2021年神道の皆さまへの教皇庁諸宗教対話評議会の新年のご挨拶

2021(令和3)年神道の皆さまへの新年のごあいさつ 「⼈類家族の中で社会的きずなを深める神道とキリスト教の信者」 親愛なる神道の皆さま 令和3 年の元⽇に当たり、喜びを込めて神道の皆さまにごあいさつ申し上げます。この⽇ […]

2021(令和3)年神道の皆さまへの新年のごあいさつ
「⼈類家族の中で社会的きずなを深める神道とキリスト教の信者」


親愛なる神道の皆さま

  1. 令和3 年の元⽇に当たり、喜びを込めて神道の皆さまにごあいさつ申し上げます。この⽇、⽇本では何千万もの⼈が初詣に神社を訪れ、ご加護と祝福を祈り求めます。今年はきっと、⼈類家族全体を苦しめているこのパンデミックが少しでも早く終息するよう、世界中の⼈々と⼼を合わせて祈ることでしょう。わたしたちの友情と協調のきずなが深まりますよう、わたしたちも皆さまとともに祈ります。
  2. 国境にも国籍の違いにも関係なく広がるこのパンデミックがもたらした⼤惨事は、地球上に⽣きるわたしたちのいのちがどれほど互いに結ばれ、⽀え合っているか、また⼈類がいかに⼀つの家族を形作っているかを、すべての⼈に気づかせました。わたしたちはこの気づきを深めなければなりません。そしてそれぞれの国の中で、またすべての国の間のあらゆる境界を越えて、その気づきを、宗教、社会、経済、政治におけるわたしたちの⽣き⽅に反映させ、⼀つの⼈類家族を形作らなければなりません。
  3. 教皇フランシスコは、すべての⼈に宛てた最新の回勅『きょうだいの皆さん(仮訳)』の中でこのテーマについて熟考し、次のように述べています。「今この時代に、それぞれの⼈格の尊厳を認めることで、きょうだい愛を求める普遍的な願いの再⽣にわたしたちが貢献すること、それがわたしの望みです。すべての男⼥の間のきょうだい愛。……そして、思い浮かべましょう。⼀つの⼈類家族として、同じ⾁なるからだをもつ旅する仲間として、共通の家である地球の⼦どもとして、わたしたち⼀⼈ひとりが、⾃分の信仰と信念という豊かさを携え、⾃分⾃⾝の声をもち、皆が兄弟姉妹となる姿を」(きょうだい愛と社会の友愛について、8)。
  4. 宗教はその本性上、⼈類の超越的な起源と共通する本質を求めながら、⼈類家族のうちに社会的きずなを培う上で重要な役割を担っています。
  5. 神道は、⽇本の⻑い歴史の中で、⼈々に⼀致と連帯をもたらす⼟台ともいえる役割を果たしてきました。そして、誰もが対話できる⼈類家族を築くために、これからも尽くすことができます。
  6. ⽇本の⽂化に深く根差した厳かで喜ばしい新年の祝いが、パンデミックを封じ込めるための制限措置の中でも、⼈類家族における社会的きずなを深める真の祝いとなりますように。こうした思いと祈りを込めて、⼼からごあいさつ申し上げます。


新年おめでとうございます。

教皇庁諸宗教対話評議会議長
ミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット枢機卿
同次官
インドゥニル・ジャナカラトネ・コディトゥワック・カンカナマラゲ神父

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