「わたしたちは一つの家族、すべての人に食糧を」キャンペーン開始にあたっての教皇フランシスコのメッセージ(2013.12.9)

 親愛なる兄弟姉妹の皆さん  今日、わたしは国際カリタスが世界中の飢餓に対するキャンペーンを開始することを喜びのうち宣言するとともに、わたしがその活動に全面的に協力することをお伝えします。国際カリタスは、164の加盟団体 […]

 親愛なる兄弟姉妹の皆さん

 今日、わたしは国際カリタスが世界中の飢餓に対するキャンペーンを開始することを喜びのうち宣言するとともに、わたしがその活動に全面的に協力することをお伝えします。国際カリタスは、164の加盟団体とともに世界の200の国と地域で活動しています。その働きは、教会の使命の中心に、また飢餓という忌まわしい現実のために苦しんでいる人々に対する教会の配慮の中心に位置づけられます。主は「お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせた」といって、これらの人々がご自分であることを示されたのです。
 使徒たちがイエスに、彼のことばを聞くために集まった群衆が空腹であることを伝えたとき、イエスは食べ物を探しに出かけるよう使徒たちを促しました。使徒たちは貧しかったので、5つのパンと2匹の魚しか得ることができませんでした。しかし、神の恵みによって、彼らは大群衆を満腹させ、残ったものを集め、むだを避けることさえできました。
 およそ十億人もの人々が今も飢餓に苦しんでいます。この世界規模の忌まわしい現実を前にして、わたしたちは目をそらし、それが存在しないかのように装うことはできません。地球上には、すべての人を養うのに十分な食糧があります。意志さえあれば、わたしたちのものは尽きることがなく、むしろ、豊富にあり、むだになることもありません。パンと魚を増やす話が教えているのは、まさにこのことなのです。
 親愛なる兄弟姉妹の皆さん、ですから、十分な食糧を得る権利という、神がすべての人に与えた権利がないがしろにされているという危機に心を向けてください。キリストの愛のうちに、わたしたちは基本的ニーズを満たすのもままならない人々と自分のものを分かち合います。それと同時に、貧しい人々と真の協力関係を推し進め、双方の働きの実りによって、貧しい人々が尊厳ある生活を送れるようにします。
わたしは、一つの人類家族である世界のすべての組織、教会、各個人に呼びかけます。声もなく飢餓に苦しんでいるすべての人が声を上げられるようにしてください。そうすれば、その声は世界を揺るがす叫びとなるでしょう。
 このキャンペーンはまた、わたしたちは食べるものを選ぶ際に、利用可能な資源をしばしば浪費し、十分に生かせずにいるという意識を高めるようすべての人に呼びかけています。それはまた、わたしたちの日々の行いは、飢餓に苦しむ人々の生活に直接影響を与えるものではないという考えを捨てるよう促すものでもあります。
 このすばらしいキャンペーンのもとに、カリタスは一つの人類家族として、すべての人に確かに食糧を行き渡らせるために活動しています。わたしはこのカリタスを支援するよう心から皆さんにお願いします。
 だれも二度と飢えで死ぬことのない世界を思い描く恵みをお与えくださるよう主に祈りましょう。その恵みを願い求めつつ、わたしは皆さんに祝福を送ります。

2013年12月9日
教皇フランシスコ

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