内閣総理大臣 海部 俊樹 様 私どもは、日本国憲法が定める政教分離の原則が厳守されることを願い、1989年 11月9日、国家行事としての即位の礼と皇室の私的宗教行事である大嘗祭とが混同の 余地を残さぬよう、したがって、 […]
内閣総理大臣
海部 俊樹 様
私どもは、日本国憲法が定める政教分離の原則が厳守されることを願い、1989年 11月9日、国家行事としての即位の礼と皇室の私的宗教行事である大嘗祭とが混同の 余地を残さぬよう、したがって、大嘗祭に国費が使用されないよう要望いたしました。
しかし、政府は、大嘗祭を宗教色はあるが公的性格を持つ皇室行事とした上で、それに国費を支出し、また、三権の長が出席されました。憲法に定められた政教分離の原則 が厳守されなかったことに対して、私どもはここに遺憾の意を表明いたします。
さらに、政府は、即位の礼が国事行為であるにもかかわらず宗教的伝統を導入しまし た。これに対しても私どもは同様の意を表します。
私どもは、かつて日本が、国家と宗教と武力とが一体となり、日本のみならず世界特 にアジアの人々の基本的人権と平和を侵害したとの反省を込めて、憲法に政教分離、主 権在民、戦争放棄を明記したのだと理解しています。
私どもは、政府が憲法のこの基本原則を厳守し、世界平和に貢献されますよう要望いたします。