23日のAFP電では、チリのある教区で、児童性虐待により14人の司祭の司祭職停止が発表されています。

辞意を表明する声明の中でチリ司教団は、「チリの教会の預言者的使命に新たな推進力を与えられるよう、教皇との一致のうちに、正義を再構築し、受けたダメージを修復するために貢献したい」と述べています。


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