第1回福音宣教推進全国会議から第2回福音宣教推進全国会議へ

兄弟姉妹である信徒、修道者、司祭の皆さん 司教総会の経過 わたしたち司教団は、12月11日から14日にかけて臨時司教総会を開き、第1回 福音宣教推進全国会議(以下、第1回全国会議と略す)を受けて第2回福音宣教推進全 国会 […]

兄弟姉妹である信徒、修道者、司祭の皆さん

司教総会の経過 わたしたち司教団は、12月11日から14日にかけて臨時司教総会を開き、第1回 福音宣教推進全国会議(以下、第1回全国会議と略す)を受けて第2回福音宣教推進全 国会議(以下、第2回全国会議と略す)を開催することについて協議いたしました。

 まずわたしたちは、第1回全国会議の諸提案への取り組みがどのように行われてきた のか、についての分かち合いをいたしました。そして、司教団においても教区において も、今、さまざまな努力と試みが行われていることを確認いたしました。    次にわたしたちは、司教団の歩みを振り返りながら、第1回全国会議とはどのような 精神と姿勢で行われたものであったかということを確認し、ついで、全国の司祭方から 寄せられた第2回全国会議についての諸意見に耳を傾け、それについて討議を重ねまし た。

 全国の司祭方から寄せられた意見の中には、1990年6月の定例司教総会における 第2回全国会議についての決定に対して、積極的な賛意を表明しているものばかりでな く、疑問や不安を表しているものもありました。その中には、「なぜ『家庭』というテ ーマになったのか分からない」「第1回全国会議への取り組みがやっと始まったばかり なのに第2回全国会議に取りかかるのは早すぎる」「第1回全国会議と第2回全国会議 の関係がよく分からない」などの意見がありました。わたしたちはそのような意見や疑 問の真意について真剣に考えました。

第1回全国会議の確認

第1回全国会議は、日本の教会の福音宣教を推進するために開かれたものです。第2 回全国会議においてもその趣旨に変わりはありません。第1回全国会議は「開かれた教 会づくり」を通して日本の教会の福音宣教を目指しました。第2回全国会議においても 同じ方向を受け継いでいくことが、すでに1990年6月の定例司教総会で確認されて います。しかしまだこの趣旨が、全国の教会に浸透してはいないようです。そのために 前記のような疑問が出されたのではないでしょうか。そこでわたしたちは、まず、ある 期間を設けて、教区をはじめさまざまな教会共同体において、第1回全国会議の取り組 みの分かち合いを行い、また第1回全国会議の精神と方向を確認する必要がある、とい う結論に達しました。わたしたち司教が、昨年からの司教総会において行ったこともま さにこの分かち合いでした。この分かち合いと確認の過程を経てから、次の段階に入り、「家庭」というテーマをどのように扱ったらよいか、についての論議に入りたいと思い ます。    しかし、だからといって日本の福音宣教を推進して行こうというわたしたちの決意に は何ら変わりはありません。わたしたちが望んでいることは、この使命を全国の皆さん とともに手をたずさえて果たして行きたい、ということです。そのためには時間をかけ ることを惜しむべきではないと思います。父なる神のはからいに信頼し、イエス・キリ ストの姿をいつも目の前にしつつ、聖霊の導きに心を開きながら、勇気と希望をもって 前進して行きたいと思います。

家庭から

第1回全国会議以降、「生活から信仰を、社会の現実から福音宣教のあり方を見直し ていこう」という司教団の呼びかけにこたえて、全国の皆さんが「開かれた教会づくり」の課題に取り組んでくださっていることを心から感謝いたします。わたしたちは、第2 回全国会議を準備するにあたって、これまでの教会の歩みを振り返り、いろいろな社会 の現実を見た時、今こそ「家庭」の現実に取り組むべきだと考えました。家庭は人々の 生活そのもの、そして社会の現実がそのまま反映している場だからです。そこで「家庭」こそが第2回全国会議のテーマにふさわしいと考えたのです。

 また、「家庭」からの出発であれば、病気や高齢の方々にも積極的にかかわっていた だけるのではないかと思います。小教区や地区の集まりに参加できずとも、祈りによっ てかかわっていただき、また、手紙や電話によってご意見を寄せていただくこともでき ると思います。特に弱い立場におかれている方々によって、第2回全国会議が支えられ、準備されることをわたしたちは願っております。

降誕祭を前に

今わたしたちは主イエス・キリストの降誕祭を目前にしております。永遠のみことば が人となったという神秘は、わたしたち日本の教会の歩むべき道を指し示しています。 今はまずこの神秘を深く黙想いたしましょう。そしてわたしたち一人ひとりに、幼子イ エスが来てくださるよう、そしてわたしたちの歩むべき道をより明らかにしてくださる よう、心から祈りましょう。

 降誕祭と新年を迎えるにあたり、わたしたち司教一同より、皆さん一人ひとりの上に、 父と子と聖霊の豊かな祝福をお祈りいたします。

付記  この臨時司教総会では、また、第2回福音宣教推進全国会議の開催場所と時期も決定 いたしました。ここにお知らせいたします。

 1、開催時期  1993年秋

 2、開催場所  長崎教区

1990年12月14日
日本カトリック司教団

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