世界代表司教会議第16回通常総会 第1会期「まとめ」報告書の関連課題に関する研究部会 シノドス流の教会:交わり、参加、宣教 第3部会 デジタル環境での宣教 報告概要 (原文:英語) 神は、洗礼を受けたすべての人が福音を […]
世界代表司教会議第16回通常総会
第1会期「まとめ」報告書の関連課題に関する研究部会
シノドス流の教会:交わり、参加、宣教
第3部会
デジタル環境での宣教
報告概要
(原文:英語)
神は、洗礼を受けたすべての人が福音を告げ知らせるよう招き、この宣教の使命をすべての人に託しています。宣教するわたしたちの教会において、それぞれのカリスマは歴史の中で発展し、さまざまな時代や文化の必要に応えてこの使命を実践してきました。いまや教皇の通常教導職の一部となった、世界代表司教会議第16回通常総会『最終文書』は、現在の歴史状況において、デジタル環境を一つの文化として認識し、その文化は、独自の力学、言語、交流の仕方をもっているのです。この観点から、今回のシノドスは、「デジタル文化は、現代文化における教会のあかしにとって重要な側面を担うとともに、新たな宣教の分野になりつつあります」と明言しています(『最終文書』149項)。
洗礼を受けたわたしたちは皆、その特性に応じた宣教手段を用いて、この環境の中で出会う人々に福音を伝えるよう招かれています。その機会を活用しながら、課題やリスクに真正面から向き合うのです。
教皇レオ十四世は、前任者が切り開いた道を継承し、「デジタル宣教者とカトリック・インフルエンサーの祝祭」参加者に対し、「SNSやオンライン空間において、キリスト教的希望を育てる取り組みを新たにする」よう呼びかけました1。教皇レオは次のように述べています。「わたしたちは復活したかたのたまものを世界にもたらす、宣教する弟子を必要としています。イエスが与える希望を地の果てにいたるまで告げ(『使徒言行録』1・3−8参照)、待ち望む心、探し求める心、必要とする心のあるところへどこへでも赴く弟子です。……オンラインで出会うすべての兄弟姉妹のうちに、つねに『キリストの苦しむからだ』を探してください」2。教皇は同様に、強調しています。「わたしたちは、福音化するためにデジタル・プラットフォームをどのように活用し、共同体をどう形成し、消費主義、権力、自己充足といった偽りの神々にどう立ち向かうかを識別する必要があります」3。
2度の総会を通じて今回のシノドスは、このデジタル時代において、どのようにすれば教会の使命を最大限、実現できるかを理解すべき、という要望が高まっていることを見出しました。この課題は、シノドス第16回通常総会第1会期のまとめ「報告書」第17章で詳述されており、また『最終文書』58、59、113、149項で、より明確に言及されています。
第3部会は、教会のデジタル宣教が着実に前進するための具体的方法を特定する役割を託されました。わたしたちの取り組みでは、デジタル環境と現実の環境が社会生活のあらゆる領域、とりわけ若者の間で密接に結びつく現代において、教会がイエス・キリストの福音を、すでにどうあかししており、またより効果的にどうあかしし続けられるかに焦点を当ててきました。このデジタル革命は、時代を画する変革の中心に位置しており、この新たな文脈の中でわたしたちが忠実に応答し、福音の使命を果たすよう課題が投げかけられているのです4。
この要請に則り、当部会は、諸問題5への取り組みを模索しました。それらは、デジタル環境の中で教会が学び、かかわり、その使命を推進する方法について、シノドス事務局によって6提示された問題です。当部会は、教会が継続的に耳を傾け対話することに取り組んでいる姿勢を反映して、これらの問題を世界中の多様な団体や個人と共有してきました。
こうした広範な意見聴取を経たとしても、わたしたちの結論は暫定的なものであることをはじめから認識しておくことは重要です。教会は、デジタル環境に、そのはじめから関与してきましたが、あらゆる教会レベルでこの関与を促進するには時間を要します。デジタル技術が進化を続ける中、教会がその使命をどのように生きるべきかを識別することは継続的取り組みであり続け、完遂した働きとはなっているわけではありません。
