シノドス研究部会の中間報告 発表

 「バチカンニュース」2025年11月17日によると、2021−24年シノドスで組織された「研究部会」が、その報告書の作成にむけて活動を続けています。最終的な報告書の発表はこれからですが、2025年中に提出されている中間 […]

 「バチカンニュース」2025年11月17日によると、2021−24年シノドスで組織された「研究部会」が、その報告書の作成にむけて活動を続けています。最終的な報告書の発表はこれからですが、2025年中に提出されている中間報告書について、同記事は、次のように伝えています(要旨)。



 教皇フランシスコにより2024年3月に設置された研究部会(当初10部会、その後4部会追加)は、2021−24年の「シノダリティに関するシノドス」の閉会を起点として、これまでに実施された作業に関してそれぞれ「中間報告書」を提出し、シノドス事務局はこれらを昨年11月に発表しています(英語版)。これは、2024年10月のシノドス第2会期中の最初の報告が行われて以来のもので、「最終報告書」を教皇レオ十四世に提出する期限は、2025年末です。

14の研究部会が取り扱うテーマは、以下のとおり。

  1. 東方諸教会とラテン教会との関係のいくつかの側面。
  2. 貧しい人の叫びと地球の叫びに耳を傾けること。
  3. デジタル環境での宣教。
  4. 『司祭養成基本綱要』の、シノドス的で宣教的な観点からの改訂。
  5. 特定の奉仕職の形態に関する神学的・教会法的ないくつかの懸案事項。
  6. 司教・修道者・教会の諸団体の間の関係を規定する文書の、シノドス的で宣教的な観点からの見直し。
  7. 司教のあるべき姿と奉仕職のいくつかの側面(とくに、司教候補者の選定基準、司教の法的機能、使徒座定期公式訪問[アド・リミナ]の性質や実施)を、シノドス的で宣教的な観点に照らすこと。
  8. 教皇代理の役割を、シノドス的で宣教的な観点に照らすこと。
  9. 論争を巻き起こしている教義的、司牧的、倫理的課題の共同識別のための、神学的基準とシノドス流の方法論。
  10. 神の民の間にある、エキュメニカルな歩みの実りを受け取ること。

 当初、各研究部会は、2025年6月末までに教皇へ報告書を提出するよう求められていましたが、教皇フランシスコの逝去、新教皇の選出、そして作業にさらなる時間を要したことから、期限延長となりました。レオ十四世は延長を認め、「可能な限り」2025年12月31日までに最終報告書を提出するよう要請しました。シノドス事務局長のマリオ・グレック枢機卿は付随する文書で「現在、作業を終えつつあるグループもあれば、今後数カ月間継続するグループもある」と記しています。

第1部会:東方教会との関係
 聖職位階を欠くディアスポラ(離散)の東方教会信者の司牧に焦点を当てています。展開しようとする主題として、東方教会法典の改訂の可能性が含まれます。

第2部会:貧しい人々と地球の叫び
 これまでに作成された報告書には司教、神学者、司牧従事者からの提案がまとめられています。また、世界の女子修道会から200件以上の意見を集め、オーストラリアからは、障害者の教会生活への参加について対話を行いました。

第3部会:デジタル環境での宣教
 聖座代表、神学者、コミュニケーション専門家、学識者や、84の司教協議会広報局に意見を求めました。企画を通じ67カ国から集まった1,618人の「デジタル宣教師」の体験も収集。教皇庁未成年者保護委員会との対話も実施。三つのテーマ別作業部会が設置。聖年期間中のカトリックインフルエンサーの祝祭で得られた成果も反映されます。

第4部会:『司祭養成基本綱要』の改訂
 本『綱要』は「まだ受け入れの過程にある比較的新しい文書」であり、現在、各国別の綱要を準備中。全面的な改訂は適切とは考えられない段階です。今回の改訂には、次のようなニーズがあると考えています。「神の民の生きられた経験により深く根ざした」養成の必要、「信徒、修道者、聖職者、神学生がともに参加する養成の機会」「聖職者養成における女性と家族のより大きな参加」。こうした状況で、『綱要』の準備段階の文書の起草を検討しています。これには、ソーシャルネットワークやAIの課題、神学校の体制構築などといったシノドスでの提言も反映させます。

