日本カトリック司教協議会  会長 野村 純一 メッセージ キリストを信じる皆様

新教皇ベネディクト十六世の選出を祝って キリストを信じる皆様  今日、4月19日午後6時(日本時間20日午前1時)前にヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿が新しく第265代教皇に選出されました。新教皇はベネディクト十六世と名乗ら […]

新教皇ベネディクト十六世の選出を祝って

キリストを信じる皆様

 今日、4月19日午後6時(日本時間20日午前1時)前にヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿が新しく第265代教皇に選出されました。新教皇はベネディクト十六世と名乗られます。
  わたしたちは新教皇の選出を心から喜ぶとともに、新しい教皇を与えてくださったことを、神に感謝したいと思います。4月2日に教皇ヨハネ・パウロ二世が逝去されてから、使徒座空位が続く間、わたしたちは神のもとに召された教皇の永遠の安息を祈るとともに、主がわたしたち神の民のために新しい牧者を遣わしてくださるよう祈ってきたからです。
新しく教皇となったラッツィンガー枢機卿は、1927年にドイツで生まれ、1951年に司祭叙階。ボン、ミュンスター、チュービンゲン、レゲンスブルクの諸大学で神学を教えた後、1977年にミュンヘン・フライジングの大司教に任命され、同年枢機卿に親任されました。1981年から教皇庁教理省長官を務めました。新教皇が、その学識と、これまでの牧者としての豊かな経験に基づいて、これからの教会を力強く指導してくださることをわたしたちは確信しています。神がこの新教皇をつねに力づけ、必要なすべての助けを与えてくださるよう祈りたいと思います。
 わたしたちの教会には、すでに第2バチカン公会議という偉大な賜物が与えられています。諸宗教との対話と協力、エキュメニズム、教会の現代世界との対話など、第2バチカン公会議の示した方針は、この40年の間に着実な実りを結んできましたし、これからもわたしたちの歩みの基盤であり続けます。
いま、わたしたちは現代世界のさまざまな問題に直面しています。宗教信仰への誤解や理解の足りなさ以外にも、2001年に開かれた第10回世界代表司教会議(シノドス)を受けて2003年に出された前教皇の使徒的勧告『神の民の牧者』はそのいくつかを取り上げています。すなわち、グローバル化のもたらす、未曾有の深刻な経済格差の是正。貧しい人、子ども、難民、女性の権利の擁護。受胎から自然死に至るまでのいのちを守ること。テロリズムの時代の中で、正義と人権、平和を実現するために献身すること。宗教間の対話。人間のための環境保護。エイズをはじめとした新たな病気の脅威に対する医療・保健活動。そして、移住者への奉仕です。
 このような多くの問題に直面して、わたしたちの希望であるキリストを告げ知らせることが、これからの教会の課題です。
 わたしたちも新教皇のために祈るとともに、神の国の建設のために力を尽くしていきたいと思います。そして、新教皇のために、聖霊の導きを祈り、教会の母である聖母マリアに取り次ぎを願いましょう。

キリストにおいて

日本カトリック司教協議会会長
名古屋教区司教 アウグスチヌス 野村純一

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