2025(令和7)年神道の皆さまへの新年のごあいさつ

「希望の巡礼者――より良い未来の世界に向かってともに歩む」 2025(令和7)年神道の皆さまへの新年のごあいさつ 親愛なる神道の皆さま  新年を迎えるにあたり、皆さまの平和とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。元旦に神社参 […]

「希望の巡礼者――より良い未来の世界に向かってともに歩む」
2025(令和7)年神道の皆さまへの新年のごあいさつ

親愛なる神道の皆さま

 新年を迎えるにあたり、皆さまの平和とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。元旦に神社参詣される皆さまの祈りにあわせて、祈りのうちに皆さまと歩みをともにします。

 カトリック教会は、2025年(令和7年)を「聖年」として特別に祝います。聖書に基づき、この年を古代の伝統ある恵みと喜びの年(ヨベルの年)と宣言し祝います。この年、多くのカトリック信者は、「霊性のオアシス」へと向かう巡礼という霊的旅に出発し、「希望の泉」から水を汲みます(教皇フランシスコ大勅書『信仰は欺かない』5項)。巡礼という古代からの伝統は、信仰を基盤とし、希望に促されて、深い霊的体験への道を歩きます。

 「明日は何が起こるか分からないとはいえ、希望はよいものへの願望と期待として、一人ひとりの心の中に宿っています」(同、1項)。希望は人類を支え、困難なときに力を与えます。さらに、希望はすべての宗教の中心的価値であり、歴史を通じて信者たちに、助けを必要とする人々に深い慈愛をもって行動するよう促しています。

 自然災害や戦争に苦しむ現代世界は、この聖年に世界規模の「希望の巡礼」を始めるよう、わたしたちを促しています。共通の目標、つまり人類家族と、わたしたちの共通の家に調和をはぐくむ、より平和で人間と自然を大切にする世界の構築に向かって、わたしたちは前進します。「希望の最初のしるしは、世界平和の希求でしょう。それは今また、戦争という惨劇に沈んでいます」(同、8項)。世界中に平和が必要であり、それはわたしたち全員の課題であり、そのために具体的行動が要求されます。

 新年を迎えるにあたり、神道を信奉する皆さまにも、この巡礼に参加してくださるようお招きします。わたしたちの努力を一つに集め、より希望に満ち、調和のとれた世界の実現に向けて、ともに歩みましょう。この共有された希望の旅において、それぞれの宗教伝統に深く根ざしながら、わたしたちそれぞれの祝祭の霊的基盤を見極め、人類と自然の神聖な起源と尊厳を再確認しましょう。

 この呼びかけをもって、あらためて、新年のお慶びを申し上げます。
 あけまして、おめでとうございます。

教皇庁諸宗教対話省 次官
インドゥニル・ジャナカラトネ・コディトゥワック・カンカナマラゲ神父

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