同時にわたしたちは、徹底したシノドスの意見聴取と耳を傾ける取り組みを通じて多くのことを学びました。本報告書は、デジタル技術と絶え間ないイノベーションを特徴とするこの時代に見られる、現行の数多くの宣教の表現を明らかにし、そこから、これまでに得られた貴重な教訓を引き出しています。これらの洞察に基づき、教会が、このデジタル世界において福音をのべ伝える使命を前進させ続け、その宣教史における、この新たな章を歩み続けることができるための、具体的な提案を示します。提案は、五つのテーマから成っています。
- まず、デジタル環境は単に習得すべきツールの集合体ではなく、一つの文化そのものです。このことを理解するには、ますますデジタルを介すようになる世界において、わたしたちが互いにどのようにかかわり合い、どのように共同体を形づくり、そして最終的に、どのように福音を共有するかを理解することが必要です(『最終文書』113a項参照)。
- 第2に、デジタルとかかわることで、声が聞き入れられない人びとに耳を傾け、寄り添い、その声を届けることが可能となり、それが教会の社会的使命を表現するものとなります。デジタル環境は、人々が真に神を探し求め、深い霊的ニーズを表明する場となりうるという話をわたしたちは繰り返し耳にしてきました(『「まとめ」報告書』17b項参照)。したがって、これは教会の社会的使命を実践する道であり、貧しい人の優先的選択の新たな次元となりうるのです。
教皇フランシスコが語る「野戦病院」という教会像、つまり周縁へと出向いていく教会の姿は、デジタル環境における宣教者たちの働きにも反映されており、苦しむ人びとに応える用意ができています。そこでデジタル空間は、単なる情報交換の場ではなく、真に人間的なつながりの場となりうるのです。最善の形でデジタルとかかわることは、対面での出会いを代替することではなく、むしろ出会いへと導き、関係性と共同体を豊かにします。教皇レオが強調するとおり、「わたしたちの――皆さんの――使命は、キリスト教的ヒューマニズムに基づく文化をはぐくむこと、しかもそれを共同で行うことです。これこそがわたしたち皆にとってのすばらしい『ネットワーク』です」7。- 第3に、このデジタル文化においては、あらゆる異文化間の奉仕職に注がれるのと同様の志向性、養成、宣教精神が求められます。歴史を通じて宣教師たちが、福音の完全性を保ちつつ、言語を学び、習慣を理解し、その取り組み方を適応させてきたように、洗礼を受けたすべての人はこの新たな文化の中で、カトリック信仰の真、善、美に根ざしつつ、塩、パン種となるよう招かれています(『最終文書』59項参照)。
- 第4に、最善の形でデジタルとかかわることは、必然的にシノダリティの諸要素、つまり、耳を傾け、参加し、責任を分かち合うことを促進します。最善の形でオンラインにかかわることで、異なる背景、地理上の区域、視点を有する多様な声――とりわけ従来型の教会状況では、多くの場合、周縁に追いやられる声――に耳を傾けるという、これまでになかった機会を提供します。最善の形のデジタル文化は、種々のネットワークを束ねるネットワークとしての、教会自身のアイデンティティの一端を反映し、キリストのからだである教会の特質である、多様性の中の一致を示すことができるのです(『最終文書』149項参照)8。
- 第5に、デジタル環境は同時に、大きな課題をもたらします。それは重大なリスクを伴い、アルゴリズムによって形成されるため、わたしたちを「エコーチェンバー」に閉じ込め、操る可能性があります。それは、人びとの注目を収益化し、行動を監視するビジネスモデルによって引き起こされますし、交わりではなく、分断を助長し、虚無主義や暴力を引き起こしうる力学によっても引き起こされます。つながりを可能にするプラットフォームは、同時に、非人間化をも可能にします。だからこそ、デジタル時代において、わたしたちは信仰を、人と対面する共同体の中で、秘跡によって養われながら、成熟した、祈りに満ちた形で生きることが求められています。さらに、人間の尊厳を尊重し、真の出会いを促進し、愛のうちに真理をあかしする、対面とデジタル双方による交流を育てることが求められているのです。これはとりわけ、最初にオンラインで信仰に出会うことの多い若者にとって、そうなります。教皇レオ十四世が警告するように、デジタル空間のみで見出される信仰は「実体のない」状態に留まり、現実の人間関係や教会生活に決して根ざすことがなく、アルゴリズムによって作られた孤立の中で、個々人が「独りきり」となる危険があります9。
