「船員の日」 メッセージ 2007年

教皇庁移住移動者司牧評議会は、7月8日(7月の第2日曜日)を「船員の日」(Sea Sunday)と定め、世界中の信徒に船員たちのために祈るよう呼びかけています。日本カトリック難民移住移動者委員会も船員たちとその家族のため […]

教皇庁移住移動者司牧評議会は、7月8日(7月の第2日曜日)を「船員の日」(Sea Sunday)と定め、世界中の信徒に船員たちのために祈るよう呼びかけています。日本カトリック難民移住移動者委員会も船員たちとその家族のために祈るよう、皆様に呼びかけます。

船員の日2007ポスターイメージ さて、今年のポスターは七福神をイメージしたものです。「カトリック教会なのに神々のポスターを作るとは何事だ」と怒られそうです。そこで、なぜ七福神なのかを少し説明しましょう。七福神の神々のうち大黒(だいこく)・毘沙門(びしゃもん)・弁才(べんざい)はインドのヒンドゥー教、布袋(ほてい)は中国の仏教、福(ふく)禄(ろく)寿(じゅ)・寿(じゅ)老人(ろうじん)は中国の儒教からきています。この6人の神々に日本の恵比寿(えびす)が入っています。いかにも日本らしい神仏習合的な信仰です。しかし、実にインターナショナル(国際的)ではありませんか? しかも、七福神は船に乗って、宝と書かれた俵を積んでいるのです。日本は17世紀から鎖国時代にはいりますが、それ以前はペルシャから中国にいたる多くの国々との間に、船による貿易、豊かな交流がありました。アジア各地に日本人街もできていたほどです。この貿易は経済的な豊かさをもたらしたばかりでなく、多くの文化的な豊かさももたらしました。なにしろ、インドや中国の神々が日本の神々と一緒になって、船に乗っているくらいですから。七福神は豊かさをもたらす船員のシンボルだったとも言えるでしょう。

 さて、現代はどうでしょう。私たちの生活物資の90%は海外からの輸入でまかなわれ、その99%は船に頼っています。昔以上に、船員たちの労働に頼っていることになります。しかし、船員たちと私たちとの間に人間的な交わりや文化的な交流はどの程度あるのでしょうか。船員のことに心を配ることはあるでしょうか? 確かに、経済的な理由から船員たちの上陸時間は短くなり、港での憩いのひと時もままなりません。だからこそ、そのひと時を応援するために、船員司牧(AOS)が必要なのです。そして、離れ離れで生活せざるを得ない船員とその家族のために、サポートし、祈る必要があるのです。

 厳しい環境の中で働いている船員たちのために祈ってください。かれらが私たちの生活を根底で支えていることに感謝し、彼らの航海の安全と家族の幸せを神に祈ってください。そして、関心のあるかたは、当委員会またはAOS(Apostleship Of the Sea)に連絡をとって、一緒に活動に参加してください。

2007年7月8日
日本カトリック難民移住移動者委員会
委員長 谷 大二(さいたま司教)

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