湾岸戦争の避難民移送方法に関する記者会見趣旨

私たち、日本におけるキリストの教会は一致して、この度の湾岸戦争について非常な る痛みを覚え、善意ある世界中の人々とともに、日夜、戦争の終結を祈り続けています。戦争は人間の罪であり、そこには分裂、不信、離別、破壊、腐敗以外 […]

私たち、日本におけるキリストの教会は一致して、この度の湾岸戦争について非常な る痛みを覚え、善意ある世界中の人々とともに、日夜、戦争の終結を祈り続けています。戦争は人間の罪であり、そこには分裂、不信、離別、破壊、腐敗以外は生れず、神から 付与された人間の尊厳は消失します。諸悪の根源である戦争の、一日も早い終結を重ね て訴え、祈ります。

 緊急を要することとして、私たちは戦争のもたらしたひとつの悲劇である湾岸避難民 に目を注いだ結果、神への信頼と人間の良心をもって、次のことを日本政府に提案させ て頂くことに致しました。

1.私たちは、湾岸戦争による避難民救済のためにロイヤル・ヨルダン航空機を借り上げ、それを政府に提供させて頂きますので、避難民および国際移住機構の要望にそって使用して頂きたいこと。

2.私たち航空機借りあげのために、国内数千ケ所の教会、修道院、関連施設を中心に、多くの善意ある人々とともに募金活動を展開致しますので、その趣旨にご賛同賜わりたいこと。

3.自衛隊機派遣に替って、より安全で平和的なこの手段、あるいはこれに類する手段を、政府の名においてご採用賜わりたいこと。                                  

 以上

1991年1月31日
日本カトリック司教協議会
  会 長  白 柳 誠 一

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