第5部会:女性の教会生活への参加
 シノドス事務局の指示に沿い、教理省は「女性の教会生活と指導層への参加」という特定テーマに関する最終報告書の起草を進めています。具体的に報告書は、教会の指導層に参加する女性、また教皇庁で働く女性の証言、聖職者主義や男性優越主義に関する批判的論点など、7分野に分類されます。また教皇フランシスコと教皇レオ十四世による、女性の役割に関する寄稿も含まれます。「女性助祭職」問題に関しては、教皇フランシスコが研究委員会の活動を再開し、シノドスからの意見は、同委員会に送付されました。

第6部会:司教、修道者、教会諸団体の関係
 三つのテーマ、司教と修道者との関係、司教協議会と総長管区長会との関係、教会諸団体と各地方教会との関係、に分かれ分析しました。最終段階では、男女の修道会総長連合および所管の教皇庁の意見も聴取されます。

第7部会:司教の姿と奉仕職
 司教職候補者の選定基準(当該地域の司教および信徒の参加を含む)、司教の初期養成および生涯養成、司教の司法的権能、使徒座公式訪問(アド・リミナ)の性質と実施方法を軸に、作業を進めています。司教職候補者の選出に関する件では、教皇フランシスコより、「司教省および福音宣教省の管轄区域内における司教任命手続きに関する」大使館宛ての「機密指示書の審査権限」文書を受け取っています。その他、教会内外からの意見を広範に聴取し、いくつかの点で合意に至りました。

第8部会:教皇代理の役割
 「教皇代理の職務が…より宣教的かつシノダリティの視点で展開される方法」を検討する任務にしたがい、シノドス出席の司教協議会会長と、また各国の教皇大使との会合、各国司教協議会会長や各国駐在の外交官に意見・提案を募りました。それらを精緻化、分析し、共有する段階です。重点分野として、外交官養成機関(アカデミア)の候補者選抜プロセスとその内容、外交官の初期勤務段階における支援、教皇代理間の地域別会議、退職後のケアなどが挙げられます。

第9部会:論争を巻き起こしている教義的、司牧的、倫理的課題
 「イエス・キリストの福音に文脈的に忠実な思考の転換と実践の変革」を出発点とし、「同性愛」「紛争と福音の非暴力実践」「武力紛争下における女性への暴力」など、新たな課題にも取り組みました。報告書は、目的が「あらゆる事例に適用可能な解決策を提供することではなく、むしろ参照基準を示すこと」であると明記しています。その視野は「司牧の原則」、すなわち「他者の主体性を認め促進すること、対話者に対する寛容と責任の態度を伴わなければ、神の福音の宣教はあり得ないという論理」にあります。

第10部会:エキュメニカルな歩み
 シノダリティとキリスト者の一致は相互に依存する二つの主題です。三つの課題に照らして歩みの成果を探求しました。つまり、シノダリティとペトロ的首位権、とくに混宗婚夫婦や家族に焦点を当てたエウカリスチアにおける受容性、「特定教派に属さない」共同体やキリスト教に触発された「リバイバル運動」現象です。神学的・司牧的枠組みを構築した後、関係各団体等と協議中です。

追加部会:教会法委員会
 これまでの会合で、信徒/女性、司教協議会/部分教会会議、参加型組織といったテーマを扱ってきました。現行法規の改正可能性についても検討が進められています。

追加部会:一夫多妻制
 専門家が、「一夫多妻制に関する神学的・司牧的な識別を促進し、信仰に近づく一夫多妻関係にある人々を伴走する方法」について考察しています。中心的な問いは、「福音に照らして、一夫多妻関係にある人々に対して適切な司牧は何か」「キリスト者が一夫一婦制の結婚を受け入れることを支援する司牧的取り組みとは何か」です。すでに作成された予備文書を改訂中です。

追加部会:シノダリティの視点における典礼
 今回初めて成果を発表します。検討課題の一つとして、「とくに女性が救いの歴史における役割に関する聖書の証言を典礼用聖書朗読集で強調するなど、女性が依然として差別に苦しむ状況において、女性の役割の認識を促進する方法」が挙げられています。

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