『シノドス実施ステージの旅程』――各教会間のたまものの交換を支援する文書

シノドス第16回通常総会、シノドス事務局「通常評議会」 バチカン、2025年6月30日  2025年6月26日と27日、シノドス事務局本部で、シノドス第16回通常総会の、シノドス事務局「通常評議会」のメンバーによる第1回 […]

シノドス第16回通常総会、シノドス事務局「通常評議会」
バチカン、2025年6月30日

 2025年6月26日と27日、シノドス事務局本部で、シノドス第16回通常総会の、シノドス事務局「通常評議会」のメンバーによる第1回の対面会議が開催されました。この評議会には、事務局の顧問数名も、対面およびオンラインで参加しました。唯一欠席したのは、メルキト・ギリシャ典礼カトリック教会、アンティオキアのユセフ・アブシ総大司教でした。彼は、他のキリスト教教会の指導者たちとともに、ダマスカスでの最近の教会襲撃事件で被害を受けた信者たちを見舞っています。

 会議は、シノドス事務局長のマリオ・グレック枢機卿(開会挨拶[伊文]参照)によって開会され、2025年6月26日(木)午後には、シノドス議長である教皇レオ十四世との懇談がもたれました。この会合で参加者は、シノドスの旅に関するさまざまな問題について、教皇と意見交換を行いました。この豊かで率直な意見交換の中で、教皇は、さまざまな大陸でシノダリティがどのように実践されているかについて最新情報を得ました(2025年6月26日付プレスリリース[英文]参照)。

 会議のまとめとして、評議会のメンバーは、シノドスの歩みの最終段階を同伴するためのツールである『シノドス実施ステージの旅程』を承認しました。この文書は、各地方教会とシノドス事務局との対話を促進し、教会間の経験の交換を促進するための手段となります。また、この会議では、シノドス・チームと参与機関の祝祭、教皇フランシスコによって設立された研究部会の活動、および地方教会で進行中のさまざまな活動に関する最新情報についても報告されました。

『シノドス実施ステージの旅程』
 4章で構成される『旅程』は、まず第一に、シノドスの歩みの実施ステージを理解するための解釈の鍵を提供することを目的としています。「教会のシノドス流の形態は、その使命に奉仕するものであり、教会生活におけるあらゆる変化は、教会が、現代の人々に神の国をのべ伝え、主の福音をあかしする能力を高めることを目的としています」(序文より)。次に、『旅程』の第1の対象読者、すなわち、主として教区司教とシノドス・チームに焦点を当てています。第3章では、地方での実施が普遍教会における実施と調和を保つための基本的な基準を提示しています。最終章では、方法論とツールについて取り上げています。

 この実施ステージの参考資料は、シノドスの歩みの開始以来行われてきた耳を傾けることと識別作業の結果である「世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会」の『最終文書』です。このステージは、何よりもまず、真の主役である各地方教会にゆだねられます。各地方教会は、「種々の法や本文書自体が定める識別と意思決定プロセスを通して、文書に示されている権威ある指示をおのおのの文脈に応じて実現していくよう」求められています(「教皇フランシスコによる付記」参照)。

 しかし、『最終文書』の根底にある教会論的ビジョンと基礎的な基準を擁護するため、本通常評議会で承認された文書は、シノドス事務局がここ数カ月間に受けた質問に対して作成された、一連の指針として理解されるべきです。シノドス事務局は、各地方教会間の旅に同伴し、支援し、たまものの交換を促進する任務を負っているものです。本『旅程』は、各地方教会とシノドス事務局との循環的な対話の原則を反映しており、これはシノドスの旅の始まりからその特徴となっているものです。

 この『シノドス実施ステージの旅程(英文ほか)』は、2025年7月7日(月)に、事務局のウェブサイト(www.synod.va)で公開されます。
『シノドス実施ステージの旅程』日本語版 2025.8.22公開

シノドス・チームと参与機関の祝祭
 シノドス・チームと参与機関の祝祭に関しては、登録の締め切りを2025年7月31日まで延長することが決定されました。これまでに、5大陸すべてから登録が寄せられていることを、大変喜ばしく思います。公式プログラムは現在作成中であり、養成セッションや、さまざまなシノドスの現実について意見交換を行う機会も盛り込まれる予定です。

各地方教会における継続的な活動
 各地方教会における活動に関しては、世界中の多くの教区で力強い活気が見られます。多くの教区が、熱意と創造性に満ちた実施の道をすでに踏み出しています。シノダリティに関する養成、とりわけ信徒や司牧担当者に対する養成は、ここ数カ月の重要な課題の一つとなっています。数多くのシノダリティのための学校が設立され、地方教会が信徒たちに、耳を傾けること、共同識別、教会としての識別、そして共同責任について教育する場となっています。

研究部会
 最後に、評議会のメンバーは、第16回通常総会の第1会期後に教皇フランシスコによって設立された「研究部会」の活動について、最新情報を得ました。これらの部会は、当初、2025年6月末までに考察結果を教皇に提出することになっていました。しかし、教皇フランシスコの逝去と教皇レオ十四世の選出により、遅延が生じました。一部の部会は、追加の時間を要請しています。教皇の同意を得て、最終報告書の提出期限は2025年12月31日まで延長されることが決定されました。しかし、透明性と説明責任を重んじるシノドス流のアプローチに沿って、研究部会には2025年6月末までに、事務局長に簡単な中間報告を提出するよう要請されました。これらの報告書は、事務局長に提出され次第、事務局長のウェブサイトに掲載されます。

 深い友愛に満ちた雰囲気の中で行われた評議会は、6月27日(金)午後遅くに閉会しました。次回の通常評議会は、2025年10月26日(日)午後から27日(月)終日に開催される予定です。