教皇ベネディクト十六世のワールド・ユース・デー・シドニー大会に向けた呼びかけ

7月4日(水)午前10時30分からパウロ六世ホールで行われた一般謁見の中で、教皇ベネディクト十六世は、来年2008年7月15日から20日まで開催される第23回WYD(ワールド・ユース・デー)・シドニー大会を準備する青年への呼びかけを行いました。呼びかけは次の通りです(原文は冒頭がイタリア語、ついで英語)。


わたしは今、約1年後にシドニーで開催されるワールド・ユース・デー世界大会に思いを致します。ここにおられる若者の皆様、また、この喜ばしい信仰の集会を準備している世界のすべての若者の皆様に、わたしは今、心からのごあいさつと、強い励ましのことばを英語で申し上げます。(以上イタリア語。以下、英語)

親愛なる若者の皆様。
  今から1年後に、わたしたちはシドニーでワールド・ユース・デーの集会を行います。わたしは、このすばらしい信仰の祭典をよく準備されるよう、皆様を励ましたいと思います。皆様はこの祭典を皆様の司教、司祭、修道者、リーダー、そして皆様一人ひとりとともに行うからです。小教区の生活に完全なしかたでかかわり、教区の行事に熱心に参加してください。こうして皆様は来年の7月にシドニーに集まるとき、わたしたちが信じているすべてのことがらに関して新たな深い理解を得るための霊的な準備ができます。
  「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、地の果てに至るまで、わたしの証人となる」(使徒言行録1・8)。ご存じのとおり、このイエスのことばがワールド・ユース・デー2008のテーマです。使徒たちがこのことばを聞いて何を感じたか、わたしたちは想像することしかできません。しかし、彼らの動揺が、畏れと、霊の到来への熱い期待によってやわらげられたことは間違いありません。二階の広間に集まり、マリアや他の人びとと心を合わせて祈りながら(使徒言行録1・14参照)、使徒たちは霊のまことの力を経験しました。ともにいてくださる霊は、不安や恐れや分裂を、決意と希望と交わりへと変えるからです。
  畏れと熱い期待は、シドニー大会を準備するわたしたちの気持ちを表すことばでもあります。わたしたちの多くにとって、シドニー大会への道は長い旅路となります。しかし、オーストラリアとオーストラリアの人びとは、温かい歓迎と美しい自然、古くからのアボリジニ(先住民)の歴史や、生き生きとした都市また共同体をわたしたちに思い描かせてくれます。わたしはすでに教会と政府当局の皆様が数多くのオーストラリアの若者の皆様とともに、わたしたち皆が特別な体験をすることができるよう尽力しておられることを知っております。わたしはこの人びとに心から感謝申し上げます。
  ワールド・ユース・デーは単なる行事以上のものです。それは深い霊的刷新の時です。この霊的刷新の結果は、社会全体の益となります。巡礼者の若者たちは、祈り、みことばと聖体で養われ、聖霊によって造り変えられたいという望みで満たされています。聖霊は驚くべき人間の魂を照らし、「キリストから流れ出る愛のしるしと道具になる」(教皇ベネディクト十六世回勅『神は愛』33)ための道を示してくれるからです。
  世界はこの愛に、すなわちキリストの愛にあこがれています。それゆえ皆様は多くの人びとから「証人となる」よう求められています。皆様の友人の中には、人生の本当の目的をもたず、きりのない新しい体験をむなしく求めることに熱中している人がいるかもしれません。このような友人もワールド・ユース・デーに連れてきてください。実際、わたしは、多くの若者が、世俗主義の流れに逆らいながら、真の美と善と真理への着実な探究にあらためて取り組んでいることを知っています。皆様はそのあかしによって、若者たちが神の霊を探究するのを助けます。勇気をもってあかしを行ってください。わたしたちを導くキリストの光を広めるよう努めてください。キリストの光はすべての人生に目的を与え、すべての人に約束された永遠の喜びと幸福を与えます。
  親愛なる若者の皆様。シドニーでお会いするまで、主が皆様すべてを守ってくださいますように。わたしたちの準備を、キリスト信者の助けである南十字星の聖母に委ねようではありませんか。聖母とともに祈ろうではありませんか。「聖霊来てください。信者の心を満たしてください。あなたの愛の火をわたしたちの心に燃えさせてください」。

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