「船員の日」 メッセージ 2013年

「見えない船員」に思いを寄せて  夏の訪れとともに、今年も「船員の日」を迎えます。子どもたちにとって海は楽しい、あこがれの場所であり、大人にとっても眺めるだけで心が和む場所です。島国である日本において海は、身近で生活の一 […]

「見えない船員」に思いを寄せて

 夏の訪れとともに、今年も「船員の日」を迎えます。子どもたちにとって海は楽しい、あこがれの場所であり、大人にとっても眺めるだけで心が和む場所です。島国である日本において海は、身近で生活の一部でもあると言えるでしょう。
 実際、日本の場合、私たちが生活する上で欠くことのできないあらゆる日用品の99%が、そして日本の輸入全体の99.7%が「みなと」を経由していると言われています。
 また、船に乗って仕事をする漁師の人たちも含めて、どれほど多くの人たちが海で、船で、また港で働いていることでしょうか。それほど私たちの生活と結びついているにも関わらず、その仕事をする人たちのことを考える機会はほとんどなく、また彼らの働きも見えてきません。何よりもまず、彼らを私たちの意識の中で「見える存在」にすることが大切です。

 こうした意味もあって教皇庁移住・移動者司牧評議会は、7月の第二日曜日(今年は7月14日)を「船員の日」と定め、世界中の司牧者、信者に船員たちを何らかの形で支え、祈るよう呼びかけています。
 私たちは直接、船員に何かをすることができなくても、海に浮かぶ船や港を見るたびに、あるいは輸入された品物を買う時に、そこで働く人たちに思いを寄せることはできます。そうすれば、少しずつ船員や漁師たちの存在が身近になっていき、また彼らのお蔭で成り立っている私たちの生活もふり返ることになるでしょう。
 日本には、「少しでも船員たちの心の支えと支援になれば」と、いろいろな港に行って船を訪問しているAOS船員司牧のメンバー、教会からのボランティアの人たちがいます。「一人でも多くの人たちにこのような訪船活動に参加してもらえたら」と願いますが、たとえ訪船しなくても、何よりも船員たちのことを心にとめ、祈って下さるように、そして直接、船員たちを支えようとするAOSの活動ためにも支援と献金をお願いしたいと思います。

海で働く人たちの安全と無事を願って心をこめて祈りましょう。
彼らの働きを神さまが祝福し、特に支えとなる家族の絆を
いっそう強めてくださいますように。

2013年7月14日
日本カトリック難民移住移動者委員会
委員長 松浦 悟郎(大阪教区補佐司教)

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