
2025年11月9日(日)の正午に教皇公邸書斎の窓から「お告げの祈り」を唱える前に述べたことば(原文イタリア語)。 「お告げの祈り」の後、教皇はイタリア語で次のように述べた。 親愛なる兄弟姉妹の皆様。 激しい台風の被 […]
「お告げの祈り」の後、教皇はイタリア語で次のように述べた。
親愛なる兄弟姉妹の皆様。
激しい台風の被害を受けたフィリピンの人々に寄り添います。亡くなった方とそのご家族、けがをした人、移動を余儀なくされた人のために祈ります。
今日、イタリアの教会では感謝祭を祝います。わたしは、土地の責任ある管理、フードロスの削減、持続可能な農業の実践を奨励する、司教団のメッセージに賛同します。「姉妹であり、わたしたちの母である大地」(聖フランシスコ『兄弟なる太陽の賛歌』[Cantico delle creature〔フランシスコ会日本管区訳・監修『アシジの聖フランシスコ・聖クララ著作集』教文館、2021年、59頁〕])と、大地を耕し、守る人々のゆえに、神に感謝します。〔……〕
戦争の被害を受けたさまざまな地域で平和を構築するためにあらゆるレベルで努力する人々に心から感謝申し上げます。この数日間、わたしたちは死者のために祈ってきましたが、残念ながら、この死者の中には、民間人、子ども、高齢者、病者も含めて、戦闘や爆撃で殺害された多くの人がいます。真の意味でこの人々を記憶することを望むなら、停戦し、交渉のためにあらゆる努力を行わなければなりません。
フィリピン北部をスーパー台風26号(フォンウォン)が襲い、10日(月)午前時点で少なくとも2人が死亡し、いくつかの町が孤立した。9日(日)夜に台風26号がアウロラ州東部の町ディナルンガンに上陸する前には100万人以上が避難した。
親愛なる兄弟姉妹の皆様。こんにちは。
ラテラノ教会の献堂の祭日に、わたしたちはローマ教会の一致と交わりの神秘を観想します。ローマ教会は、世界に広がるキリスト信者の信仰と歩みを配慮する母となるように招かれています。
ご存じのとおり、ローマ教区の司教座聖堂であり、ペトロの後継者の司教座であるサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ大聖堂は、歴史的、芸術的、宗教的に特別な価値をもつ建築物であるだけでなく、使徒たちによってゆだねられ、守られてきた信仰と、歴史を通して行われてきた信仰の伝達の原動力の中心も表します。この偉大な神秘は、建物の芸術的な荘厳さの中にも輝きます。大聖堂の中央身廊には、キリストの最初の弟子であり、福音の証人である使徒たちの大きな像が置かれています。
このことは、わたしたちを霊的なまなざしへと招きます。この霊的なまなざしの助けによって、わたしたちは、教会の神秘の中にたんなる場所、物理的な空間、石造りの建物以上のものを理解するために、外的な側面を超えることができます。実際、福音書がイエスによる神殿の清めの話によって思い起こさせてくれるとおり(ヨハ2・13-22参照)、神のまことの聖所は、死んで復活したキリストです。キリストは唯一の救いの仲介者、唯一のあがない主、ご自分をわたしたちの人間性と結びつけ、その愛によってわたしたちを造り変えるかたであり、わたしたちのために開かれ、御父へとわたしたちを導く門です(ヨハ10・9参照)。
そして、キリストと一つに結ばれたわたしたちも、この霊的な建物を造り上げる生きた石です(一ペト2・4-5参照)。わたしたちは、キリストの教会であり、キリストのからだです。霊的な礼拝を通じて、世にキリストのあわれみと慰めと平和の福音を広めるように招かれた、キリストのからだの部分です。この霊的な礼拝は、何よりもまず、わたしたちの生活のあかしの中で輝かなければなりません。
兄弟姉妹の皆様。わたしたちはこのような霊的なまなざしによって心を鍛えなければなりません。しばしば、キリスト信者の弱さと誤り、多くの常套句と偏見が、わたしたちが教会の神秘の豊かさを把握することを妨げます。実際、教会の聖性は、わたしたちの功績のうちにあるのではなく、「決して取り去られることのない、主のたまもの」のうちにあります。このたまものは、「逆説的な愛によって、人間の汚れた手さえも、ご自身の現存の器として」(J・ラッツィンガー『キリスト教入門』[Einführung in das Christentum, München 2005, 323])選び続けます。
ですから、神によって選ばれた聖なる民であることの喜びをもって、教会の母であるマリアに祈り求めようではありませんか。わたしたちがキリストを受け入れることができるようにお助けください。そして、あなたの執り成しによってわたしたちとともに歩んでください。