これら意見の合致点は、各国司教協議会、シノドスの歩みにかかわる人びと、学者や専門家、若者、そしてデジタル宣教に意識的に取り組む人びとを含む、多くの個人や団体に耳を傾け対話するという、シノドス流の働きの結果です。こうしたシノドスによる意見聴取は、より具体的な一連の洞察や提言を生み出し、それらを詳細にまとめたものが、「最終報告書」となっています。
他の新たな歩みと同様、デジタル環境において共有された使命もまた、現在進行中の旅路です。教会は、この新たに生まれる文化がもたらす課題、機会、言語を、その歩みの中で学んできています。「デジタル宣教」「オンライン・シノダリティ」「管轄権」「デジタルによる同伴と識別」といった概念については、その神学的、司牧的、教会法的な意味を明らかにするために、より深い研究が必要です。また、こうしたデジタル宣教に携わる人々の養成と巻き込みについても、継続的な検討が求められます。この学びと識別の歩みは、それ自体、シノドス的体験であり、わたしたちはともに歩みながら、聖霊がどのように教会を導き続けるのかを識別し、誠実さと創造性をもって福音を具現化させ、デジタル文化を出会い、あかし、交わりの場へと作り変えていくのです。
デジタル環境における宣教は、聖霊が今日、教会に求める司牧的、宣教的、シノドス的な回心の歩みの一部です。それは単にデジタルツールを用いて福音を告げ知らせるということだけではなく、デジタル環境における文化変容の中で、こうした福音の告知を具体化することです。そこでは、共同体の関係性、言語、形態が、新たな、独自の姿をとっています。デジタル領域における教会の存在は、交わりのしるし、希望のあかしとなり、いつくしみに満ちたキリストのみ顔を映し出しうるものです。どうかこの識別が、よりシノドス的で、参加型で、宣教する教会を強めていく一助となりますように。その教会は、創造性と信仰心をもって、福音を告げ知らせる召命に忠実なのです。
【参考】 第3部会「最終報告書」(英語)――目次
第I部 – はじめに
第II部 – 聞き取ったもの、それが意味するところ、わたしたちの提言
- デジタル環境へより深く関与することで、宣教するシノドス流の教会は何を学ぶことができるでしょうか。
- 聞き取りした内容
- これが示唆するもの
- 提言
- デジタル宣教を、教会生活や教会組織に、より日常的に統合するにはどうすればよいでしょうか。
- 聞き取りした内容
- これが示唆するもの
- 提言
- 主に地理的領域に結びついた管轄権の概念は、デジタル環境にどう適応する必要があるでしょうか。
- 聞き取りした内容
- これが示唆するもの
- 提言
- デジタル環境における教会の宣教に関し、どういった実践的提言、提案があるでしょうか。
- 聞き取りした内容
- これが示唆するもの
- 提言
- このテーマに関して、その他の情報や共有すべき優れた実践例があるでしょうか。また、今後の研究過程において、取り組むべき課題や疑問がありますか。
- 聞き取りした内容
- これが示唆するもの
- 提言
第III部 – 今後の取り組みに関する提案
- 聖座レベルでの提案
- 司教協議会レベルでの提案
- 教区レベルでの提案
第IV部 – 結論
付録 I – 方法論
グループ構成とアプローチ
段階的なシノドスの歩み
テーマ別の作業グループ立ち上げ
2025年3月 対面でのシノドスの集い
2025年夏 聞き取りのセッション
学際的洞察と文化的多様性
前進のための道としてのシノダリティ
