日本国内閣総理大臣 海部 俊樹 様 私どもは日本のカトリック教会の指導責任を負う「日本カトリック司教協議会」会員 ですが、人道上の見地から、下記の件につきまして、日本政府としてのご尽力お願い申 し上げたく、ここに一筆啓 […]
日本国内閣総理大臣
海部 俊樹 様
私どもは日本のカトリック教会の指導責任を負う「日本カトリック司教協議会」会員 ですが、人道上の見地から、下記の件につきまして、日本政府としてのご尽力お願い申 し上げたく、ここに一筆啓上させていただきます。
1.中国政府が、先の天安門事件において、またそれ以降、逮捕・連行・拘留した人々を公正に取扱うよう働きかけていただきたい。また、滞日中国人たちが不当に取り 扱われることのないよう働きかけていただきたい。
2.カトリック教会は、いままでインドシナ難民の一時滞在や定住、出稼ぎ外国人労働 者の生活・就労条件の改善に対し、微力を尽くしてまいりました。それは、この地球はそこに住むすべての人のために等しく神から与えられたものであるとの信念からです。
今、「不法滞在」や「偽装難民」が問題視される状況の中で、日本政府は、国家や 国法を絶対視する立場に固執することなく、関係国、関係諸国際機関との協力のも とに、苦しむ人々が一日も早く安住の地を見出だせるようご尽力いただきたい。
3.香港のカトリック教会指導責任者の報告によれば、香港の中国帰属を数年後に控えて、ただでさえ不安のなかにあるところへ、天安門事件の新しい情勢が加わり、その不安が高まっているとのことです。
特に、民間諸施設などの所有権を含めて、信教・思想・集会・出版等の自由がいかに保障されるかについて大きな不安のなかにあります。
これら基本的な人権にかかわる重要事項の保障に関して、日本政府が自らも、また 英国政府を通しても中国政府に働きかけていただきたい。
以上