2022年神道の皆さまへの教皇庁諸宗教対話評議会の新年のご挨拶

2022(令和4)年神道の皆さまへの新年のごあいさつ 相互依存と連帯性に心を開いて 「人類家族の中で社会的きずなを深める神道とキリスト教」 親愛なる神道の皆さま 新年を迎えるにあたり、教皇庁諸宗教対話評議会より心からごあ […]

2022(令和4)年神道の皆さまへの新年のごあいさつ
相互依存と連帯性に心を開いて
「人類家族の中で社会的きずなを深める神道とキリスト教」


親愛なる神道の皆さま

  1. 新年を迎えるにあたり、教皇庁諸宗教対話評議会より心からごあいさつを申し上げます。パンデミックとその世界への影響からくる不安と不確実性が続く中ですが、新年の祝賀と神社参拝が、よりよい未来への希望をもって、皆さまの生活、家庭、そして地域社会に光をもたらしますように。
  2. 世界中の神道の皆さまは、新年を迎えて、過ぎた年に受け取ったすべてのたまものを感謝し、祝福と加護を求めて祈りをおささげになりますが、これは信じる心を確認する自然な行いです。わたしたちは皆さまとともに、すべての源泉である神にまなざしを上げ、祈りのうちに、人類共通の家族に帰属し、また被造界全体に帰属していることに心を開きます。
  3. パンデミックは、試練の中で忍耐して信仰にとどまり、感謝の念をもちつづけることが困難になるなど、多くの教訓をあたえています。「わたしたちは落胆し、幻滅し、疲労し、希望を奪うあきらめの気持ちに、視野が遮られてしまったのです。」(教皇フランシスコ、 2021年「世界宣教の日」教皇メッセージ[2021年1月6日])。しかし信仰は、試練の中にあっても豊かな将来の希望を生みます。希望は現実と向き合い、抵抗力を与え、困難を克服します。希望は、約束された現在と未来に回復力と信頼をもたらします。
  4. 今回のパンデミックにより、わたしたちは、この世界ですべてのものがどれほど結びついているかを理解しました。教皇フランシスコは次のように述べています。「感染の急速な拡大から、安全を確保するには、互いが関係し合っている ことが明らかになりました。わたしたちは地球規模のこの災禍に直面して、全員が安全になるまではだれも安全ではないこと、自分たちの行動が実際に他の人たちに影響すること、自分たちの今日の行動が明日の出来事に影響することを思い知ったのです。」(ローマ教皇、コンスタンティノープル全地総主教、カンタベリー大主教「被造物保護のための共同メッセージ(2021年9月1日)」)。
  5. 神道もキリスト教もともに霊的・宗教的資源を有し、それを諸民族間に調和と建設的協力の絆を築き、強化する、気づきの源泉としています。神道の皆さまは、その非常に古い伝統である和を大切にし、地球上のすべての諸民族が、被造界全体とともに、同じ屋根の下に集うことを夢見ています。キリスト者たちは、自然界における神の調和について思いを巡らせています。そこでは、神によって創造された被造物が、「互いに依存し合い、互いに補い合い、互いに奉仕し合って生存しているのです」(教皇フランシスコ「信仰と科学:COP26に向けて(2021年10月4日)」)。
  6. 新年を迎え、人類社会と諸国家間に連帯と兄弟愛を築くためにわたしたちが新たに努力を重ね、宗教に根ざしたメッセージをもって、奮闘する善意のすべての人々に意欲、決断、方向性を与えるよう貢献できますように。「ほとんどの宗教、そしてとりわけ宗教指導者は、連帯、相違の尊重、さらには、もっとも弱い立場にある兄弟姉妹を受け入れ、ケアすることの重要性を信者と社会に伝えることで、不可欠な役割を果たすことができます」(教皇フランシスコ、第54回「世界平和の日」教皇メッセージ[2021年1月1日])。
  7. この願いを込めて、まさにこの祈りを込めて、あらためて神道の皆さまに、心から新年のごあいさつを申し上げたいと思います。 明けましておめでとうございます。

教皇庁諸宗教対話評議会議長
ミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット枢機卿
同次官
インドゥニル・ジャナカラトネ・コディトゥワック・カンカナマラゲ神父

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