聖ヨハネ・マリア・ビアンネをたたえて開催される「司祭年」に行う霊的なわざに与えられる特別免償に関する教皇庁内赦院教令 (ローマと全世界へ)

 教皇庁内赦院は、5月12日、聖ヨハネ・マリア・ビアンネ(1786-1859年)の没後150年を記念して開催される「司祭年」(2009年6月19日~2010年6月19日)に際して与えられる特別免償についての教令を発布しました。この教令は、司祭年の開催を機会に、定められた条件を満たした者に免償を与えることを定めたものです。以下は教令の全訳です(原文ラテン語)。
  免償とは、罪科としてはすでに赦免された罪に対する有限の罰の神の前におけるゆるしです。キリスト信者はふさわしい心がまえを有し、一定の条件を果たすとき、教会の助けによってこれを獲得します。免償は、罪のために負わされる有限の罰からの解放が部分的であるか全体的であるかによって、部分免償および全免償とに分けられます(教会法992~993条、『カトリック教会のカテキズム』1471、『カトリック教会の教え』220~221頁参照)。

  アルスの教区司祭、聖ヨハネ・マリア・ビアンネの帰天150周年を記念する日が近づいています。聖ビアンネは地上にあって、キリストの民に奉仕するまことの司牧者のすばらしい模範でした。
  聖ビアンネの模範は、信者、特に司祭をその美徳に倣うよう駆り立てるにふさわしいものなので、教皇ベネディクト十六世はこの機会に、2009年6月19日から2010年6月19日まで全教会で特別な「司祭年」を行うことを定めました。それは、この「司祭年」の間、司祭が、敬虔な黙想と聖なるわざとその他のふさわしい行いによって、キリストへの忠実をますます強めるためです。
  この聖なる年は「世界司祭の聖化のための祈願日」であるイエスのみ心の祭日から始まります。この日、教皇は、ベレイ・アルス司教によってローマに運ばれた聖ヨハネ・マリア・ビアンネの聖遺物の前で晩の祈りを司式します。教皇はまたサンピエトロ広場で、キリストへの忠実と兄弟愛の絆を新たにするために全世界から来た司祭とともに司祭年を終えます。
  それゆえ司祭は、祈りとよいわざをもって、永遠の大祭司キリストから恵みを得るよう努めなければなりません。それは、信仰・希望・愛とその他の美徳を輝かせ、生活態度や服装においても、民の霊的善益のために完全に献身していることを示すためです。民の霊的善益こそが教会が何よりも常に心にかけることだからです。
  このような目指す目的をいっそうよく果たすことができるために、免償の恵みが大いに助けとなります。内赦院は、教皇の望みに従って発布されるこの教令をもって、司祭年の間、この免償の恵みを与えます。

 A.司祭は、心から痛悔し、毎日敬虔なしかたで少なくとも朝の祈りと晩の祈りを、顕示されているか聖櫃の中に置かれた聖体の前で唱え、聖ヨハネ・マリア・ビアンネの模範に従って秘跡、特にゆるしの秘跡を寛大な心で進んで行うなら、「全免償」を与えられます。この「全免償」は、死者のための祈りの形で、亡くなった兄弟にも与えることが可能です。ただし、法の定めに従い、ゆるしの秘跡を受け、聖体拝領にあずかり、教皇の意向のために祈ることが必要です。
  さらに司祭は、聖なる生活を送り、自分にゆだねられた務めを聖なるしかたで果たすことができるよう、ふさわしいしかたで認可された祈りを敬虔に唱えるたびに、「部分免償」を与えられます。この「部分免償」も亡くなった兄弟に与えることが可能です。

 B.すべての信者は、心から痛悔し、次に定める日に、教会堂ないし礼拝堂で敬虔にミサにあずかり、司祭が聖化され、キリストのみ心に従って形づくられるように、教会の司祭のために永遠の大祭司であるイエス・キリストに祈りをささげ、何らかの善行を行うならば、「全免償」が与えられます。すなわち、司祭年が開始また終了する日、聖ヨハネ・マリア・ビアンネの帰天150周年の日、月の第一木曜日、ないし信者の利益のために地域裁治権者が定めた他の日です。ただし、ゆるしの秘跡によって罪をつぐない、教皇の意向に従って祈りをささげることが必要です。
  司教座聖堂または小教区において、司祭年の敬虔なわざを公けに指導するための司牧を担当する司祭が、ミサをささげ、信者のためのゆるしの秘跡を行うのはきわめてふさわしいことです。
  高齢者、病人、また正当な理由により外出することができない人も、罪から離れようとする心をもち、できるかぎり早く自宅ないし支障のない場所で通常の三つの条件を満たすことを望むならば、同様に「全免償」を与えられます。ただしそのために、上記の定められた日に、司祭の聖化のための祈りを唱え、使徒の元后であるマリアを通じて、神への信頼をもって、自分の病気と困難をささげる必要があります。
  最後に、すべての信者は、司祭が清さと生活の聖性を保つことができるように、イエスのみ心をたたえて、「主の祈り」と「聖母マリアへの祈り」と「栄唱」ないし他のそのために認可された祈りを5回唱えるごとに「部分免償」を与えられます。

 この教令は「司祭年」の期間中においてのみ効力を発します。対立する規定類がある場合、本規定が優先します。

 ローマ、教皇庁内赦院事務局にて、
  主の受肉から2009年4月25日、聖マルコ福音記者の祝日に

(カトリック中央協議会事務局 訳)

内赦院院長
ジェームズ・フランシス・スタッフォード枢機卿
事務局長、メタ名義司教
ジャンフランコ・ジロッティ 
(コンベンツアル聖フランシスコ会)

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