第22回日韓司教交流会

第22回日韓司教交流会が、11月15日から17日まで、韓国・仁川(インチョン)教区で開かれました。今回のテーマは「世界平和を脅かす軍需産業とメディア」でした。 日本からは13人の司教、韓国から20人の司教が集まり、そのほ […]

第22回日韓司教交流会が、11月15日から17日まで、韓国・仁川(インチョン)教区で開かれました。今回のテーマは「世界平和を脅かす軍需産業とメディア」でした。 日本からは13人の司教、韓国から20人の司教が集まり、そのほか、両国司教協議会スタッフの司祭らが参加しました。ことし5月にチェ・ギサン前司教が急逝し、空位となっていたインチョン教区は、交流会直前の10日、ジョン・シンチョル補佐司教が新司教に任命されたばかりでした。

1日目、韓国側の講師、韓国・東洋大学のキム・ジヨン教授が「メディアと国家観」と題し、マスコミによる報道が、過度の愛国主義、国家主義を刺激する事例が多々ある状況を解説しました。特に、日中韓の3カ国において、互いに自国にとって耳触りのいい話を流し、他国はおとしめるような報道を行って、対立をあおっている様子を指摘しました。今後3カ国のマスコミは東アジアの繁栄と平和のため、特定の政権や利害関係とは距離を保って報道の役割を果たさなければならないことを訴えました。

2016日韓司教交流会22日目は日本側の講師として、東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者が、「平和を脅かす日本における軍需産業」と題し、近年の日本の防衛産業の状況について話しました(=写真右)。『武器輸出と日本企業』の近著もある望月さんは、日本政府が2014年に「武器輸出三原則」を撤廃し、「防衛装備移転三原則」をもとに武器輸出に力を入れ始めていることを紹介。冷戦後にかえって世界の軍事費が拡大する中、日本の企業もこの波に巻き込まれつつあり、戦後ずっと保ってきた「武器は売らない」という姿勢から、「どういう国になりたいのか」という問いを考えていかなければならないと訴えました。

この午後司教らは、北朝鮮国境にほど近い、カンファ(江華)平和展望台を訪れ、江華湾の対岸となる北朝鮮の様子を目にし、またインチョンの神学校を訪問し、神学生らと出会い、ミサの中で説教を髙見三明大司教が行いました。

最終日は二つの講演を受け、両国で軍需産業とマスコミの問題についてどのように対応できるか、各教区で問題が起きたらどういう行動が可能かなど、話し合われました。2017年の交流会は日本開催の予定です。

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