新教皇ベネディクト十六世の選出にあたって 日本の皆様 今日、4月19日午後6時（日本時間20日午前1時）前にヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿が新しく第265代教皇に選出されました。新教皇はベネディクト十六世と名乗られます。 […]
新教皇ベネディクト十六世の選出にあたって
日本の皆様
今日、4月19日午後6時（日本時間20日午前1時）前にヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿が新しく第265代教皇に選出されました。新教皇はベネディクト十六世と名乗られます。
新しく教皇となったラッツィンガー枢機卿は、1927年にドイツで生まれ、1951年に司祭叙階。ボン、ミュンスター、チュービンゲン、レゲンスブルクの諸大学で神学を教えた後、1977年にミュンヘン・フライジングの大司教に任命され、同年枢機卿に親任されました。1981年から教皇庁教理省長官を務めました。
カトリック教会は、1962年から1965年まで開催された第２バチカン公会議が示した指針に基づいて、諸宗教との対話と協力、カトリック以外のキリスト教各派との一致の推進（エキュメニズム）、現代世界の諸問題との取り組みなどを進めてきました。これからのカトリック教会の歩みも、この公会議を基盤とすることにおいて変わることはありません。
新教皇とともに、教会は、現代世界のさまざまな問題に直面しなければならないことを自覚しています。たとえば、グローバル化のもたらす、未曾有の深刻な経済格差の是正。貧しい人、子ども、難民、女性の権利の擁護。受胎から自然死に至るまでのいのちを守ること。テロリズムの時代の中で、正義と人権、平和を実現するために献身すること。宗教間の対話。人間のための環境保護。エイズをはじめとした新たな病気の脅威に対する医療・保健活動。そして、移住者への奉仕などです。教会は、国際レベルでも、国内レベルでも、諸宗教を信じる人々とともに、すべての国、国連、国際機関、そしてすべての善意の人々との協力のうちに、これらの課題と取り組んでいこうとしています。
前教皇の逝去、葬儀、そして新教皇の選出に至るまで、世界中の人々が教会に大きな関心を寄せてくださったことを感謝しております。そして、新教皇とともに始めるカトリック教会の新たな歩みに、これまでと変わることのないお力添えをいただきたく心からお願いいたします。